ステップ (中公文庫)

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著者 : 重松清
  • 中央公論新社 (2012年3月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122056145

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ステップ (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 結婚3年目、30歳という若さで、朋子は逝った。男手一つで娘・美紀を育てようと決めた「僕」。娘の幼稚園入園から小学校卒業まで、ふたりの道のり。亡き妻の両親や義兄夫婦との絆。あたたかくて不器用で一生懸命な家族のかたち。

    沁みます。。。

  • 結婚三年目、三十歳という若さで、朋子は逝った。あまりにもあっけない別れ方だった… 男手一つで娘・美紀を育てようと決めた「僕」。初登園から小学校卒業までの足取りを季節のうつろいとともに切り取る、「のこされた人たち」の成長の物語。

  • 泣いた。
    小説でこんなに泣いたのは久しぶりかもしれない。

    お父さんと一人娘の美紀ちゃんの物語。
    たくさんの優しさと、決して少なくないやるせなさと、どうしようもない寂しさとがじんわりとしみてくる。

    二人の寂しさに寄り添ってくれるのは自身も何らかの喪失を経験したことのある人達で、解ってくれない人達は二人を簡単にくくって傷つけてしまう。
    きっと私もそうなんだろうなと辛かった。

    簡単にくくってしまえるものなんて何もない。決めつけたり、侮ったりしないで誠実に生きよう、向き合おう。この小説の人達のように。
    そう思った。

  • 小説を読んで、涙が堪え切れなかったのは初めてだ。
    結婚三年目で妻を亡くした父と残された1歳半の娘の話。
    残された者たちは死と言うものをどう乗り越えていくのか。

    いや、乗り越えていくという表現は少し違う。
    乗り越えているのではなく、共に生きていっている。
    死んだ者だけが永遠とされる。
    確かにそれは残された者の重ねる悲しみ以外ないだろう。

    たくさんの愛に囲まれ、注がれ、そして成長していく。
    家族という血の繋がりが紡ぐ集合体。
    若い頃はそれが鬱陶しく思ったり反発もするものだが
    年齢を重ねていくと、その愛おしさが胸に沁みる。
    自分も何物にも代え難い愛情を注がれて生きてきたのだろう
    それ以上のものを自分の子供には与えてやりたい。
    そんな気持ちにすらなった。
    素晴らしい愛に満ち溢れた物語だった。

  • 最後、号泣でした。
    私にはこの美紀と同じ小6の娘がいます。
    違うのは、妻は健在だという事でしょうか。
    でも、初めからずっと、『もし、妻が病気とかで
    亡くなったら・・・』と考えながら読んでました。
    そして、『妻も娘も大事に、大切にしよう、今よりも』
    と思いました。
    しかし、ホント、泣かせてくれるなぁ、重松さんは・・・。

  • 一言で伝えるとすれば、『素敵な父子家庭のお話』です。
    女の子がまだ物心ついていない頃にお母さんが亡くなってしまい、成長するにしたがって直面する母親のことを何も知らないという状況、母の日にお母さんの絵を描かなくてはならないなど、そんな問題を悩み励ましきちんと向き合いしっかりと受け止めるお父さんや母親の両親の優しさが伝わりあたたかな気持ちになりました。
    最後には再婚し、また新たな生活を迎えるところで終わってしまったので、その先、どんな風に女の子が大人へと歩んで行くのかあれこれ想像し、読み終えてからも別の楽しさがありました。

    一番終わりのページには成長した表紙の女の子がイラストで描かれていて、憎い演出がとても感動しました。

  • 結婚三年目で妻を喪った健一。一人娘の美紀を男手一つで育てることを決心した彼と彼を支える人々の暮らしと成長の物語。
    装丁のイラストと『朋子、美紀はどんどん大きくなるよ。』という言葉でもう鼻の奥がツンとします。子供の成長は早い。同時に大人が老いていくのも早い。同じ人間だから当たり前だけど、バトンリレーのくだりは、人と人の繋がりを表しているんだなと思います。老若男女、誰が読んでも心に明かりを灯すような名作です。

  • いつものように日常を舞台にしたお話。娘が生まれてすぐ奥さんを亡くして、男手一つで育てる話。そこに奥さん側の家族が絡みます。実際、こうなった後の付き合い方って難しいだろうな。話としてはまぁまぁ。

  • 本の中に、「変わることは、得ることなのか、失うことなのか」というところがある。

    とても本質的な問いで、今現在の私が思うのは、

    得ることなのか、失うことなのかわからないから、変わることが不安で怖くもなる。

    どうなるのか少し先の視界が見えると、少し安心するけれど、

    それはまた一変するかもしれない。

    変わることは、得ることでも、失うことでもなく、生きることそのもの。

    こういうことへの考え方も、変わっていくのかもしれないけど。


    重松さんの作品は、あたたかい文章ですっかり気にいってしまって

    別の作品も読みたい作家さんの一人となりました。

    人の描き方がやさしいです。

  • 重松清なんてだいたいお決まりの泣けるいい話なんだから、って思ってて自分では選ばないけど、実家にあったので。

    気に入った一節
    昭和の父親は、平成のおじいちゃんになって、さっきからしきりに洟を啜っている。

    ほら、やっぱり。。前半は泣くのをガマンして読んでいたけど、後半は諦めてズビズビと洟を啜りながら読みました。
    やっぱり、家族が一番大事。そして旦那や周りの人も同じ想いでいてくれることは本当に幸せなことだ。

  • 雑誌への連載中タイトルは『恋まで、あと三歩。』だと記されている。若くして妻(朋子)に逝かれて残された夫(健一)が幼い娘(美紀)の子育てに悪戦苦闘しながらも新しい自分自身への一歩、新しい恋への一歩、義父母とその家族の歩みと再出発の物語であった。娘の美紀ちゃんの保育園から小学校卒業式当日までを折々の季節・行事とともに綴り描いていく。

     「美紀ちゃん素直すぎ!」とか「周りの人間できすぎ!」とかの評を目にする。美紀ちゃんのように真っ直ぐに成長する子も、曲がる子もいるだろうし、周りもいい人ばかりいるわけではない。世の中,この物語のようにはいかないって云うのは百も承知。でも、このような境遇に立った時、この美紀ちゃんのように多少おませな子であっても、真っ直ぐに育って欲しいと願うだろうし、周りの協力もこのようであったらなぁと思うのは私の甘えでしょうか。

     「永遠の不在」をどのように受け容れ、一歩を踏み出すか、誰もが経験するテーマではないにせよ、我が身に起こらないとは云えない。今の立ち位置でけっして響かない言葉や情景かもしれないけれど、このテーマに触れ考えておいても害にはならないだろう。

     「一生懸命なひとがいる。不器用なひとがいる。のんびりしたほうがいいのはわかっていても、それができないタチのひとがいる。...」

     「数えきれないほどの今日を昨日に変えていって、いま、僕たちはここにいる。」

     「アリとキリギリスの話あるだろ。イソップだっけ。あれは半分間違ってるよ。...」
     
     「悲しみや寂しさは、消し去ったり乗り越えたりするものではなく、付き合っていくものだと...」

     前後の文脈なしに一文一文の意を推量するのは難しいだろうけれど、なにげないこれらの言葉がスーッと沁みてくる。久々に重松清氏の作品を手にしましたが、やっぱり今回も重松節にじわじわと温められ、目から汗のように滲んでくるものを手の甲で拭いながら読了しました。

  • 早くに妻を亡くした新米パパの子育て奮闘物語。

    「親」でもないし「パパ」でもない私にも、
    登場人物の感情がすんなり入ってくるのが重松さんの文章。
    この作品は読み進めると不意に心がキュッとなるので油断できない。

    重松さんの文章は粗すぎず繊細すぎず、それでも素直にスッと入ってくる。
    この感覚がとても心地良い。

  • こんなに美しい話があるんだ。一歳半だった子が小学校を卒業するまでの成長物語。色んな形をしていて、ものすごく大きな愛を感じました。

  • 途中何度もウルウルしました。 重松さんの作品は、泣かせようと狙ってる感じがどうもしてしまって受け付けないものもあるのですが、これはとてもハマりました。 幼い頃に母親を亡くした娘とその父親、そして亡くなった母親の両親の、お互いを思いやる家族の愛がとても心地良かったです。若干きれい事過ぎるかな?という嫌いはあるけども、優しく温かい気持ちになれました。

  • 父子家庭の話だけど、周りのひととの関わりが丁寧に描かれていて、心が温まる物語。子供は素直すぎるし、できすぎ?に感じてしまったけれど、読み終えてみたら
    これってお父さんをはじめ、大人たちの成長物語なのかなと思った。

    泣かそうという書き方をしていないし、きれい事ばかり書いていないし、自然な家族の姿で、最後までほぼ落ち着いて読めたけれど、クライマックス、やっぱり泣いてしまった。


    「悲しみや寂しさは消し去ったり乗り越えたりするものではなく、付き合っていくもの」
    本当に身近な人を亡くしたことが無いから、実際そんなこと思えるかどうかわからないけれど、心に響いた。(人ではないけれど、自分にとって大事だった対象を亡くしてしまったことを、少し整理して考えられるようになった)

    娘が、感情的に無理して吐く場面、好きかも。こういう視点を持ってるってこの作者すごいな。もっともっと悪い子でも、良いくらいだったけどね。

  • 親になったからわかる温かく切ない気持ち。
    泣けて泣けて一気読みでした。

    そのとき一番大切なことに全力を注げるような自分でいたいと思いました。

  • 教訓として・・・ 人と人との出会いや別れはたとえどんな結果でもひとつのステップとなるのでしょう。
    また最愛の人の死を悲しみにとらえずにそのステップとして前向きに生きていくことが生きている者の務めになるのかもしれません。
    重松さんの温かく、また教えられる、そして今回は装丁までがいつもの如く”涙”させられる作品でした。

  • 自分の読んだ重松氏の小説の中で一番つまらなかった。子供が1歳半に時に愛する妻が亡くなり、その子が小学校を卒業するまで、男で一つで子育てをする話。読み進むにつれ登場人物達がみな良い人ばかりで、主人公の「パパ」は男で一つ、と言う設定の割には、それほどの苦労もなく子育てをしていく。安っぽいテレビドラマを見ているような、くさい話。脇役のおじいちゃんの性格設定も深みがない、会社ではバリバリの仕事人間で「鬼の村松」といわれたが、孫の前では、でれでれのおじいちゃんという設定だが、外でのバリバリぶりを意識させるには、でれでれ過ぎるし分別がなさ過ぎ!子供を猛烈にしかる母親を観て、母のいない孫に「あんなママならいない方がいいだろ」などと言って、孫の機嫌を損ねさせるエピソードなんて、作りすぎだし、この言葉だけでこのじいさんを暖かく見守る気になれない。また生活をしていく過程ですてきな女性を登場させ、亡くなった妻との会話に持ち込む。そして最後の女性と再婚する。これらのエピソードもくさすぎて読むに耐えない。結局この親子は苦労らしい苦労もせずに生活を続けていく、こんな甘いストーリーで重松氏は何を伝えたいのか?とにかくすべてのエピソードに共感を持てない作品だった。

  • 結婚三年目、30歳という若さで妻を亡くした「僕」と、娘・美紀。初登園から小学校卒業までの足取りを切り取る、「のこされた人たち」の成長の物語。

    前半は「僕」と出会う女性達との、恋とは呼べないような微妙な関係が気になる感じだったが、後半は涙なしには読めなかった。最終的に再婚することになる「ナナさん」の、息子を亡くしてしまった経緯や、ガンに侵された義父がくれた言葉など、悲しくて胸に刺さる。

    悲しみと付き合っていくとは、こういうことなんだなと、しみじみ感じることができた。

  • 泣いた。何度泣いた事か。「ステップ」新たな一歩。踏み出すためにはエネルギーが必要。エネルギーは周りの人や想い出や想いから得られるもの。新たなステップに向けてエネルギーを貰おう、与えよう。

  • とってもおもしろかった。
    主人公を取り巻く人々の境遇•心情。
    娘が小学校を卒業するまでのお話。

    どんな大人になるのだろう。

  • 娘と父親の絆のお話。
    正直、この作品以上に暖かくて、泣ける話を読んだことがない。
    何度、読んでも子どもを育てるっていうのは大変だなぁと思う。
    おすすめです。

  • 号泣してしまった。お祖父ちゃんがなくなるシーンにて。赤の他人である、亡くなった妻のお父さんやお母さんとの関係、血のつながりに無い深い関係、細やかな心理描写、入り込んでしまう。一人娘が年を重ねるにつれ、自分との関係や心配事が変わってくることもよく伝わる。感動した一冊。

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結婚三年目、突然の妻の死。娘と二人、僕は一歩ずつ、前に進む――娘・美紀の初登園から小学校卒業まで。「のこされた人たち」の日々のくらしと成長の物語。

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