オーケストラ、それは我なり - 朝比奈隆、四つの試練 (中公文庫)

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著者 : 中丸美繪
  • 中央公論新社 (2012年4月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122056275

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オーケストラ、それは我なり - 朝比奈隆、四つの試練 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  •  楽団員が去ったホールに呼び戻され、ステージのすぐ下で拍手する聴衆に軽く頭を下げる朝比奈隆の写真を何かのきっかけで見た。そんな光景は見たことがなくて憧れた。「95歳まで舞台で上がる」と言い続けたのを初めて知った。他の国では生まれえないし、これからの日本でも決して生まれないだろうマエストロの来歴と音楽に対する思いを丁寧に、丁寧に書き尽くしている。筆が走っている部分、止まりそうになった部分もはっきりとわかる。著者の朝比奈に対する敬愛の思いが伝わってくる。表題は朝比奈が語った言葉ではない。けれど、心に秘めていたのだろうと納得させられた。敬遠してた「朝比奈のブルックナー」を急いで購入した。

  • 大阪フィルの朝比奈隆の評伝。
    大阪フィルは大阪人にとっての誇りであり、文化の一つであると思うのですが、今は窮地に立たされているのは間違いないかと思います。
    大阪フィルと共に歩んで来た朝比奈隆さんの評伝は、これからの大阪フィルに大きなヒントをもたらすのではないかと思います。

  • 尊敬するマエストロ、故朝比奈隆の評伝である。

    1990年頃だったか渋谷のオーチャードホールでのブラームスチクルスは
    全曲聴いた。とりわけ第二番が宇宙的で素晴らしかった。

    本書はマエストロの生い立ちから晩年まで精髄をあますところなく
    描ききっている。たいした筆力である。

    しかし、読まずにいたほうがよかったかな?とも思わぬでもない。

    晩年のあの風格と御本人の実態はずいぶん異なるようで
    勝手に抱いていたイメージがずいぶん崩れてしまった。

    それはそれで本書を読んだ意義の中に含まれるだろう。

  • 2008年9月に文藝春秋から出た指揮者・朝比奈隆(1908-2001)の評伝の文庫化。

    朝比奈隆という日本を代表する指揮者の生涯は、とてつもなく長い。
    すでに戦前から京大オケ、大阪中央放送局オケさらには上海、ハルビンのオケと指揮者としてのキャリアをスタートさせていた。
    そして、戦後にあっては大フィルの設立、育成・発展に尽力すること半世紀。

    本書はその出生の秘密から紐解き、朝比奈の暗い生い立ちを描く。朝比奈自身が父母に対して複雑な思いを抱くのは分かるが、それをさらに投射するように息子の千足が父への思いを吐露している。家族に対して愛情を注ぎきれない朝比奈隆の内面である。

    一方、表の姿である指揮者としての朝比奈の活躍を支えたのが、東京高校や京都帝大時代の豊富な人脈であったのは、本書で最も興味深かった。ことオーケストラの運営には莫大な費用がかかるものだが、それを引っ張ってくる才能は音楽的な技量とは全く違う次元である。しかし、朝比奈にはその才能が備わっていた。

    朝比奈の音楽性は「緻密」とは全く疎遠なものであった。どちらかと言えば、曲の勢いとかスケール感に乗っかっている音作りである。指揮ぶりについても、映像を見ればわかるが、楽団員の証言にもあるように大まかなものに過ぎない。
    まして、オーケストラの楽隊に対しては独裁的であり、1980年代末から90年代初頭には組合からの突き上げをくらってストまで打たれて。

    そのような素人的な指揮者がこれほどまでに長く指揮台立ち続けられたのはなぜだろうか?
    演奏録音だけではなく、その生き様から見えてくることもある。

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オーケストラ、それは我なり - 朝比奈隆、四つの試練 (中公文庫)の作品紹介

九十三歳で死去するまで、現役の指揮者としてタクトを振りつづけた巨匠・朝比奈隆。自ら「長生きこそ、最高の芸術」と言い切り、存在そのものが日本のオーケストラ史であった生涯。その光と陰を描く決定版評伝。第二六回織田作之助賞大賞受賞作。

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