若い読者のための世界史(下) - 原始から現代まで (中公文庫 コ 7-2)
- 中央公論新社 (2012年4月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122056367
感想・レビュー・書評
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原始から現代(第ニ次世界大戦まで)を「過去の出来事でもっとも多くの人間に影響を与えたもの」(213頁)を基準に扱う。第二次世界大戦以後や執筆後判明した事実に関する訂正は50年後のあとがきで著している。美術史が専門の著者。6週間で執筆。西洋史が中心。世界史の基礎知識を学ぶために手に取った。知識を学ぶという点では期待していたものとは違ったが、良い意味で期待を裏切られた。平易な言葉で書かれており読みやすい。ひとつの物語を読んでいるようである。知識は正直身についていないが、世界史の外枠をつかみきれた点と、深く学びたいと思えた点で
この本を読んで良かった。国ごとの歴史を少し知っても、大まかな全体像が今まで全くわからなかったためである。次は『世界史』に挑戦する。『美術の物語』も読む。
また私は、歴史を、ノンフィクションの物語だと考えている。そのこともあり、相性が良かったのだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あとがきがよかった。
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バランスの取れた記述。歴史を語る時にバランスこそが決め手となる。後書きも素晴らしい。歴史嫌いの私が、ワクワクして読めるなんて、、、個人的には啓蒙思想についてもっと学びたくなった。
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最後まで読み通してみて、いかに世界史の教科書がつまらないものであったかを実感。高校生がかわいそう。ローマ帝国皇帝のよく似た名前を、内実を知らずにひたすら暗記してみたり。
そう、中国対イギリスのアヘン戦争をめぐる記述には感慨をおぼえた。というのも、火薬や羅針盤や印刷術をかつて学んだ中華帝国に対し、イギリスはひどい返礼をしたといったくだりがあったからだ。これを中国の人が書いたのならわかるが、これを書いているのはオーストリア生まれの著者だ。もっとも、彼もまた当時、ユダヤ人として迫害される立場にあったわけだけれど。
ナチス政権下、本書は発禁になったそうな。 -
今年一番良かった本。
ルイ14世の明晰さが意外であった。 -
209 コ (2) 登録番号9484
教員リクエスト -
タイトルのとおり、若い頃この本に出会いたかったなぁ~
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最近、文庫本って高いのね。
上下2冊で1,500円もした。
えっ?アタリマエだって?
最近は、BookOffで100円の本ばかり買っているので感覚がズレたのかもね。
でも、この本は値段に十分見合う内容です。あるいはそれ以上かな?
本来は著者が25歳のとき(1935年だから77年も前なんですが、)に書かれ、その50年後著者が75歳のとき追加のあとがきと多少の修正を加えて出版されたものが、今年になって日本語に翻訳されぼくの手元に届いたというわけです。
まず、25歳の青年がコレだけの内容を書けたものだと驚嘆させられる。
ドイツ系ユダヤ人らしいのだが、民族としての彼らの優秀さに、勝手に感心してしまう。
コレだけの長い時間の歴史をコレだけ短くまとめるには簡単な作業ではなく、逆にとてつもない深い知識が必要なはずである。
長い歴史を彼の価値観に基づいて関連付けて理解しているのがスゴイ。
もちろんここで重要なのは、彼の価値観という点である。
歴史というものは、歴史家自身の価値観に基づいて書かれ、評価されるものであろう。
ということは、本人の価値観が大きく問題となるはずだ。
その点、彼の価値観はとてもリベラルで、好ましい視点を持っている。
これは若い人のみではなく、是非大人が読んで欲しい本である。