孕むことば (中公文庫 こ 56-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122056466

作品紹介・あらすじ

『嵐が丘』の新訳という大仕事を終えた後、一旦は諦める覚悟をした子どもを授かった。妊娠・出産の現場で出逢う、いままで口にしたこともなかったことば、そして幼い娘の口からこぼれ出すひらめきに満ちたことば。言語を獲得する途上の豊かな子どもの世界によりそい、それを深い考察へと紡いでいく珠玉のエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 翻訳家として、母親としての感性の豊かさ柔軟さが素晴らしい。
    子供の成長を描いたエッセイと、文学・言葉への考察がきれいに一つになっている。
    微笑ましいところあり、なるほどと気づかされるところありで楽しく読める。

    いよいよ彼女の訳した「嵐が丘」を読まねばならなくなった。

  • 「翻訳は楽しい。子育てはもっと楽しい。」と単行本のPRに書かれていました。
    文庫化したので購入予定です。。。

  • 『嵐が丘』の新訳を手掛けた翻訳者が、40歳で母親となってから出会った言葉たちの不思議を綴ったエッセイ。
    出産を控えた女性にとっては、いい心構えになると思う。子育て中の母親にとっては、心をなごませてくれると思う。子どもが大きくなった人にとっては、共感できたり懐かしく思えたりするのかもしれない。妊娠もまだしたことのない私には想像の域を超えないけれど。私にはまだ早かったかも。でも、純粋に楽しく読めたし、ほっこりできた。
    いつか母親になったら、小さい子の言ってることに真剣に耳をかたむけてみようと思う。意味不明な言葉を発していても、理解しようと努めたいと思う。

  • 健診の間の待ち時間で読み始めた。翻訳家のエッセイだと読み始めたら、母の視点、子育ての話題が多く、翻訳×子育てのコラボがおもしろい。

  • タイトルが素敵だ。なぜか、ちょっと小池昌代を思い出したけど。
    一番最後の表題のエッセイで、この本の成り立ちが語られている。
    子育てに文学を盛り込んだエッセイを依頼された。筆者には以前、「嵐が丘」の新訳を引き受けることで、子供を持つことをあきらめようと思った、と書いたことがあったという。そこを出発点に、と編集者から後押しされる。
    翻訳というフィルターを通すことが多く、そこは自分とは違うけれど、子育て、もしくは仕事と子育て、という点でうなずける点が多かった。
    本の話が存分に盛り込まれ、しばし至福の時間を過ごせた。

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著者プロフィール

英語翻訳家、文芸評論家。古典新訳にマーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』、シャーロット・ブロンテ『嵐が丘』、他訳書に、J・M・クッツェー『恥辱』など多数。著書に『翻訳ってなんだろう?』、共著に『翻訳問答』など。

「2020年 『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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