その妻 (中公文庫 あ 61-7)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 136
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122056480

感想・レビュー・書評

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  • 夫の融也は、いただけない。あまりに自分勝手で、自己中心的で、イライラさせられました。妻の聡乃のことは、可哀想な気もするけど、やっぱり理解できない。話の展開は、予想通りだけど、それを確認したいがために、一気読みしてしまいました。結末は、ハッピーエンドではないけど、こうなってスッキリ!

  • 専業主婦を夢みる妻、聡乃。
    甲斐性はないが優しい夫、融也。
    余命わずかな女性デザイナー、モナミ。
    この3人の人物が軸となり物語が展開します。

    現実には起こりえない様な設定ですが、面白い。

    今で言う所の草食系男子、融也の行動に苛立ち、自己中心的なモナミの行動に同姓として怒りを感じ、そして聡乃に感情移入しながら飽きる事無く読み進める事が出来ました。

    ラストの展開も予想外で、ある意味、胸がすく様なスッキリとした気分になれます。

  • 背表紙の紹介文に「予期せぬラスト」とあったので、何だろう実はプロローグの私は聡乃じゃないとか? 聡乃の推測が実はみんな外れていて、あっと驚く真相が…などと思いながら読んでしまったので、スカッとしそこねました。「大胆不敵な罠」とか、書くべきではないのでは。せっかく作者が行間紙背で匂わせているものを…。
    先入観なしで読んでいたら、バカ夫とバカ女にチョロいと思われてノーマークだった妻が腹くくって二人を破滅させる、ブラボー!! なお話です。それでも旦那のこと好きなの? 人が良すぎない? という読者のもやもやを一気に晴らしてくれます。旦那に向かって言う「待ってるから」にゾクゾク。

  • 身勝手な女性に振り回され夫婦の危機が訪れる。最後まで旦那を信じ、旦那の信念全てに惹かれていた妻がとった行動は常軌に逸している。
    半日で読める本だけど、やっぱり好きな作家の1人だ。

  • これぞ明野照葉という感じで、作者の魅力が詰まった作品だった。一見普通の人の中に潜む激しい感情と狂気。人間関係の超えてはいけない一線。

  • 2018.1.24-174

  • 三十六歳の聡乃の夫の融也に仕事を紹介していた四十六歳の女社長が、余命僅かを理由に一年程泊まり込みをして欲しいと請う、命の話にした持って行き方がずるくて、思わず聡乃に感情移入した。この世界が好きでないから子供を残したくない融也の浮気を許し、彼を軽んじた女社長と子供は許さない、相愛の狂気も引き込まれた。

  • この作家の小説はアタリハズレの差が大きい。

    この小説は、ミステリでもサスペンスでもない(だってハラハラもドキドキも謎解きもなんにもないもん)、ただ「変わった夫婦」の話が書かれてるだけで、オチもまーったくなんにも意外性がないし、キャラクター性すら最後まで一貫しないし、ちょっとがっかり感がありすぎた。

    主人公も主人公の夫もモナミさんも、なんかただ「?」っていうヘンすぎる人たちだから、ヘンな人たちがヘンなことした、っていう話なので、部外者(読者)は、「はいはい、勝手にやっててー」で終わっちゃう。
    っていうか、この人たち、ひたすらきもちわるいよー。
    それだけ。

    主人公の職場のエピソードなんかは、まるまるなくていいよね?

    うーん。うーん。うーん。

  • 専業主の聡乃。
    その夫のゆうや。
    余命わずかというモナミ。

    単に世話になったからというだけで、ゆうやはモナミの面倒を見るため住み込みでサポートする。
    なんとなくモヤモヤがとれない、聡乃は少しずつモナミを調べ始め、最後に恐ろしい事実に気づく。

    ゆうやはずっと愛される対象のぼーっとした男性。彼は最初から最後まで変わらなかったな(苦笑)
    女が二人とも変わっていったね、よくも悪くも。

    人間の闇、特に子供に関しては人はどこまでも恐ろしくなれる。命の重みをある意味感じられるね。

    ただ、聡乃にもモナミにも感情移入はできなかったなぁ。
    気持ちはわからなくもないけど、最後までちょっときつかった。

  • 2015.5.19-27
    全く面白味がないとは言えないものの、駄目夫を選んでしまった女の意地には共感も得られず・・。

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著者プロフィール

明野照葉

東京都生まれ。一九九八年、「雨女」で第三十七回オール讀物推理小説新人賞を受賞。二〇〇〇年、『輪廻RINKAI』で第七回松本清張賞を受賞、一躍、注目を集める。ホラーやサスペンスタッチの作品を得意とし、女性の心理を描いた独自の作風はファンを魅了してやまない。『汝の名』『骨肉』『聖域』『冷ややかな肌』『廃墟のとき』『禁断』『その妻』『チャコズガーデン』(以上中公文庫)、『女神』『さえずる舌』『愛しいひと』『家族トランプ』『東京ヴィレッジ』『そっと覗いてみてごらん』など著作多数。

「2020年 『新装版 汝の名』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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