赤いべべ着せよ… (中公文庫 い 74-18)

著者 :
  • 中央公論新社
3.24
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本棚登録 : 459
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122056664

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5

    鬼に我が子を食い殺された女。
    腹を裂かれ、血まみれの我が子は、まるで赤い着物を着ているようだ。
    女はやがて鬼になり人の子を…。
    そんな鬼女伝説が残る町に娘を連れて20年ぶりに帰郷した千鶴は、
    幼なじみのひとりの幼い娘が扼殺され、古井戸に投げ込まれたことを知る。
    それは、同じ場所で20年前に起きた幼女扼殺事件と状況がそっくりだった。
    やがて、他の幼なじみの子供たちも次々と殺されていく。
    鬼は誰か。“ことろ”の童謡が恐怖を呼ぶ、戦慄の長編ホラー。

    再読です。
    随分前に読んだ時、とても怖いと思った記憶があった。
    今回は、年を重ねて読んだせいか色んな気になる事があったかな…。

    子供を殺された憎しみで、確信もないのに誰かを犯人と決めつけたり、
    他者を憎んだり…。
    物語全体を強く深い怨念が渦巻いていました。
    よかれと思ってした善意によって恨まれる。
    人間の感情って本当に怖いです。

    何十年か前に描かれたこの名作ですが、
    子供が次々と同じ手口で殺されているのに警察は何をしているの?
    不自然さが感じられました。
    途中の犯人は、何となくわかる様に描かれていましたが、
    最後の種明かしには、とても驚かされました。

    わらべ歌や鬼女伝説を絡めたミステリー素晴らしかったです♪

  • 面白かった。
    会話も多いのでテンポ良くサクッと読める。
    欲を言えば、史郎と千鶴のその後を少しでもいいので読みたかった。
    それがあれば星一つ増えてたかも?

  • 「子とり鬼」のわらべ歌と鬼女伝説が伝わる街・夜坂。夫を亡くし、娘と20年ぶりに帰郷した千鶴は、幼なじみの娘が殺されたと聞かされる。その状況は、22年前に起きた事件とそっくりだった。その後、幼児の殺害が相次ぎ…。。

    途中で何となく犯人が推測できてしまうという、ミステリーでは残念な展開だった。とはいえスイスイ読ませてしまう作者の安定した筆力は相変わらず。今回もそうだが私の場合、他に読む本がないときに今邑彩は最適か。
    (C)

  • 夫を亡くし難しい性格の一人娘を抱え
    途方にくれていた相馬千鶴は従兄の一馬を頼り
    20年振りに帰郷し幼馴染の娘が殺され未だに犯人が分からないと聞かされた。
    幼馴染達一同は犯人に心当たりがあると言うが……?

    これって20年前の作品だったんだね、
    だからかな?
    似た感じの作品あるよなぁ~なんて思ったんだけど
    ミステリーの王道って感じで読みやすかったし
    鬼女伝説と22年前の幼女殺人事件と
    現在の子供が次々と殺される事件が絡み合って読ませる。
    子供が次々と殺された事によって豹変する周りの人間。
    犯行の動機とエピローグに納得。

  • 人間自分が素直に直視できないような事がおこると…確かに現実逃避していきがちなのだろうな。と思わせる小説。

    感情的になった時が
    冷静な判断がくだせなくなるのは怖い事だなーと深くおもった作品。今まで築いてきたものは簡単になくなってしまう。(最近反省したような事があったので苦笑)

    人を疑うと事は怖い事、また信じる心をなくしてしまったら心は荒廃していくのだなーと思った作品でした。

  • ところどころ、う~ん・・・な点はありつつも、面白く読めました。
    一番の元凶は、勝手なことをしたオッサンなのか・・・。

  • イッキ読みで良かったが、結末の分かりにくさandちょっとありがちが残念かな。ただ、序盤から引きつけられっぱなしな自分がいた。

  • 意外性はあまりない。
    けれども、ミステリーやホラー要素は抜群。
    かなり読みやすく一気読みしてしまった。
    が、先が気になると言うよりは「あぁ、たぶんこういう展開なんだろうなぁ」って気持ちで読んでしまったのは残念?

  • 2015.05.12読了☆

  • 初めての作家さん。
    わらべ歌と子供を襲う鬼女に纏わるホラー小説。
    ホラーと言うよりミステリー寄りかも。

    とても読みやすく、ハイスピードで読み終えました。
    面白かったのだけれど、やはり幼児が殺される設定が何とも苦手。。
    モヤモヤしてしまう。

    しかし、わらべ歌ってやたら怖いですよね??
    歌詞といいメロディーといい、何だか不安な気持ちにさせられます。

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