高台にある家 (中公文庫)

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著者 : 水村節子
  • 中央公論新社 (2012年9月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122056916

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高台にある家 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 小説家水村美苗氏の実母である水村節子氏によるデビュー小説。小説と言っても、自伝に限りなく近いと思われる。1921年生まれの著者の半生を綴る書であるが、中心となるのは著者の母親の話である。
    著者は、自分の母親の下品な行動や身なりに子どもながら辟易し、恥じている。そして自分はとても若い父と年老いた母に生まれた私生児であることに気づき、コンプレックスに思う。母の複雑な人間関係から、自分は一人っ子ではないらしいと気づく。女学生時代、そしてお嫁に行き、ある決心をするまでの赤裸々な私小説である。
    最初の2章は冗長で投げ出しかかったものの、強烈な母が登場してからは釘付けになった。文体が娘の美苗氏に似ている。この類いの女性の一生を描いた書は様々読んだが、時代背景もあり、なかなか面白かった。昔の人が家族に対して抱いた思い、若くて結婚すること、兄弟の数が多かった時代に思いを馳せる。70代になって小説を書き始めた著者のバイタリティも凄い。オススメの一冊。

  • 自伝はすきじゃないのに、読めた。しかも結構引き込まれた。

  • 『母の遺産』で我儘で娘を翻弄する「母」がここでは娘として自分の母を語っている。
    節子さんは美人だったと美苗さんも書いてたけど、すらりとして、華やかで勝気で、それでいて翳のある若き節子さんはさぞや魅力的であったろう。
    文章は引き締まって、感傷を排し、美苗さんと変わらぬ(彼女が手を入れたせいもあるだろうけど)素晴らしいものとなっている。

    それにしても、「私」の「母」の人生には胸が痛む。
    私生児として生まれ、教育はほとんど受けず、置屋にいられれば男とおかみの勝手で水揚げされ、妾にされ・・・。
    「私」の父との駈け落ちが唯一の恋愛だったかもしれない。
    しかし、老いて捨てられてしまう。

    「父」もしてはいけない恋愛をしたがために、裕福な家に生まれながら、一生うらぶれて過ごしたわけで、その鬱屈はすさまじかっただろうなと思う。

    三代目の美苗氏が小説家になったことで、この人たちの思いも多少報われたのかもしれないな。

    完成していなくても「続編」がぜひ読んでみたい。

  • 本の帯に目が止まった。
    「ママ、いったいいつになったら死んでくれるの?」
    実はこの本でなく著者のベストセラー「母の遺産ー新聞小説」のことらしい。しかし、この本が見当たらなかったため、続編の著者の母が主人公の「高台にある家」を先に読み始めた。少女が自分の出生の秘密が明らかになり、同時に成長していく様は生々しく最後まで一気に読み切った。明治から昭和まで女性の人生ほど私の印象にのこるものはない。それは私の身近なところにも密やかにあるからだろうか。他人の家を覗きこんでいるような何とも言えない気持ちがある。ここまでかける事が凄い。

  • 大正に生まれ、庶子として育ち、
    冷めた目と強烈な自意識と強いあこがれを持ち
    昭和を生きた女性の私小説。

    小説として面白いか、を問われれば間違いなく否なのだけど、
    時代の空気感はやたら生々しく、
    構成は下手でも文章は美しい。

    自意識の高さを正直に描き出す姿勢は真摯で、
    その上主人公に共感するところが多々あったわたしは
    つまらない、つまらないと思いながら時間をかけて
    じっくり読んでしまいました。
    娘・美苗さんの著作を読めばまた印象は変わるのかもしれません。

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