SOSの猿 (中公文庫)

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著者 : 伊坂幸太郎
  • 中央公論新社 (2012年11月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122057173

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伊坂 幸太郎
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SOSの猿 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • とりあえずジャケ買い。ちょっと読了感が物足りない、のは作品のせい、ではなく自分の力不足かなと思う。

  • 最初は二つの話があまりにバラバラで、どうなるのかと予想もつかなかったが、まさかああいう展開になるとは!個人的に西遊記が好きなので、その方面からも楽しめた。
    五十嵐大介さんの『SARU』というマンガと対になるらしいので、そちらも読んでみたい。

  • 副業エクソシスト、困った人を放っておけない二郎君が語る「私の話」と、株の誤操作について調べる五十嵐さんが主人公の「猿の話」、一見全く関係ないそれぞれのストーリ-がどこかしらの時点で融合するというのは珍しい構成ではありませんが、交互に語られることで同時進行だと思わされていたそれぞれのストーリーが実は微妙に時間軸をずらしてあって、いわゆる「叙述トリック」の一種が仕掛けられてるところが構成としてはミソと思われます。

    とはいえ別にものすごく目新しい手法というわけではないし(同じ作者ならアヒルと鴨~ほどのどんでん返し感は全くなかった)、勘の良い読者なら、結構早い段階でそのトリックに気づいてしまうと思う。もちろん作者がそのための伏線を張っているからではあるだろうけど、語り手の猿が誰か、結構すぐ予想ついちゃったし。総じて、構成的には、伊坂幸太郎のわりに物足りない・・・って印象。

    あえてわかりやすくしてあるのかもしれないけど、最後のほうの、あからさまな漫画への伏線とか、個人的にはちょっと興醒めしちゃったり。まあ最初から、漫画とコラボで始まった企画だそうなので、それは仕方ないのかなあ。小説は小説で独立して読んでも、一応の解決は得られるのだけれど、この小説バージョンのユング的解決と裏腹に、漫画のほうでは眞人君は実際に違う世界と行き来して本当に戦ってる的な展開なのだろうなというのも予想がつくし。

    とはいえ、個々の部分はやはり伊坂幸太郎らしい(?)示唆や哲学に満ちていて、はっとするような台詞や、心あたたまるエピソード、共感できるキャラクターなんかはすごく良かったです。特筆すべきは、これまでの伊坂作品ではあまりクローズアップされてこなかった(と思うけど、どうだろ)おばさんキャラ=母世代のキャラクターの魅力が突出してること。二郎君のお母さんも、辺見のおばさんも、雁子さんも、特別な能力は何も持たないけれど、あの年齢特有の達観した図太さとおおらかさがあって、すごく癒されたなあ。とくに二郎君のお母さんはすごい人だと思いました。

    あと余談ですが、フロイトが何でもかんでも性的なことに結びつけるのは私も嫌いです(笑)。すごく昔に読んだのでうろ覚えだけど、10歳未満の女の子が見た夢に「伸び縮みする」何かが出てきたときに、即「ペ○スの象徴」とか分析しちゃうくだりがあって、
    少なくとも自分がそんな年齢のときは、それが「伸び縮みする」という認識すらなかったわい、ええかげんにせえよおっさん、と思った記憶があります(笑)。やっぱユングのほうがいくらか信用できると思う。

  • 『救急車って、どこに行くの』
    『どこかでね、誰かが、痛い痛い、って泣いているんだよ。だから、助けに行くんだよ』

    『お客様か。大歓迎だね。好きなだけ買っていってくれ。何を買いに来た? 避妊具か? 避妊具か? それとも、ほら、あれだ、避妊具か?』

    『自己顕示欲、名誉欲、嫉妬、孤独、そういったものは結局、突き詰めれば、一言で表せる』
    『一言で』
    『「僕を見て」と』

    『先ほど、わたしは、人には、「僕を見てくれ」という欲求があると言ったが、それともつながるかもしれないね』
    『どういうことですか』
    『SOSを発信している人は、やはり、その信号を聞いてもらいたいんだ』
    『どういうことですか』
    『二郎は、SOSを発している人間を救えないと嘆いているが、そうではなく、キャッチしてるだけでも充分、救いになっている。そうは思わないか』

    『では、親はどうすればいいんでしょう』
    『「子供のことが分からないけど、分かりたい」そう思ってるくらいがちょうどいいんじゃないか』

    『人っていうのはやっぱり、言葉にして伝えないと相手には気持ちを理解されないんです。だけど、言葉にするのを省いて、うまくコミュニケーションが取れないと、「どうして分かってくれないのか」と腹が立ったり、「きっと相手は自分をこう思ってるのだ」と勝手に先回りして、怒ったりして、結局、雪だるま式に関係は悪くなっていくんです』
    『それ、悪魔祓いの基本書とかに載ってるの?』
    『いえ、離婚調停の本に載ってました』

    『音楽は最初の一滴。それが波紋をつくる。波紋が波紋を生んでいく。やがて、大きな波となる。波は大気を揺らし、星を覆い、そして、目に見えぬ、約束に届く』

    『物語は、時々、人を救うんだから』

    『鴈子さんは、眞人は感受性が強いのよ、と言い、「鶏の肉はおいしいね」とあまり感受性を感じさせない言葉を吐いて、唐揚げを食べた。』

    『でもさ、いつか絵、描いたら見せてね』
    『絵の何たるかも知らないくせに』
    『わたし、二郎の絵、好きだから』

    『子供ってのはいろいろ考え込むもんだからね、思春期は特に、哲学の季節だよ』

    『そうですね、まずは隠れたほうが』
    『こういう時はね ー 堂々としているほうがどうにかなるんだって』

    『どこかで誰かが泣いているんです。僕たちは、誰かのSOSを耳にしたんです。』

    『あのね、母親ってのは、夢の中で息子が困ってるなら、その夢の中にも飛び込んでいきたいものなのよ』

    『エアコンは、誰かを救う。分かりやすくていいだろ。それを僕は売る』

    『エアコンの機能が、誰かの生活の苦しみから解放する。いいことではないか。やれることをやるほかない。』

  • 伊坂幸太郎ぅー。これは少しガッカリでしたが、あとがきにみんなからの反応が悪かったと書いてあり、なるほど私だけじゃなかったのね。と、思った一冊。

    いろんな伏線が張り巡らされているのにも関わらず、あんまり綺麗に回収されてないような。。。

    片付いてないままに曖昧に終わった感あり。。。

    読んでて少しガッカリしたラストでした(ー ー;)

    いつもとっても上手に伏線回収して終わるので、とっちらかったまま終わらせられた感莫大で、どうもこうも落ち着かないオチでしたとさ。

  • いやいや、面白かったです。
    もっと孫悟空かと思っていたのですが、それほど猿の濃度は高くなかったような気がします。

    デビュー当時の伊坂幸太郎は村上春樹の二番煎じみたいな言われ方もされていましたが、村上春樹がよくわからない私は、伊坂幸太郎の方が読みやすくてわかりやすくて、全然違うと思ったものです。

    作者本人が『ゴールデンスランバー』をもって自身の第一期の終了と言っていますが、その後に続く第二期は、第一期ほどには売れていないというか、ファンの評価があまり高くないようです。
    私には、伊坂幸太郎が書きたい世界はそんなに変わっているようには思えません。
    ただ、以前は彼の独自の世界が厳然とあって、それは私たちの世界とは無縁のところにあったような気がします。これは村上春樹にも言えるというか、村上春樹の方が先ですね。
    今は、突拍子もない設定の小説であれ、彼の書く世界は私たちの世界に少し近づいてきているような気がします。

    それが、嫌だと思う人もいるでしょう。
    特に見たくなかったり考えたくなかったりした物のそばに、伊坂幸太郎の世界が来ちゃった場合は。
    第一期にあった読後のカタルシスが、簡単には感じられなくなったということはあると思います。
    でも、丁寧に読めば読んだだけのものをきちんと返してくれるのが、プロの作家伊坂幸太郎の力であり、醍醐味だと思っているんですよね。

    簡単に読めて楽しめるものから、少し考えて感じて楽しむものへ。
    伊坂幸太郎がそのようにシフトチェンジをしたのなら、私はファンとしてついていこう、と思っているの。

    でもってこの作品。
    突き付けられた問いに答えるのは、やはり難しい。
    暴力は善なのか、悪なのか。
    暴力が善とは思わないけど、話してわからない相手に理解させるときに暴力は有効だ。
    おしりぺんぺん、とか。

    けれども、話せばもしかしたら膨大な時間の果てに分かり合えるかもしれない相手に、手っ取り早くわからせようと暴力をふるうのはやっぱり嫌だな。
    ふるわれるのはもっと嫌だし。

    理解しあえるのは幸いだと思う。
    けれど、理解しあえない相手は敵なの?
    世の中には敵と味方しかいないの?
    善か悪かしかないの?

    悪を取り除いて善だけになろうとする思想と、悪も善もそこにあるものとして受け入れる思想。

    わかった気になって理解する努力をやめたとき、そこに断絶が生まれる。
    親子関係であれ物事の真理であれ。
    だから理解しようとし続ける。
    それが私には心地よい。

  • 覚え書き

    何のために歌うのか?
    「空からでっかい石を運んでくるわけ。聴いてる人の胸にその隕石をぶつけるの。」
    「隕石ってのは『遠くから降ってくる大事な感覚』のたとえだよ」
    「わたしたちの歌を聴いて、こう言ったんだ。『音楽は最初の一滴。それが波紋をつくる。波紋が波紋を生んでいく。やがて大きな波となる。波は大気を揺らし、星を覆い』とね」
    「『そして、目に見えぬ、約束に届く』って。」

    自分では言い表せなかった気持ち。心に響く本、音楽に出会った時に感じていたことに近い言葉を見つけた。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    三百億円の損害を出した株の誤発注事件を調べる男と、ひきこもりを悪魔秡いで治そうとする男。奮闘する二人の男のあいだを孫悟空が自在に飛び回り、問いを投げかける。「本当に悪いのは誰?」はてさて、答えを知るのは猿か悪魔か?そもそも答えは存在するの?面白くて考えさせられる、伊坂エンターテインメントの集大成。

    ああもう、いちいち思い知らされることが多すぎ(笑

    「人の中には善悪両方ある」
    「すべての結果には原因がある」
    「その原因にもまた原因がある」
    「暴力はいつでも悪いことなのかな?」

    途中から、引きこもりをどうやって治すのか?
    が気になって読み進めておりました。

    結論としては、辺見のお姉さんの変わりっぷりが、引きこもりを治す秘訣なのかな、と。

    ちょっと話があちこち行ってしまうので、
    よく分からなくなる部分あり、
    あーこれはここに繋がるんだ!と膝を打ちたくなる部分あり、
    いろんな感想を持てる作品。

    それにしても、株の誤発注で打ち間違いを思い出すシーン、リアルすぎるΣ(||゚Д゚)
    日頃システムで端末相手にしていると、背筋が寒くなりますよΣ(||゚Д゚)

    作者はなぜこんなにもリアルに表現できるんだろう(´・ω・`)
    経験あるのかな?
    それともこれが「作家」の力量?

    「純文学」を読んだ後なのでするする爽快に読めました(苦笑)。

    読みたいと思って挫折してる「西遊記」、
    もう一度手に取ってみようかな。

  • 久々に悪の濃度がめちゃくちゃ濃くて読むのに時間かかった。もしかしたら全部夢かもしれないね

  • 2014/03/14読了

    カテゴライズに少し戸惑ったけど、日常ファンタジーでいいのかな?
    久々の読書。伊坂作品の伏線...というか、あるとは分かっているけれどもやはり伊坂メソッドには毎度ビックリする。
    「私の話」「猿の話」「五十嵐真の話」の、多視点構成で物語が展開するが、時間の語りを同一線上として考えていては本質は見えないし、メタ発言と思っていた次回への文句も意味のあるものだということに感心。
    構成は本当にうまく、読みごたえがあるよね。

    二郎が最後に何らかの解放感を覚えるラスト。彼が孫悟空なのでは?(頭の輪が外れるという意味で)とも一瞬思ったのだが、雁子さんの豪快さも孫悟空のそれだと充てることができるし、様々な解釈が可能だ。
    西遊記をモチーフとしてはいるが、連れではなく各々が孫悟空の要素を持っている、というのが、私の「猿」に対する考察だ。

    カウンセリング的な要素が多かったのだが、話術としての技術のコツも幾らかあり、実用面で「なるほど」と思えるところもあった。
    五十嵐氏の漫画「SARU」というのと"共作"だとうことで、これはまた完全な別作品であるようだが、(奈々さん、五十嵐氏と、ところどころリンクあり)
    猿という概念に何らかの共通項はあるのだろうか。
    少し、気になるところである。

    作中で心に留まったセリフが
    P122
    「分かる、と無条件に言い切ってしまうことは、分からないと開き直ることの裏返しでもあるんだ。そこには自分に対する疑いの目がない」
    これは日常でも言えることだろう。
    この一文は忘れないようにメモしておこう。

    エンターテイメント小説でありながら、心理学にかなり通じた物語だった。

  • 2014/02/20読了。なんと1年以上積んでました。ひきこもり青年をなんとかしようとする二郎君と、証券会社の株の売却ミスの原因追及に取り組む品質管理部の五十嵐さんの話が並行して進み、終盤にその2軸が交わります。
    西遊記が絡んだりして、ユーモアがあるんだけど現実離れしたフワフワした話でした。
    品質管理の話は、数量と金額を逆にシステムに入力してしまって大損という、現実にもあったミスを元にしてて面白かった。罪を憎んで人を憎まずって、なかなか難しいですね。

  • 文庫化で再読。
    あれ? こんなにおもしろかったっけ?
    わかりやすくなってしかも何か癒やされる。この世界にもっといたいと。
    単行本のときはそんなこと感じなかったので、文庫を再読するのも積極的になれなかったのだけど。
    文庫化で大きく改稿されたようです。
    ああそれで。

    単行本とは同じでいて違う作品のようにも感じます。
    解説では、同じだとあるけど、
    読みやすさや主題の伝わり方がかなり違います。
    何より好きな伊坂作品のひとつになったことがとてもうれしい。

  • エアコン販売員のエクソシスト・遠藤二郎は、昔馴染みである辺見のお姉さんの息子・辺見眞人のカウンセリングを行うことになる。
    また、システム管理会社の品質管理を担当している五十嵐真は証券会社の誤発注事件の原因を調査しているうちに別の事件に巻き込まれていく。
    遠藤二郎の「私の話」、五十嵐真の「猿の話」が並行して進み、一つの話へ収束していく。

  • ずいぶん前に単行本を読んでいた。難解……という印象以外、結構忘れていた。
    やはり読みやすい、とはいえなかったが、漫画の『SARU』を読んだからか少しイメージもできて、猿と人の繋がりも以前よりは読めたような……気も……?
    収束してゆく感じや非現実の交じり合うところ、など色々な部分で伊坂さんらしいと思うが、分かりやすいエンタメ好きの自分にはやや難しいという印象は変わらず。

  • そういえば伊坂さんの作品は大なり小なり“人を助ける・助けたい”ような人物や事柄がよく描かれているように思います。ご本人にそういう思いがあるのでしょうか。多角的に視点が変るので一見複雑ですが、終わりに向かってだんだん焦点が絞られてくる快感があります。所々に孫悟空の物語に絡めた話が面白かったです。二郎君のお母さん、素敵なお母さんだわ~。

  • 本作において孫悟空は空想的な暴力の象徴。重力ピエロでは自分の手で悪を滅ぼし、ゴールデンスランバーでは悪から逃げ続けた。そして、SOSの猿では思いを通じて、間接的に悪に立ち向かった。この流れがすべてだと思う。伊坂幸太郎にとって本当の善悪とは?が永遠のテーマであり、本作では悪を目の前にして、個人の力ではどうしようもできないけど、皆がSOSを発している人達を救いたいという強い思いが世界を変えるのだというメッセージが込められていると思った。でも、決めるのは自分。そこに答えはなく、結論はない。本作は伊坂幸太郎の思いがたくさん詰まった作品。決して駄作じゃない。

  • 今まで読んだ伊坂作品の中ではイマイチ。
    私の話と猿の話の2つの物語が進められるといくという伊坂作品ではお馴染みの展開はさすがだと思わされたけど、ラストがめちゃくちゃ。
    猿の話の五十嵐には毎回疑問を持ちながら読み進めていた。その疑問も解決できたけど今まで読んだ作品と比べると満足できなかった。やっぱりゴールデンスランバー以前の作品の方が好きだな。

  • 2013.03.22読了。
    今年15冊目。

    バイバイブラックバードのあとに読んだため、読みづらくて進みが悪かった(笑)

    現実世界の中に現れる孫悟空という発想、感受性の強いひきこもりに会うエクソシストもどきの感受性の強い二郎、個々には面白いんだけどトータルすると何となく物足りなく感じた。
    し、ひきこもりとか精神的な、潜在意識とか、そういう心理系の話だったのでややこしく感じたのかも。

    とは言えやっぱり登場人物のキャラは個性的だったりお茶目だったり最高(笑)
    真面目な五十嵐のネクタイ鉢巻には毎度笑えたし、困った人を見ると...な二郎とか。
    大好きなのは、二郎の母親。
    高校時代に二郎が工場の壁にスプレーで落書きしたことが母親にバレて、孫悟空の落書きの話を真面目に話して聞かせ息子を叱るシーン!
    あんな母親になりたい(笑)

  • 眞人くんの株の損失で得たお金の行方が気になる・・・・
    やっぱ親子を助ける資金にあてたのだろうか。

  • 本に酔った...。
    因果を巡る話としては面白いけど、表現の仕方なのか言葉の使い方のせいなのかすごく疲れた。
    伊坂さん、最近こういうタッチの話増えた気がする。個人的には軽い作風のが好き。

  • 分かってはいても布石の回収が秀逸。
    二つの物語が収斂して行く様は面白い。「因果関係」という概念について書き込まれた一冊だと個人的な印象。登場人物の性格では明示されているけれども、メインでない人物のふとした発言や行間に散りばめられてる。
    伊坂さんの読んだのは2作目でした。

  • 不思議な世界観。
    悪魔払いが出てきたり、心の情景が見えたり。

    とっても不思議なのにリアル。
    リアルと不思議が混ざりあいつつ、話が進んでいく。

    個人的に心に残る言葉や、感情のコントロール方法が合った。
    読了感は、さすが伊坂さん。

  • 100%善い人がいなければ、100%悪い人もいない、ってセリフが好き。

  • 物語は、時々、人を救う。
    この物語の中の一説だが、とてもいい言葉だなと思った。

    伊坂幸太郎、言わずと知れた売れっ子小説家だ。
    恥ずかしながら彼の著作を初めて読んだ。
    読む機会はこれまで幾度となくあった。が、読まなかった。
    それは恐らく私の中に蔓延る天の邪鬼なつまらない性質のせいだろう。

    ここまで来ると何から読めばいいのだろうと思っていたが、
    たまたま書店にて目についた本書のカバーに目を惹かれ購入。
    初めて伊坂ワールドに触れたのだが、なるほど、ようやくわかった。
    直感的にこの人の作風は肌に合うとわかっていた。
    だからこそ、その通りの展開に悔しい様なそんな気分もあった。

    株の誤発注と青年の引きこもり、母子監禁事件、そして孫悟空。
    この何一つ関係性の感じられないキーワードをうまく繋いだなと。
    多少、強引なまとめ方ではあったが、
    物語とは本来そういうものではないのだろうか。
    誰かが想像した世界で、誰かが救われる。
    それが小説の素晴らしいところではないかと、そう思った。

  • 読み終わっての第一印象。

    またやりやがったな伊坂!
    (口が悪くてすみません。ちなみに、褒め言葉としての印象です)

    でも、本当にそう思ったので仕方がない。第一期の作品であろうと、二期の作品であろうと、この作者は、一見関連性のないものが実はからまりあっていた、というのを描くのとか、時間軸の使い方が本当に上手い。そこに、現実にはありえないようなことを、またうまく絡ませてあるんだ。この物語でいえば孫悟空とか、ほかの作品では殺し屋とか。明らかに「つくりもの」の世界に現実世界のリアリティを持ち込むのはおそらくそんなに難しくないのだろうけど、逆はたぶん簡単なことではない。

    ストンとエンドが落ちる感覚はないけれど、たぶんそれでいいんだと思う。いろんなことがあるけれど、人生ってそう悪いもんじゃない。なんだかそんな気持ちになるんだなぁ。二郎のお母さんと辺見のおばさんなんてね、その象徴みたいなものじゃないのかな。楽しそうな老境です。

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