獅子の棲む国 (中公文庫)

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著者 : 秋山香乃
  • 中央公論新社 (2012年11月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (527ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122057203

獅子の棲む国 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 会津藩、山川大蔵を中心に、戊辰戦争から西南戦争までが描かれている。
    賊軍として屈辱の敗戦を喫し、斗南での厳しい生活を経て、官軍として薩軍と戦う。
    国の在り方を変える為に流した血の多さに驚き。大蔵の鮮やかな戦術に胸を踊らせ。賊軍となった、会津、薩摩の人々の想いに涙した。

  • 会津戊辰戦争から西南戦争までを描く。
    徳川幕府と佐幕派を徹底的に「賊軍」に貶めていく薩長同盟。完膚なきまで叩き潰され、明治維新後には幕府に最後まで味方したという理由で蔑まれ、辛酸を嘗めさせられる会津の人々。
    時が経ち西南戦争勃発という事態になり、かつての「官軍」「賊軍」が反転する薩摩と会津。
    どちらも譲れない思いがあり、それを守るために戦っているだけなのに時代の風がどちらに向いているかによって、大きくその立場が変わっていく。
    個々の登場人物も魅力的。

    男性時代小説家の作品ではエロスとバイオレンス(時に女性蔑視)がキツいことがままあって、あまり普段読まないのだけれど、秋山香乃さんの作品はそういうところがあまりなく、読みやすいと思う。

  • 鶴ヶ城落城~西南戦争終結までを山川浩を中心に会津人の群像と交流を描く小説。
    主役だけに山川の活躍が光り、会津を背負っていく葛藤や心情が良く伝わってきました。
    会津以外の脇では谷千城、山田顕義が良かったと思う、口の悪い(ある意味正直者?)の山田はそれほど出番はないが一番輝いているように感じました。

  • 会津城落城から西南戦争まで、目まぐるしい変化と維新における派手さはなく滅々とした雰囲気が漂う。望んでなったわけではない京都守護職、徳川家が政権を返上し梯子を外された形になり、新政府の怨嗟を一身にうける会津藩。根絶やしこそ免れたものの青森の辺境に追いやられ、お家再興のためただひたすらに耐え忍ぶ日々。しかし、版籍奉還、廃藩置県によりお家再興が断絶される。山川大蔵、梶原平馬、斉藤一を軸に敗軍となった会津苦難の歴史を描く。

  • 会津落城から西南戦争終結までを会津の山川大蔵の視点から描いた歴史小説、と言いたいところだけど若干ラノベ調というか本格歴史小説と呼ぶにはちょっと遠慮がある小説。
    斉藤一を狂言回しに使ったのは入りのよさとしてはいいのかもしれないけど、あまりに有名人なので斉藤一が出てくると「あぁ、これは架空戦記ものなのだな」と冷めてしまう。
    徹底的に山川大蔵モノにして分量を半分にして本格歴史小説を目指して欲しかったものです。売上半分以下になるだろうけどさ。

  • 八重の桜をきっかけに山川大蔵に興味を持ちました。
    前半は会津から斗南、後半は佐賀の乱と西南戦争が描かれています。
    特に斗南藩の部分に心動かされました。生き残った会津の人達がどんな想いで逆境を生き抜いてきたのか、読んでいると胸が熱くなります。
    とにかく最初から最後まで山川がひたすら格好良いです。後半は戦場の場面が主ですが、そんな中、斎藤一の結婚を巡るちょっとしたドタバタエピソードが可愛くて和みました。

  • 会津の屈辱、そして復活。
    あまり歴史には出てこない物語を胸を熱くさせながら一気に読み通しました。
    不屈の魂、震えました。
    それにしても官軍薩摩が、一転賊軍に。
    歴史の転換点は魑魅魍魎。改めて痛感。

  • 会津落城以降の、滅藩、斗南移封から西南戦争までの山川大蔵を中心とした会津人の物語。

    著者の新選組の話は読んでいるが、明治へ続く話は知らないこともあり新鮮だった。
    すごく苦しくもなり、それでもひたむきな姿に胸が熱くなった。
    明治がこれまでで一番の変革の時であり、今もそれを引きずっていることを実感する。

  • 山川大蔵が主人公で、秋山先生らしい読みやすい解説に美しい人物描写がたまりません。山川谷ペアも素敵ですが、個人的には斎藤一と大久保利通のセットがすごくたまりませんっ・・・!!初期明治政府を堪能できる素敵な1冊です。

  • 秋山香乃は、最近の新選組もの小説だと必ず名前のあがる作家さんみたいですけど、個人的には今まで読むタイミングがなかったので初挑戦です(幕末は史料あさりばかりで小説読まなくなっちゃったから)。だって山川浩が主人公で斉藤一も登場するとなれば無視できないでしょう!(※会津藩マニア)

    歴史小説を読むときって、無意識に頭の中で「これは史実(ノンフィクション)」「ここは創作(フィクション)」と脳内で仕分けしてしまったりするんですが、そういう意味ではこれは、斉藤一に関する部分に創作の占める割合が多く、山川浩に関する部分はノンフィクションが多かったような印象です。とくに後半、西南戦争に突入したあたりから、史実の羅列みたいになる傾向があったような(戦争になると仕方ないんでしょうねえ、私生活=恋愛とかは創作できるけど)。そう思うと、やっぱり司馬遼太郎という人は、史実と創作のブレンド具合が絶妙だったなあとかしみじみ思ったりしました。

    ちょっと苦手かなと思ったのは、女性作家だからか、いかにも腐女子の好みそうな思わせぶりな会話が盛り込んであったり(あれ司馬さんのは無意識で狙ってないから萌えるんだよ)、反面、男女間のそういう描写は、男性むけかと思うくらいちょっと露骨だったりして(あくまで主観です)、個人的にはちょっと引きました。エンタメとはいえ、歴史小説にそこは求めてない。

    斉藤一に関する部分に創作が多いと思ったのは、彼が会津藩の間者として新選組に入隊したという設定を採用してあったから。まあこれも「絶対ありえない」とまでは言えないので、ひとつのパターンとしてアリだと思うんですけど、明治になって大久保利通にも間者として使われるとかなると「おいおい、るろうに剣心かい」と、ツッコミのひとつも入れたくなります(笑)。まあ「小説」ですから、エンターテイメントとして全然OKなんですけどね。

    全体の比重として、思っていた以上に西南戦争についての比重が大きく、最後もそこでまとめてあったので、ちょっと偏ってたかなという印象。もっと重要なサブキャラになるのかと思っていた梶原平馬がほとんど序盤で姿を消してしまうこともあり、もう少し山川浩周辺の会津の群像みたいなものも掘り下げて描いて欲しかったな~というのが、まああくまで個人的な希望ですけども、ちょっと物足りなかったかも。まあ自分はこと会津藩や斉藤一のことになると煩い読者なので、一般むけ会津藩入門書としては悪くなかったと思います。

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