アウトサイダー(上) (中公文庫)

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制作 : 中村 保男 
  • 中央公論新社 (2012年12月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122057388

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アウトサイダー(上) (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 居場所のなさへの不快は幼少の頃から抱き続けてきたし、自由をかち得ることの困難さの認識は深まるばかりだ。事物が自分の視覚に達するまでの長い行程(時間的にはアッという間の)、目の前の林檎の赤は私だけの色彩、人とは決して共有できないという孤独にも苛まれてきた。しかし社会と生活がそんな戯言を許さない。自己をかなぐり捨てたいという衝動は今も時々襲ってくる。上巻はウェルズ、サルトル、カミュ、ヘミングウェイ、ゴッホ、ヘッセ、ロレンス、ニジンスキー、ニーチェ等を題材にしたアウトサイダー論。大いに感情移入しながら下巻へ。

  • 引用が多くてそれらを読むともっと面白くなるんだろう。言説もまさにアウトサイドをなぞるようで、深夜の独り身でタバコ吸いながら読むのにピッタリ。でも、買って2時間で読み切るほど没頭はしていない。ここにすら居場所は無いのか。いや、居場所じゃない。煙に巻かれた孤塔の一室こそがその指し示す"間隙"なんだ。ゆとりでもある。ゆとりのなかで其れなりに生きられるのは社会が豊かな証でもある。内側で働いて疲れ気味の人や国を挙げて存在感を示さなきゃってトチ狂ってる方々は、来る日も来る日もこれといった事が起きない自宅を警備している人たちを見て「あぁ、こんなゆとりがあって豊かなんだから頑張り過ぎかなぁ」とホッとして頂ければ良いんじゃないでしょうか。

  • BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー「ブックサロン」で登場。

    ゲスト金田一秀穂さんの人生を変えた一冊。

    「中学3年生の時だったと思うんですが、みんなと仲良くするのが嫌だった時期があるんですよ。困ったなぁと思って、ひょこっと本屋さんに寄った時にみつけたのがこの『アウトサイダー』という本に出会って。『そうか!僕は外側の人間でいいんだ!』ってわかったんですよ。」(金田一秀穂さん)



    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe

  • 感想書くのが遅くなってちとあやふや。
    なので引用ばかしになってしまう。

    まず驚いたのは引用される小説というのが、ヘミングウェイ、ヘッセ、カミュ、ニーチェ……と自分の好きな作家ばかりだったということ。「好き」といってもいろいろだけど、ここに紹介される作家はぼくにとって読んだあともすっきりしない、なにか「ひっかかり」みたいなものを残していった作家たちだ。
    その「ひっかかり」を作者は「実存主義」という剣で一刀両断しようとするわけで、それが正しいかどうかはともかく、やっぱり多少気持ちいいわけです。

    >自由は、その前提として自由意志を要求する。これは自明の理である。が、「意思」が働きうるためには、まず動機がなければならぬ。動機のないところに意思はない。しかし、動機とは信念の問題にほかならない。何ごとにせよ、それが可能で意味のあることだと信じぬかぎり、それをなそうという気は起らぬものだ。そして、信念とは、何ものかの存在を信じることでなくてはならない。つまり、信念は現実なるものとかかわりあう。それゆえ、自由は結局、現実なるものに依存する。ところが、「アウトサイダー」は、その非現実の世界で自由を行使することは、降下しながら跳躍することと同様に不可能なのだ。

    ・ヘッセは「どうすればより充実した人生をおくれるか?」を考えた作家だ。そして「いかに生くべきか」を考える人間はおのずとアウトサイダーである。

    >「アウトサイダー」の問題は自己表現否定の問題にほかならぬ
    >カミュとヘミングウェイは、この問題のもつ実際的な性格を強調した。つまりそれは、生活の問題、人生の図柄ないしは目的の問題であり、「アウトサイダー」とは、あるがままの人生を認めることができず、自分の存在にせよ、他人の存在にせよ、それが必要なものだとは考えることのできぬ人間なのだ。彼は「あまりに深く、あまりに多くを見とおす」。

  • 1956年初版。
    町山智浩さんがラジオで勧めた本だったけど、訳書は長い間、絶版。しかし、そのラジオの影響もあってか、2012年12月に中公文庫に入った。
    この本には、アウトサイダーというテーマで、H・G・ウェルズ、T・S・エリオット、カミュ、ヘミングウェイ、ヘッセ、サルトル、T・E・ロレンス、ゴッホ、ニジンスキー、カフカ、ニーチェなど、19世紀から20世紀にかけての、錚々たる「アウトサイダー」たちの苦悩が描かれていて、何だかお腹いっぱいになる。
    「「アウトサイダー」の問題は、神経症的な妄想ではなく、現実の問題なのである。」(251)

  • 下巻の解説で内田樹氏も述べているが、ともかく言及される人物や作品が豪華だ。ヘミングウェイ、サルトル、カフカ、ニジンスキー、ゴッホ、ロレンスなどなど。これらをひとつの線でつなごうとするのだから、つまらないわけがない。

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アウトサイダー(上) (中公文庫)の作品紹介

アウトサイダーとはインサイダー(社会人)の対立概念。社会に適応せず、秩序の内側に留まることを拒絶する…。H.G.ウェルズ、カミュ、ヘミングウェイ、ニーチェ、ゴッホ、ニジンスキー、アラビアのロレンスらアウトサイダーたちの作品や人物を論じ、全世界に衝撃を与えた著者二十五歳の処女作。

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