ヴォイド・シェイパ - The Void Shaper (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 1043
感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122057777

感想・レビュー・書評

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  • 森博嗣は読もう読もうと考えていたが、なかなかてを出せなかった作家。それはタイトルと装丁か小難しそうで読了に時間がかかりそうと踏んだからだ。
    間違いだった!
    この本は非常に面白く1日で読み終えてしまった。
    ひとりの少年の成長を時代劇の形で追っていくのだが、「強さ」「死」「無」などに答えを見出そうと苦悶する主人公ゼンの心の内がテーマになっている。
    テンポがよく、行間の余裕も素晴らしく、この作家の力量を感じた。代表作のミステリーも読んでみたくなった。

  • とても読み易い。読後感も清々しく、良い本を読んだと満足できる。嫌なことがあったときに読むとスッキリしそう。小中学生くらいの自分に読ませてあげたい。

  • 緩やかなストーリーと静かな語り口。物語の展開を楽しむというよりも主人公の口から語られる死生観を楽しむ本。

  • 時代小説というか剣豪小説。主人公ゼンの一人称で語られるこの小説だが想像していたものより面白かった。時代小説というからもっと生臭い話を想像していたがそこは森先生、人の気配を感じはするもののその語り口はどこか硬質であり主人公の中身の「何もなさ」を表しているような気がする。今作ではカガンの行った事の本質に気付いたゼンだけれど、これから先はどんな事を知り気付いていくのか気になるところ。

  • 侍が追い求める「強さ」を通して生きるということを教えてくれる本。

    森博嗣の人生観が凝縮されている感じ。
    つまりは、修行僧のような侍が理想形ということか?!

    限りなく合理的に考えて、何事にも執着せず物事を抽象的を捉える。
    結局、ヒトなんて、人生なんて・・・と考えるが、死ねば何もない。
    生きている間を生きる。

    生きるとはつまり「知る」ことなのだが、
    最期は「分かりません」が神様への答えになる。

  • 山奥に師匠と二人で剣の修行をしながら暮らしていたゼンが、師匠の死によって山を離れ里から旅に出る話。特にどこへ行けばいいかは始めの里以外ほぼ聞かされていなかった為、会う人会う人聞きまくり、恥もないので世間知らずを披露して思ったら方へ突き進むゼンくん。続きものと知らなかったので、何にもわからないまま終わってしまうので、ゼンくんがこれからどうなっていくか、そして家族に会えるのか、会うのか、など気になるこも満載です。そしてこの天然無自覚女たらしは今後も続くのか読んでいきたいです。

  • 無性に森博嗣の本が読みたくなって手に取ったヴォイド・シェイパは時代物だった。タイトルでうっかりすっかりスカイクロラ系と思っていただけに、裏切られた感はあったが、中身は森博嗣らしい独特の哲学が展開していた。どことなくRPGっぽい印象がある。師であり保護者であるカシュウを失ったゼンの成長譚。カシュウの最後の弟子。が、ゼンにまとわりつくが、無垢な赤子のごとく「人」に免疫のないゼンにとってはよくも悪くも影響はない。強くなりたい。なぜ。生きるとは。ゼンの旅ははじまったばかりだ。

  • 20150619読了
    考えさせられる小説。

  • 続きを買うために二回目読了。
    スカイクロラシリーズと同じ、率直でひたむきで真っ直ぐな主人公。
    透明感のある済んだ空気感がいい。

  • 森博嗣ワールド全開な時代小説だった。
    ゼンは小栗旬ですな。
    ペプシの影響かな。

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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