シリーズ日本の近代 - 官僚の風貌 (中公文庫 S 25-4 シリーズ日本の近代)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122057869

作品紹介・あらすじ

明治の官僚はみな、立派なヒゲをたくわえていた。いつから彼らはヒゲを剃ったのか?霞ヶ関に官庁街が成立してから百余年、内務省解体や行革による省庁再編など、その器は変化し、時には批判に晒されつつも、強靱な生命力で生き延びてきた「官」の本質とは何か。ユニークな視点で描く日本官僚史。

感想・レビュー・書評

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  • この国を動かしてきた顔の見えない人々――政党勃興、
    戦時体制、敗戦など社会情勢の変動が、行政機構に与え
    た影響を探る、ユニークな日本官僚史。
    (親本は1999年刊、2013年文庫化)
     プロローグ ヒゲから坊主まで
     1 パーキンソンの霞ヶ関
     2 老公爵の青春ー高文官僚と国際潮流
     3 出世の構図(1)ー成績と人物
     4 出世の構図(2)ー官僚・政治家・記者
     5 天皇と教祖たち ー「革新官僚」横流の時代
     6 占領はお召し列車に乗って
        ー日米官僚の相互乗り入れ
     エピローグ 官僚と近代の終焉ー官僚と三つの波

    456ページの大著。厚さは1.5cmくらいになろうか。
    表紙は昭和13年の厚生省発足時の写真である。内務省解体
    とともに発足したと思っていたので意外であった。
    本書を読んでもさほど新しい視点が得られた訳ではなくいさ
    さか残念な気分になった。
    自伝や伝記を引用し明治から昭和にかけての官僚史を記述して
    おり、読み物として面白い部分もあるが、行間に著者の価
    値判断が透けてみて鼻につく。(本書を歴史書に分類するの
    であれば、対象からもう少し距離を置き客観的に記述した方
    が良いと思う)
    「○○らしい」とか「○○という」という文章も気になる。
    伝聞だからということだろうか。

    とはいえ、260本という参考文献の豊富さや、関係年表と
    索引もあり、近代の官僚を俯瞰した本としては読み応えがあ
    る。個人的にはより深く考察して欲しいところであるが、1
    冊に収まりそうにないしこのシリーズの趣旨ではないのかも
    知れない。他の本と併せて読みたい本である。

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著者プロフィール

1944年生まれ。東京大学法学部政治学科卒業。東京都立大学教授を経て、現在、國學院大学教授。専攻は行政学、日英近代政治。著書に『英国貴族と近代』(東京大学出版会)、『貴族の風景』(平凡社)、『王室・貴族・大衆』(中公新書)、『江戸は夢か』(ちくま学芸文庫)、『ラスキとその仲間』(中公叢書)、『日本の近代13 官僚の風貌』(中央公論新社)、『丸山眞男』(ちくま新書)などがある。

「2012年 『読書三酔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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