煌夜祭 (中公文庫)

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著者 : 多崎礼
  • 中央公論新社 (2013年5月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122057951

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煌夜祭 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 複数の話が繋がって最後に一つのまとまりになる物語で、これは誰だろうとどきどきしながら読んだ。
    謎が解けてくると後に残るのはどうにもならない寂しさだった。
    読んでいる間よりも読み終わって少し間を置いてからの方が、じわじわとこみ上げてくる。
    知性があって感情もあって、それでも人を食わずにはいられないなんて。しかも魔物は人が好きだし…。
    死なない魔物に与える責めが辛すぎてやりきれなかった。人の方がよっぽど惨い。
    優しい話のはずなのに、最後の「遍歴」が1番悲しかった。

  • 今までに読んだファンタジー作品の中で、
    個人的には5本の指に入るくらい大好きな作品です(*^_^*)

    文庫化にあたって書き下ろし短編が収録されているとのことで、
    今回も迷わず購入しちゃいました!!

    は~本当に素敵な本だ。改めて感じました。
    これがデビュー作とは信じられない完成度です。

    冬至の夜に<語り部>によって披露される人と魔物の物語。
    それぞれのお話は独立しているのですが、
    読み進めていくうちに、徐々に関連が見え始めます。
    そしてラスト、仮面で顔を隠した<語り部>の正体…驚きです。

    多崎さんはあとがきで、すっきり爽やかな勧善懲悪も、
    登場人物のだれもが幸せになれるような大団円も書けませんと
    仰っていましたが、私はそんな多崎さんの物語が大好きです。

    愚かで、必死にあがいて、時には取り返しのつかない失敗をして。
    悲しく痛々しい中にも、必ず一筋の光が見えてくる。
    胸が締め付けられるほどに切なく美しい物語です。

    ファンタジー=剣と魔法の勧善懲悪と思っている方にこそ、
    一度読んでもらいたい作品です。
    ファンタジーの概念を覆されます!

  • ノベルスもありますが書き下ろし番外編読みたさに購入。
    本編が重くてよっぽどの覚悟がないとはじめから読めないので番外編から読みましたが、「夢の上」と記憶が混じっており、人の名前と正体が一致せず、あえなく本編も終わりの方からめくって軽くおさらい。
    このお話、最後の広場の晒し首の光景が強烈に目に焼き付いていて、一番切なくて一番忘れられないでいるのですが、今回もやはり怖いもの見たさにその少し前まで戻ってしまいました。
    そこから読み始めたわけですが、やはり投稿作であり大賞をとった作品だけあります。
    選び抜かれた言葉で構築された整った文章ににぐいぐいと感情が翻弄され、ここからしか読んでいないのに最後には胸一杯になりました。
    その勢いで「遍歴」をよむと、人称の仕掛けやらいつの話なのかとか、ああ、想いは解け合えたのだなという一番気になっていた部分を知ることができ、最後にはやはりまた口唇をへの字に結んでぐっと胸に手を当てることになりました。
    番外編の方は本編の投稿作らしい肩にガチガチに力の入ったどこまでも整えられた文や表現というよりは、擬音語や軽妙な会話がといった今の作風のタッチでのびのびと好きなものを書いているようでした。

    そしてあとがき。
    文庫用のあとがきが好きです。
    デビュー時のあとがきと読み比べると全体的にこなれた落ち着きが出ているのですが、文庫版の方は多崎さんの伝えたいこと気にしてることがダイレクトに綴られていて、いいからそのままで行ってくれ、と思わず呟いてしまいました。
    自分の好きな物語しか書けない、そんな多崎さんが大好きです。

    それにしてもやっぱり煌夜祭は傑作。
    文庫でもまたこの作品に出会えて幸せです。

  • すごくすごくすごく面白かった!最後まで読み進めて、うほ!なるほど!この人が!あのときの!!と楽しみつつ、ラストはとにかく愛に溢れている。
    人間の方がよほど魔物だよなぁ。これは究極のラブストーリーだと思う。
    この先なんどもなんども読み返すだろうな。
    あと、このカバーイラストが!素敵すぎる!!!

  • 書き下ろし短編読み終えました。
    暖かい。
    良い書き下ろしでした。
    語り手がくるくる変わる様が面白いしなんだか泣ける。
    まさかノベルス版のあとがきも入っているとは思わず、とても嬉しい誤算でした。このあとがきが一番好きだったので。でもノベルス版も取っておくと思います。大好きです。

    酸の海や、毒を吸うキノコがナウシカぽい、という感想を見た。確かに。でも私はこの話が好き。

    再読していて、女性の地位を変えたい!とか貧乏人の地位を変えたい!というメッセージに惹かれたのかな、とちょっと思った。

  • ノベルス版も持ってますが、書き下ろしの「遍歴」がどうしても読みたくて購入。

    本編のラストだけでも感慨深いのに、遍歴が加わることで、最後にもう一つ優しい幸せを味わうことができました。
    読んで良かった!既にノベルスを読んでいる方にも、お勧めしたいです。

  • 非常に好みの作品でした。
    冒頭数行から一気に物語の世界に引き込まれます。
    2人の語り部が語る物語が交わされるたびに、どんどん世界が拡がりをみせる。
    様々な断片が絡まりあい、ひとつの像を結ぶように織り上げられていく。
    この構成も巧くてとても好みです。
    読了後に思わず溜息が漏れてしまう程に。

    「遍歴」は文庫化に際しての書き下ろし短編とのことですが、切なさの中にも救いがあって、「遍歴」も含めて読めて良かった。
    こんなにも素敵な作品に巡り合えて嬉しい。
    多分何度も再読するであろう作品。
    それにしてもこれがデビュー作とは恐れ入る。

  • 著者のデビュー作。とても読みやすく、好きですこういうお話。表紙とタイトルに惹かれて読んでみたのですが、予想以上に面白かったです。二人の語り部が交互に語っていく物語。どれもひとつに繋がっていたんですね。またそのうち再読したいです。

  • 文句無しの五つ星だった。

    一つの世界を舞台にしたオムニバスと思いきや、実はすべてが繋がっていて、語られる人々の想いもまた、複雑に、しかし確実に絡み合っている。
    それをファンタジックな世界観を土台にしながらも、決して「魔法でめでたし」という展開にはせず、美しく切なく描き出している。

    一番はじめの章を読んだ瞬間、本の中に広がる世界に引き込まれ、あとは一気に読んでしまった。
    読み終えた頃には、この小さな「本」の中に、奥行きのある世界と無数の人々の営みと想い、散った人々の果たせなかった夢と、それを受け継ぎ語り次ぐ者の哀しさが果てなく広がっているように感じられた。

    作中では、受け継がれていく記憶や想いや営みが「歴史」と呼ばれていた。
    ならばこの本の構成や、語られた物語も、一つの「歴史」(その一部)としてみなすことが出来るだろう。
    物悲しくてままならなくて、けれども美しく愛おしい「歴史」が、この本の中にはあった。

  • 冬至の夜に開かれる煌夜祭。語り部たちが人を喰らう魔物の話を語る。
    ただの昔話かと思いきや、語り部が話す物語がリンクしていき、1つの大きな物語に収束する。登場人物たちの行動が繋がっていく様に色々と思いを巡らせ、パズルがはまっていくようでわくわくしながら読了できた。火焔の魔術師、あるいは語り部レイヴン、クォルン、ムジカの秘めた想いが切ない。「すべてのことには意味がある」ことが印象的。

  • もともとラノベ系公募で大賞を受賞して、ラノベのレーベルから出ていた作品らしいですが、大人も手に取りやすい文庫になっていたので読んでみたら、これが思いがけない掘り出し物!まあそもそもラノベ=少年少女向けというのが多少偏見でもあり、大人むけの一般娯楽作(SFやファンタジー含む)との線引きは難しいところですけども(とはいえやっぱり個人的にはアニメ絵の表紙だと購買意欲や所有欲が沸かないのも事実・苦笑)、とにかくこれは面白かった!

    十八諸島と呼ばれる島々で構成された世界で、島主の家系に時折現れる「魔物」と呼ばれる突然変異者(一種の不死者で、冬至の夜に人間を喰らう)の存在がストーリーの軸。しかし「魔物」は「語り部」の語る物語(伝承)を聞いている間だけは正気を保てることから、冬至の夜は語り部たちが集まってそれぞれの持ちネタを朝まで語り合う「煌夜祭」が行われる慣習がある。

    物語はその「煌夜祭」にやってきた二人の語り部がほぼ交互に語るそれぞれのエピソードを、一見繋がりのない連作短編形式で披露していきながら、実はリンクしあっていたそれぞれの登場人物たちが最後にひとつに繋がって、二人の語り部の正体に辿り着く・・・という凝った構成。全部の伏線がひとつに回収されたときのカタルシスったら!!とりあえず読み終わった後に、もう1回最初から読み直さずにはいられません。

    基本的に吸血鬼とかアンドロイドとか、不死であるがゆえに人と交われない異端者の悲哀・・・みたいなのにとても弱いのですが、本作もそのツボにはまりました。この手の小説読んで泣けたのは久しぶりかも。

  • 冬至の夜、語り部たちが集い、物語を語り合う「煌夜祭」が開かれる。

    1つ1つの話が独立しているようで、繋がっていく。これもまた1つの語り部が物語る話のよう。

    文庫にあたり書かれた「遍歴」が全てを締め括っている。

  • 何度も読み返したくなる。緻密な構成で飽きが来ない。
    ノベルズ版は既読だが、短編目当てで再読。

  • 大好物ですこういうお話。
    装丁もいいよね…

  • 読み終えた時、ドキドキが止まらなかった。
    話が進んでいくにつれて、ページをめくる手が止まらなくて一気読み。
    途中で切なくて泣きそうになったり、込み上げてくるものがあったりと、読んで本当に良かったと思える作品でした。
    時間が経ったらもう一度読みたい。

  • 談話室で紹介していただいた作品。
    冬至の夜、語り部たちがつむぐ物語たち。
    一つ一つが独立した話かと思いきや、進む度に繋がりが明らかになっていきます。
    先が気になって気になって一気読みしてしまいました。

  • あらすじから内容が想像できなくてずっと気になっていた本。
    語り部たちの話の行き着く先が何なのか、途中からはやる気持ちを抑えられなくなってきて一気読み。
    とてもよかった。後半は何度も胸がつまった。

  • ファンタジー×短編集?ということで好きなジャンルでは無かったはずなのに、これはとても良かった。
    練り込まれた設定や雰囲気に、語り部による魔物と戦争の話が繋がっていくカタルシスは素晴らしい!
    借りて読んだけど自分でも買ってしまいました。絶対読み直したくなるな、と思って

  • 中世の雰囲気。仮面の語り部たちが紡ぐ物語。素敵ファンタジー。語ってもよろしいですかな?

  • 可もなく不可もなく。

  • 異世界ファンタジーって、シリーズにして数巻分の時間をかけて読者に慣れてもらうくらいじゃないとその世界をリアルに感じてもらえないという弱点があるとわたしは常々思っていたのですが、こう、作中作の形をとれば、語られないところを読者(わたし)が勝手に想像するので、300ページ足らずの単発でも物足りなさを感じないものだなと驚いた。

  • 小さな物語が読み終わった瞬間に大きな物語になった。
    切ないけどハッピーエンド。

  • 非常に良質なファンタジー。

    練りこまれたファンタジー世界の構築と
    魅力あるキャラクターの造形が
    ファンタジー作品のキモになると思うけど
    どちらも高い水準でまとまっている。

    物語の構成が光る作品で、語り部と呼ばれる
    物語の語り手2人が交互に語る物語を読むうちに
    世界観の把握と人物知識が自然に頭に入ってきて
    徐々に核心に近づいていき最後に昇華される
    という流れが非常にいい。

  • 美しくも悲しい人を喰う魔物と18の蒸気島の争いにまつわる物語。冬至の夜、煌夜祭で語り部たちが夜を明かして語り、そのひとつひとつの物語が繋がっていく。続きが気になって一日で読んでしまった。

    今年の冬至の前に読んでしまったけれど、次にこの作品を開く時には、冬至の夜を明かしながら読みたいなぁと思った。

    切ないお話だったけれど、最後の書き下ろしのエピソードで少し救われた。

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煌夜祭 (中公文庫)の作品紹介

生物も住めぬ死の海に浮かぶ十八諸島。"語り部"たちが島々を巡り集めた物語を語り明かすため、年に一度、冬至の晩に開かれる煌夜祭。今年もまた、"語り部"が語り始める。人を喰らう恐ろしくも美しい魔物の物語を。夜が更けるにつれ、物語は秘められた闇へ…。第2回C・NOVELS大賞受賞作に書き下ろし短篇「遍歴」を収録。

煌夜祭 (中公文庫)のKindle版

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