献心 - 警視庁失踪課・高城賢吾 (中公文庫)

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著者 : 堂場瞬一
  • 中央公論新社 (2013年6月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122058019

献心 - 警視庁失踪課・高城賢吾 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • このところ、失踪課シリーズをまとめて読んできたが、10冊を数えこのシリーズ。高城の娘の事件も決着がつき、ついに最終巻。
    思いのほかあっけない終わり方、そしてまだ続くような・・・
    人気テレビドラマが終了すると、〇〇ロスという言葉が語られる。このシリーズもこれで完結だと思うと、そんな気が生じないでもない。
    ここまで読んでくると、高城、愛美、醍醐たちそれぞれが、すぐ近くにいるような現実感で、読み手の頭の中でまだ躍動している。
    このシリーズでも、大友鉄や城戸検事、あるいは追跡調査係の西川と沖田たちが出てきたように、現在続いている他のシリーズに、失踪課のメンバーを登場させ、その活躍する姿を見てみたいと思うし、できれば続編も期待したい。

  • 何者かに殺害され、建築中の家の基礎部分に埋められていた綾奈。
    その事件の犯人がようやく明らかになる。
    解決・・・という言葉は使いたくないと思うような結末。
    ずっと高城が苦しみ続けてきた綾奈の失踪事件。
    思いがけない出来事から遺体が発見され、捜査本部も設置され、気の遠くなるような地道な潰し作業の末に高城はようやく犯人へとたどり着く。
    失踪課のメンバーや長野たち、あらたにたった捜査本部で捜査を続けてくれている警察官たち。
    多くの人たちが高城の娘・綾奈のために動いてくれていた。
    思いはひとつだろう。
    何故小さな命は奪われたのか・・・。
    敵をとってやりたい・・・。
    どんなに後悔しても、どんなに謝ってもらっても、過去が変わるわけではない。
    自分が死の病にならなかったとしたら、息子が事故死しなかったとしたら、今でも結局は真相は語らなかったと思う。
    誰の助けも受けずに、母子だけでひっそりと生きてきた。
    病気になっても、ちゃんとした治療も受けずに生きてきた。
    それが何だと言うのだろう。
    身勝手な自己満足にしか思えない。

    愛する者を失ったとき。
    辛い現実を簡単に受け容れられるわけがない。
    それでも、その死を認めるところからすべては始まるのだと思う。
    そのために通夜や葬儀があると思うのだけれど。
    長い時間が経ち、高城自身も綾奈が生きている可能性はほとんど諦めていたとは思う。
    それでも、どこかでもしかしたら生きているのではないか。
    生きていてほしい。
    そう願ってしまうのが親ではないだろうか。
    犯人側も失ったものは大きかったかもしれない。
    でも、その責任は犯人側にあって、どれほど辛くても乗り越えなければならないものだった。
    絶対に逃げてはいけないものだった。
    犯人側が事件を隠蔽したために、逃げたために、高城が当然向き合わなければならない現実が遠いものになってしまった。
    綾奈は二度と戻ってはこない。
    同じように高城が失った長い時間も戻ってはこない。

    「弱い、弱すぎるよ」と高城に言いたくなる結末だった。
    心配してくれた多くの人たちに、真実を知らせる義務が高城にはあった。
    少なくとも捜査をしてくれている警察官たちに対しては、きちんと事情を説明しなくちゃいけない。
    「それに、何の意味がある?」と高城は言うけれど、意味は絶対にある。
    次に向かうために、前に進むために。
    ずっと捜し続けてくれていた長野にどう説明するのか。
    彼もまた、高城ほどではないにしろずっと引きずって生きてきたのだから。
    高城が最後にした決断にどうしても納得できない自分がいる。

  • …終わってしまった。
    まだ続きそうな予感を残しつつ。

    真相が判ってみれば、犯人の方もそれ相応の報いを受けていて
    恨みきれないというか憎み切れないというか。
    全てわかった時点で高城がとった挙動も賛否両論なんだろうな。
    そういう割り切れなさやモヤモヤ感がものすごくリアル。
    その一方で最終ページの愛美の叱咤は胸がすく思いだった。
    失踪課には高城の居場所が存在する、という事実が
    一筋の光明だった気がする。

    前作の大友鉄の電話での登場に続いて
    今回は再びの大友と追跡調査係のふたりが登場して
    思わずニヤリとしてしまった。
    失踪課のシリーズは終わってしまったけれど
    アナザーフェイスや追跡調査係のシリーズに
    高城賢吾がひょっこり顔を出す日が来るんじゃないかと
    心待ちにしてしまっている。

  • 文庫10冊分の物語の、なんとやりきれない結末なのだろう!
    ・・・堂場さんの物語って、時々こういうのがあるのが辛いところ。

    フィクションとしてはよくできた物語だった。“高城の再生への物語”とでも呼ぼうか。。。。。

    ★3つ、7ポイント半。
    2015.08.25.古。

    ※文庫書き下ろしのシリーズなので、仕方がないといえば仕方がないのだが・・・・、シリーズ最終巻くらい、文庫巻末に解説文なり筆者の あとがき なりを載せてほしかったな。

    ※昔なつかしの特撮「宇宙刑事」シリーズばりに、堂場キャラのオールスター出演(笑)。

  • ついに綾奈ちゃんの死の真相が明らかになった。
    高城刑事は前から面倒くさい男だったけど、本書ではその中途半端な意地と自意識、仲間への歪んだ遠慮が極限まで肥大しており、扱いにくいことこの上ない。
    愛美の存在感、魅力が対比によって際立っています。いいオンナですね。
    ただ、これで終わるのはあっけなさ過ぎるなあ。

  • シリーズ最後ですが、ラストでありながら次に向かうって感じでした。
    失踪をおいながら、最後は自分の事件に決着をつけた。
    その過程もなかなか面白く、苦い。
    堂場さんの他のシリーズも読んでみたいと思います。

  • 作者として終わらせたかったのかなあ・・・
    こう云うのって、未解決のまま続くって方が多いように思うんだけど、それじゃキリがないって思ったのかな・・・

    これまでの事件と違うので、個人的には残念な出来でした。

    このシリーズも終わりと云うことで、ちょっと寂しいです。

  • 高城が娘の事件とどう向き合うのか?
    その事件は「嫌な予感」から動き始め、「偶然」に助けられ、
    おい!と言いたくなるような結末で終わりました。
    こんなことを知るために完結まで読んだのかと、疲れました。
    愛美が言うように「犯罪者同士が庇い合って生きてきた」だけのことで
    あり、高城がそれを受け入れてしまうのも納得がいきかねます。
    彼がした選択は、これまで協力してくれた仲間達も忘れているように
    見えます。

    他シリーズの登場人物達も出てきますが、全部読むのをやめた
    シリーズです。
    人物は魅力ありますし、繰り返しが多いことを除けば文章もうまいですが、
    犯人は早い段階で分かっていて、刑事達が辿り着くのを待つっていう
    パターンが多いんです。

    今回の娘の事件にしても、どうしてこれが12年前に解決できなかった
    んだろうと思わざるを得ません。

  • なんとなく、毎回読んでいた失踪課シリーズ

    毎度の事ながら、だらだらと続く人探し…

    なかなか、進まない

    たどり着いた真相は、拍子抜けな感じ…

    面白い訳ではないのに、最後まで読んじまった

    他のシリーズの人たちは出さなくてもいいのに………( ̄¬ ̄)

  • ついに完結に至った「失踪課シリーズ」、発売日が待ち遠しくてとても楽しみにしていた。

    育児の合間に読書をするので、一気読み!!というわけにはいかなかったけれど続きが気になる展開に、毎度のことながら引き込まれていき、さくさく読めた。

    前作で主人公・高城は「犯人を憎む」ということをはっきりと自覚し、憎しみを原動力に事件発生から12年を経て捜査を再開することになったのだが、物語の結末は「憎む」というキーワードに囚われずに、高城自身の「再生」へとつながる展開になっていて、最終話に相応しいある種のすがすがしさを感じることができたと思う。

    物語のカギとなる母子を追いかける中盤で、おそらく犯人はこの人だろうと読者は気づく(殺害したのはなぜ、どのように、という疑問はさておき、ほぼ犯人の目星はつく)のだが、
    その犯人に対する高城の「思い切り憎みたいと思っていたのに憎めそうにない」という犯人に対する予感、
    犯人を捕まえたあと、自分はどうしたいのか?という自身に対する疑問、失踪課で取り扱ってきた「失踪人」を追うことの意味・職務としての葛藤などのモノローグがある。
    被害者の父親としての側面、失踪課の刑事としての側面が巧妙に描かれていて、単なる「娘の事件が解決」するだけの物語ではなく、シリーズの骨格が詰まった作品だと思う。

    刑事もの・推理物につきものの「犯人を追いつめる高揚感」「犯人と対峙する緊張感」が劇的なものではなく、割と淡々とした雰囲気で進められること。
    切迫感が足りない!といえばそれまでだけど、大げさなドラマではない方が失踪課シリーズには相応しいように思う。

    相応しいと思うし、他のエンディングを想像しても違う気がするので…
    とはいえちょっとやりきれなかったので、☆四つ。

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綾奈の死の真相を知る-決意した高城に長野が目撃者情報を持ち込む。十数年を経て得られた新しい証言。しかし会社員だというその男は一転証言を曖昧にした上で、弁護士を通じて抗議をしてくる強硬さだった。不可解な態度を不審に思いつつ、地道に当時の状況を洗い直す高城は、綾奈の同級生母子を追って一路東北へ向かう。

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