海辺の生と死 (中公文庫)

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著者 : 島尾ミホ
  • 中央公論新社 (2013年7月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122058163

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海辺の生と死 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 学生時代に島尾敏雄の『出発は遂に訪れず』を読んでから30年。運命の悪戯で小説家などと結婚してしまった島娘の素朴な文章を読めるのかと思って手に取ると、そこには言いようもなく美しい世界が拡がっていた。

    小さな南の島の少女の目に映る季節の去来と、同じく来ては去っていく人々が、澱みなく繊細な文章で綴られている。
    思えば、後に彼女の夫となる人も、そうしたマレビトのひとりであったのだ。

    カタカナで表記され、共通語が添えられた島の人々の会話も興味深い。

  • 映画「海辺の生と死」を観た。主演・満島ひかりブラボー!である。ので、この原作本も速攻買い。短編13のうち「その夜」をまず読んだ(原作に使われた中心的作品らしい)。以下「その夜」だけの感想になるが…。映画と原作の両方とも同じところで深く感動できる作品に出合うということはそうあるものではない。表現者(創作者)がまず同じ人ではないということもあるし、そもそも文章と映画では道具も表現手法も違うから。が、今回だけはどっちも、高いレベルで良かった。心がふるえるほどに。

  • 解説にある通り、生と死の狭間にあるような情景が生き生きと描かれている本。骨の話が美しかった。

  • ◆きっかけ
    MOE2017/7月号。p9。満島ひかりさんが自身の主演映画とのことで「原作の島尾ミホさんの短編小説は、奄美大島の古い絵本のように読めます」と紹介されていて。映画の中では満島さんが心揺さぶる島唄を唄っているそうで、映画も観てみたい。2017/6/16

  • 20170312
    ‪奄美大島で買った島尾ミホの『海辺の生と死』読了。なんと豊かな表現力。美しい奄美の自然と当時の島の生活が、音、匂い、色彩、光、熱気まで含めて目に浮かぶ。感受性豊かな方だったのね。他の著作も読んでみたい。‬

  • 「海辺の生と死」
    公開日:7月29日
    第二次世界大戦末期の日本、奄美、カゲロウ島。新しく駐屯してきた海軍特攻艇の隊長、朔と教員として働くトエ。二人は知り合って、互いに惹かれていく。しかし戦局は悪化を続けていた。ついに朔が出撃する日がやってきた。トエは逢瀬を重ねた浜辺へと駆け出していく─。
    キャスト:満島ひかり、永山絢斗、井之脇海、秦瀬生良、蘇喜世司
    監督:越川道夫
    http://www.umibenoseitoshi.net/
    Twitter https://twitter.com/umibenoseitoshi
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  • 南国の雰囲気が伝わってくるような素敵な文章でした。今でも雰囲気がするのか、感じてみようと思う。

  • <聖>がこちらで、<俗>がかの日記、なのかな。

  • 島尾敏雄の『死の棘』で彼の不貞に触れ、精神に異常をきたし、最終的には療養のために敏雄を連れて生まれ故郷の奄美に帰ることとなる島尾ミホが、夫により「書かれる客体」から、「書く主体」へと変貌する端緒となった処女作。

    本島とは異質な文化・風俗を持つ奄美半島の生活や、両親との甘美な生活が、簡潔ながら読み手に豊穣なイメージを与える文体で描かれる。吉本隆明らの言説により構築された「聖と俗が入り混じった奄美で生まれ育った巫女/シャーマン的な存在」というミホへのパブリックイメージの疑わしさは「カッコに入れる」としても、本書で描きだされる奄美の生活や風俗の美しさが特筆すべきものであるのは言うまでもない。

  • 南国の島の描写が丁寧で美しく、やさしい言葉で書かれている。絵はないけれど大人向けの色鮮やかな絵本を読んでいるような心地がした。入り込みながら読んでいると、後半の戦争末期の物語も入り込みすぎて息苦しくなる。それだけ心理が詳細だということ。

  • 凄絶な結婚生活を送った女性とはとても思えない、あどけないような島の暮らしの記憶。素朴でとても美しい。ずっとそんな思い出話が続くのかなと思っていたら、思いもよらずに劇的なラスト!「エッセイ・随筆」から突然「小説」への鮮やかな転換とも言えます。今はもう絶えてしまったかもしれない島言葉も素晴らしい。

  • これはすごい作品だと思った。

    南の島で生きる人々の息遣いが聞こえてきそうだ。
    その時代の島の人々が、いかに穏やかな生活を送っていたかがわかる。
    そして、いかに戦争というものが悲しいものであるかもわかる。

    きらきらとした幼い日の記憶は、こんなにも甘くせつない。

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海辺の生と死 (中公文庫)の作品紹介

幼い日、夜ごと、子守歌のように、母がきかせてくれた奄美の昔話。南の離れ島の暮しや風物。慕わしい父と母のこと-記憶の奥に刻まれた幼時の思い出と特攻隊長として島に駐屯した夫島尾敏雄との出会いなどを、ひたむきな眼差しで心のままに綴る。第十五回田村俊子賞受賞作。

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