日本の近代6 - 戦争・占領・講和 1941~1955 (中公文庫 S 24-6)
- 中央公論新社 (2013年9月21日発売)
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感想 : 2件
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- Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122058446
作品紹介・あらすじ
三国同盟にひきよせられた日本は、軍部のすすめる勝算のない武力による現状打破を重ね、自壊した。日本はなぜ対米戦争に踏み切り、敗戦をどう受け入れたのか。国内政治の弱さを内包したまま戦後再生し、冷戦構造下で経済大国として平和と安定の道を求めた日本の政治の有り様とは。
感想・レビュー・書評
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日中戦争の戦線拡大から55年体制の始まりまでの日本政治史をたしかに追っているが、読んでいる間は叙事詩のような感覚だった。特に前半の1、2章終戦までの部分にその傾向が強い。山本五十六や吉田茂、近衛文麿など特定の人物に対する毀誉褒貶も激しい。
また、太平洋戦争の開戦・終戦という首脳陣の決断過程をかなり重視していて、たとえば戦時体制下の内政や国民生活への影響など在野にかかわる内容はほとんど取り上げていない。ハイポリティクスの本という感じ。
そういうわけで通史としては癖がある書きぶりではないかと思うが、歴史的決断の多い時代なだけにある程度おもしろく読めた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
開戦までと敗戦のちの独立までの日本政治外交史についてまとめられた本。政府の意思決定に主眼が置かれ、冷徹にまとめられている。
思うに、本書には、集団的自衛権の問題を考えるための材料が揃っている。この問題を考える時には、開戦までの政治過程と終戦後の議論を把握必要がある。何故、特異とも言える安全保障体制を我が国が取るようになったか、このことを押さえておくことは、今後の安全保障体制の議論をする上で、有益であろう。
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