スカイハイ - 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結2 (中公文庫 さ 65-2 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結 2)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122058453

作品紹介・あらすじ

大学教授爆殺から周唯暗殺まで、一連の事件の首謀者とされる"C"。その正体は、いまだ謎だった。一柳美結刑事たちは、標的とされた大学講師・佐々木忠輔が語る"C"の真実に驚愕する。一方、忠輔の妹・安珠は、超高層タワー内で催されたライヴに出演していたが、そこにも"C"の影が…。シリーズ第二弾。文庫書き下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第2弾。犯人とされる天才ハッカー「C」の身元がさらに明らかになり、「C」は東京スカイツリーを模したと思われる超高層タワーを始め、東京をジャックし始める。美結は前作で救出した佐々木講師と共に、サイバー攻撃を迎え撃とうとするが、今回の本当の敵は中国人の暗殺者「王」。警察と「C」と「王」との三つ巴の闘いが何ともスリリング。今作から美結や吉岡の同期でSAT入りした梓も本格的に登場し、美結自体の登場シーンは少な目だが、脇を固める墨田署の強行班のメンツやSATのメンバーなど、登場人物の熱意に好感が持てる。
    事件自体は1作ごとに解決するものの、次から次へと強敵が現れ、今後、どのように終結を迎えていくのか?非常に楽しみな作品。

  • 一柳美結シリーズ2作目。
    大学教授を爆殺事件に端を発し、ついに衆人環視の中で行われた唯の暗殺。
    すべてを計画し実行した「C」を追う美結たちは、「C」が次々と実行するサイバーテロに翻弄される。
    東京ライジングタワーを次々と襲うジャイロの大群。
    人質となった人たちを平然と撃ち倒す王。
    警察と「C」と王。
    三つ巴の決戦の場面はスピード感にあふれ、高まる緊張感が支配している。
    誰が味方で誰が本当の敵なのか。
    鍵を握っているのは大学講師の佐々木忠輔だ。
    人の顔を認識できないという特性を持つ佐々木は、物語の中に登場する人たちの良心を具現化したような人物だ。
    常に理論的に、常に正誤を自分に問い周りにも問う。
    けっして派手な活躍をするわけでもない。
    実際に事件現場で闘うわけでもない。
    けれど美結をはじめとする警察と共に闘う貴重な戦力であり要だ。
    彼のけっして揺るがない核となる考え方が、この物語を牽引しているように感じた。

    この物語はまだシリーズの途中だ。
    多くの謎が回収されるどころか、ますます謎は増えている。
    美結はもちろんのこと、登場する人物たちにはそれぞれに抱えている過去があり、それが現在の彼らを形成している。
    過去の出来事は、すべて現在に繋がっている。
    大きく拡がってしまったこの物語に用意されているのはどんな結末なのか。
    次の巻への期待が高まる物語だった。

  • ちょっと日本の警察とするとやり過ぎ。
    だけど、テンポのいい展開といい、長編化しそうな布石がちらほら見えて面白い。
    誉田哲也氏のジウシリーズに匹敵するかな。
    まだ悪いやつがいるの?ってなるので、止め時が難しいかも。

  • シリーズ第一作は、ラノベのようなノリでイマイチかなと思ったが、この第二作は面白い。

    ついに明かされるCの正体…Cによる超高層タワー・東京ライジングタワーのジャック…少しづつ核心に近づきながら、新たな展開が…

    物語の主人公・一柳美結刑事の背景も見え隠れするが、まだ決定的な活躍は無い。もうしばらく辛抱しながら、付き合うしかないのか。シリーズは第四作で完結したようだ。先を急ぎたい。

    作者は岩手県釜石市出身。長らく児童作品を書いていたようだ。

  • 大学教授爆殺から周唯暗殺まで、一連の事件の首謀者とされる“C”。その正体は、いまだ謎だった。一柳美結刑事たちは、標的とされた大学講師・佐々木忠輔が語る“C”の真実に驚愕する。一方、忠輔の妹・安珠は、超高層タワー内で催されたライヴに出演していたが、そこにも“C”の影が…。

  • 特命担当・一柳美結シリーズの2冊目「スカイハイ」

    国際的なサイバー犯罪者「C」との戦い、舞台が東京になります。

    この巻から、物語が加速的に面白くなります。

  • 本作でいよいよその正体と姿を現し、東京を実質的に制圧した"C"が、前作でうまく逃げおおせた中国人工作員 王超との対決を繰り広げます。
    一方、日本政府は関連省庁のトップクラスを集めた極秘会議を招集し、"C"への対抗策を練ります。
    大きく動く事件に翻弄されつつも、各人が自身のやるべき事柄を理解し、正面切って立ち向かい、犠牲者も出てきます。
    そして最後には国ですら手が出せない巨悪の存在が仄めかされ、次巻へと続きます。
    物語のスケールの大きさ、激しいアクション、善悪入り乱れての駆け引きなど、前作に続いてほぼイッキ読みの面白さでした。

  • 日本の警察は上層部が仕切っていても、実は墨田署の刑事さんたちを中心にまわっている。公安なん て、ここまで法外に描くといかがなものか。鳴り物入りで結成されたチーム忠輔は未だロクに機能し ておらず、美結の過去は謎のままだ。すでにやっさもっさの大騒乱なれども、一層巨悪な黒幕が ヴェールを脱がんとしている。どうやって収拾を付けるのか、もはや最後まで読むしかない。

  • う~ん・・・
    一気読みしたぐらいだからつまらない訳じゃないんだけど・・・
    他のキャラが濃すぎるせいか相変わらす主人公の存在感無さすぎだし、登場人物達の浪花節がだんだん鼻についてくる。
    とりあえず3作目も読んでみよう。

  • いやー楽しかった。とてもテンポよく、すいすいと読める。敵の敵は味方みたいな展開になりそう。何れも一筋縄ではいかないキャラが、大きな目的に収斂してゆくのは見もの。とうとう3冊目も買ってしまった。どうなることやら。

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著者プロフィール

沢村鐵
一九七〇年、岩手県釜石市生まれ。二〇〇〇年 『雨の鎮魂歌(レクイエム)』でデビュー。著書に「警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結」シリーズ、「クラン」シリーズ(以上、中公文庫)と、その番外編『ゲームマスター 国立署刑事課 晴山旭・悪夢の夏』、「極夜」シリーズ(以上、祥伝社文庫)のほか、『あの世とこの世を季節は巡る』、『はざまにある部屋』(以上、潮文庫)、『謎掛鬼 警視庁捜査一課・小野瀬遥の黄昏事件簿』 (双葉文庫) などがある。
ウェブサイト〈沢村鐵のフィラメント〉http://www.t-sawamura.net/

「2023年 『世界警察4 悠久のフロスティグレイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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