- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122059559
作品紹介・あらすじ
常勝武田軍を、鬼神の如く翻弄した長尾景虎。だがその強さゆえ、今川、武田、北条を一挙に敵に回し、第二次川中島の戦いでは敗北してしまう。さらに重臣との衝突に倦んだ彼は、突如高野山へ出家。再び迫り来る武田軍団を前に冬之助は、景虎こと謙信と共に上杉家をまとめ上げ、己の軍配を振るうことができるのか?三部作完結篇。
感想・レビュー・書評
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『謙信が軍配者』と改名してもいいのでは? 専門的な知識も重要だが、自分の頭で考え、判断し、行動できることが世を生き抜くうえで必要なことだと改めて認識させてくれる。著者の設定、楽しませてもらいました。
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毘沙門天の権化、長尾景虎。
その強さゆえに、今川、武田、北条を同時に敵に回し、二回目の川中島の戦いで敗北を喫する。
途中、景虎は全てを投げ出し、突如、高野山へ出家。
迫り来る武田軍を前に、いかに軍配を振るうか。
軍配者。
現在ならば、ラリーランスの軍事コンサルタントとでも呼べる職業。
男たちの熱い友情が綴られる。
自分の生きてきた過去を振り返った時に、今の自分があるのはこれらがあったからだと思えるものは幸せですね。 -
下巻を読んでみても謙信の軍配者とは余り面白みが無いと思いながら、四回目の川中島の戦いで漸く軍配者らしい場面が登場してきた。
召し抱えられて今までは良き相談者でしかなかった。
三人の軍配者の中で残されたのは冬之助だ。
しかし一番軍配者としては面白い戦さが出来なかったとは思うが、一番物事を達観していたと思う。
この三人の後にも時代が大きく変わっていくが、その後の時代も軍配者の視点で見てみたいとも思う。 -
軍配者シリーズ完結。
景虎の天才っぷりや信玄の政治力などがオモテにでてきて軍配者の活躍が少し霞んでしまったような印象。
ただ第四次川中島合戦で完全に勘助の裏をかいた冬之助の采配は軍配者の面目躍如か。
勘助の死が淡白に描かれるのが、やや物足りなく感じたがそれも軍配者の定めと割り切れる。
また著者の北条早雲も機会があれば読んでみようと思う。 -
足利学校三部作とは知らず、三部目から読んでしまいましたが、それなり楽しめました。歴史に名高い川中島の合戦の様子が、改めてよく解りよかったです。一部二部も機会があったら読みたいです。
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面白く三部作を読ませて頂きました。次は、氏康編だ!
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小太郎の出番が少ないのが残念というか、寂しい。
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信玄の軍配者の続き、謙信軍配者のタイトルがついているが引き続き山本勘助が中心、著者も勘助のキャラが気に入ったと見える。足利学校3部作の3作目。今まで謙信好評価寄りの書物を読んできたのもあるが、本作は一歩引いてみているので、異なる視点も感心。なるほど、戦国時代前半はこの3人が活躍していたのだなぁ。
3人の軍配者の友情も心にくる。著者の力を改めて認識、他の作品も読んでみたい。 -
北条の風魔小太郎、武田の山本勘助、上杉の曽我冬之助。
足利学校で学んだ青年時代の誓い、戦場で軍配者として相まみえることに人生をかけた三人の軍配者たちの物語、ここに完結。
長尾と武田の小競り合いは続いていた。
景虎が京に上洛し、正式に関東管領として任ぜられると、上杉を名乗るべく鶴岡八幡宮を目指す。
関東土豪の数を合わせ、十万の兵を引き連れて関東から相模へを向かう先には北条の小田原があった。
一方、武田は景虎不在の隙を縫い、信濃守護の名のもとに北信濃内に残る越後勢の城、砦を落としていった。
そして長尾が信濃に打ち込んだ最大の楔、飯山城に軍を進めると、景虎は小田原を放棄して越後に戻ってきた。
上杉と武田の戦いのクライマックスにして戦国最大の合戦、四回目の川中島の戦いの幕が上がる。
人は必ず死ぬ。
死が近くにあった時代、確かに人の命は軽かった。
しかし、自らの命を燃やすために日々懸命に生きていた。
そして、死して世に何かを残せるか。
三人の目を通しての戦国時代の生きざまが描かれた。