花桃実桃 (中公文庫)

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著者 : 中島京子
  • 中央公論新社 (2014年6月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122059733

花桃実桃 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 43歳、シングル女子。
    リストラにあったのをきっかけに、父の残した花桃の木が咲く少々古いアパートの管理人になることを決める。

    アパートの住人達は変わった住人たちで、茜は面食らいながらもいつのまにかこのアパートが好きになっていきます。

    個性的な住人達も魅力的に書かれつつ、人生の折り返し地点をすぎたところで将来について悩む茜の姿がユーモアを交えて書かれています。
    個人的には、ことわざがツボでした。

    テーマの割に重くなく、楽しく読めた1冊です。

  • 亡くなった父親の愛人や幽霊までも住んでいる花桃館の住み込み大家になった40過ぎの独身女性・茜を主人公にした物語。
    ともかく中島さん。何が、とか、どこが、を指摘する力など私にはありませんが、何やら中島さんらしい雰囲気が満載です。どこかノスタルジックで、どこか薄曇りのような雰囲気。そして独特のユーモア。
    スラップスティックとかナンセンスとかの爆笑では無く、表面ではクスクスとした笑いなのですが、内面で哄笑。なんとも上手い作家さんです。

  • 43歳シングル女子、まさかの転機に直面す・・・という帯の文句を見て同じアラフォーシングル女子としてなんとなく他人事とは思えず(苦笑)手に取りました。まあアラフォーにもなって女子とか名乗るのもおこがましいけれど、自分が十代のころ思い描いていたほど、30代も40代もいざそうなってみれば全然大人じゃなかったりして、本来なら酸いも甘いも噛み分けた大人のいい女になっていてもよさそうなものの、案外精神年齢というのは加齢に伴って逆に退行してるような気すらして、しっかりしているようで相当天然で適度に自己中な主人公・茜さんはリアリティのあるキャラクターではありました。

    会社で肩叩きに合い退職、ちょうど亡くなった父から相続したアパート花桃館の管理人として住み込むことにした茜さんと、実は父の恋人だったお婆さん、整形依存の女性、ゆとり世代のウクレレ青年、子沢山の父子家庭、クロアチア人の詩人、猫好きシスコン探偵などなど、奇人変人揃いのアパートの住人たちとの交流、そして茜さんの同級生でバーテンダーの尾木くんとの関係などが、ちょいちょい吹き出す笑いもまじえて描かれています。

    どの住人も面白いですが、お気に入りはしっかりものの中学生男子・陸くんでした。根っからの長男気質で家族の世話にあけくれるけなげさはいっそ泣けてきます。幽霊夫婦のエピソードも好きだったけど、あんまりそっち側(やたらと霊が出てくる)に全体のストーリーを引っ張りすぎるのはちょっと微妙かなと思いました。

    しかし「行き遅れ」だの「行かず後家」だの言われ続ける茜さんのアラフォーあるある的小ネタエピソードは実感をもって共感できました(笑)。「花はついても実はならない」のが花桃、その花もすっかり咲き終わったあとどう生きればいいのか、身につまされつつも深刻になりすぎないところも良かった。

  • 中島京子さんらしい展開。

    ただ生きるってだけでもめんどくさくて、
    億劫なことだらけの暮らしの日々を
    ほのぼのと笑えるように仕立てあげている。

    43歳シングル女子。
    まさかの転機に直面す。

    ピンチはチャンスか。

    アパートの大家という稼業に転職し、
    「あるある」と言った心模様とともに
    彼女の成長を描いています。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    ・尾木くんから連絡がなかった1週間ほどは、どうなったんだろうと動揺して過ごした P232

    ・誰かの役に立ちたいなら、誰の役に立ちたいのか考えるべきだよ P250

  • 亡父が遺した老朽化アパート「花桃館」の管理人となったアラフォーシングルの茜さんの奮闘記。

    いや、本人は奮闘しているつもりはないのかもしれませんが、店子たちとの様々なエピソードはとても楽しく読めました。大家さんのお役目というのは今のこの現実では既にファンタジーなんでしょうけど
    それなりに次々と起こる出来事が良い感じでほっこりでした。

    そんな毎日の中やはり女シングル一人で生きていると色々とありまして、そんな細やかな女性の気持ちが素直に素敵に書かれているせいで読んでいる私は茜さんをぐいぐいと応援したくなります。

    リストラアラフォー独身女性が主人公という現実的な状態とちょっとした店子とのファンタジーが混じるとなんだかどちらも本当のような嘘のような曖昧な雰囲気で話が進んでいきます。

    そんな曖昧なところがこの物語の良いところで茜さんの性格もまだまだ30代の元気な部分と40代の落ち着いた部分が行ったり来たり。

    ま~人間ってそんなものかもしれません。年齢なんて本人次第。人生なんて本人次第。子供から老人まで出て来る全ての登場人物が肩の力の抜けた生き方をしている様に見えて実は現実と対面しながらけなげに生きている様をうまくドラマにして見せてくれていました。

    この物語には言葉遊びが沢山あってそれが全体をピリリと締めてくれています。馬鹿なふりして頭いい~~っていう面白さが何とも言えず口元が緩みます。きりきりと生きていくのが馬鹿らしく思えたら作者の思うつぼかもしれませんね。







  • 亡父が遺した老朽化アパートの管理人となったアラフォー女性と住人が紡ぐ物語。幽霊譚は好きになれないが、憎めない借家人のキャラクターが楽しく、単純な人情話ではなくどこかドライな感覚が心地よい。

  • アパートの管理って大変そうだけれど、こんな愉快な住人が暮らすアパートならやってみてもいいかも。一番素敵だったのは幽霊老夫婦の話。死んでからも仲がいいってのがステキ。成仏できないとか関係なしで、馴染んだ場所にずっといて夫婦で草花見つめて会話して。ほっこりする。40過ぎた男女のなかなか前へ進まない恋模様も最後のカクテルの名前で、道が拓けた感じ。いいね、粋なエンディング。どの町にあるのか分からないけど、晩年は「花桃館」で暮らしたい。珍事に巻き込まれて、ブツブツいいながらも楽しくて思い出たくさんで最高な一生だね。

  • 連作短編集
    あらすじ
    43歳独身茜は、リストラを機に、父が遺してくれた古いアパートの管理人兼大家になる。しかしそこには、父の愛人(おばあさん)や、ウクレレ青年や、家族の世話を焼く中学生など、訳ありの住人ばかりいた…。

    ユーモア連作短編。主人公茜と同じようにツッコミを入れながら、しかも茜も元ヤン?で、けっこういい加減だから、茜にもツッコミを入れつつ、ほんのちょっとだけしんみりしながら読んだ。

  • アパートを相続したアラフォーの未婚女性が仕事を辞めてアパートの大家になり、店子との色々を描いたお話。面白い話もあればつまらないものもあった。1つの話が長すぎて間延びしている気がした。

  • さらさら読めた。個性的な住人達とのやり取りが楽しかった。ドラマにしてほしいなー。

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花桃実桃 (中公文庫)の作品紹介

43歳シングル女子、まさかの転機に直面す-会社勤めを辞め、茜は大家になった。父の遺産を受け継いだのである。昭和の香り漂うアパート「花桃館」で、へんてこな住人に面くらう日々が始まって…。若くはないが老いてもいない。先行きは見通せずとも、進む方向を選ぶ自由がある。人生の折り返し地点の惑いと諦観を、著者ならではのユーモアに包んで描く長編小説。

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