- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122059733
作品紹介・あらすじ
43歳シングル女子、まさかの転機に直面す-会社勤めを辞め、茜は大家になった。父の遺産を受け継いだのである。昭和の香り漂うアパート「花桃館」で、へんてこな住人に面くらう日々が始まって…。若くはないが老いてもいない。先行きは見通せずとも、進む方向を選ぶ自由がある。人生の折り返し地点の惑いと諦観を、著者ならではのユーモアに包んで描く長編小説。
感想・レビュー・書評
-
ドラマティックな展開なんてものはなく ゆるゆるしているけれど、この小説の雰囲気みたいなものがとても好きだな、と思った。春のような気分。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中島さんのちょっと毒のある笑いが好きです。
ウィットにとんだ優雅な返しも。こんな風に受け答えできたらなぁと憧れる。 -
43歳シングルの花村茜は、会社勤めを辞め、亡くなった父の遺産を受け継ぎ、アパート「花桃館」の大家になる。
個性溢れる住人とのやり取り、同級生の尾木くんとの距離感、まあ面白い。
主人公の茜自身がまた良い。ことわざや百人一首の独自の解釈も好きだし、感情がごちゃ混ぜになったり、本当の思いに気付くのに時間がかかったり、やや自己中心的な気持ちが出てくるとか、同世代だからかな?つい共感してしまう。
40代、衰えも感じるし、へなちょこな部分も多々あるが、特別な事はなくても、日常を楽しもうと思う。 -
ほっこりとはまた違うけれど、春の優しい雨のように穏やかな気持ちになれる1冊です。
主人公が希望に満ち溢れていないし、強い信念をもっているわけでもないのが花桃館の雰囲気とマッチしていると思います。
何か起きそうで起きない。でも、少しずつ居心地の良い毎日に近づいている。
そんな様子にホッとしました。 -
『この人じゃなきゃできないなんてもんは、ノーベル賞級の発明ぐらいの話』
いろいろ心に響く言葉も多くて
中島京子さんの小説はハズレがなく温かい気持ちになれます。 -
構成好きかも。201号室の誰々とか、どんどん登場人物が出てきて展開する。基本茜さん側の話なんだけど、充分に管理人の器があるから、ビックリする出来事はないけど、味わい深いので、管理人か結婚か選択を迫られるのも良いよね。ラストの百人一首の場面がまるで理解出来ず申し訳ない、あそこが作者の肝なのに。小さいお家では羽目を外さないけど、ここは遊びがあって好きです
-
花村茜、独身で43歳。
父が突然亡くなり、兄妹で話し合って というより兄の采配で兄は父の住んでいたマンションを、茜は父が所有していたアパートを相続することになった。
そのころ職場から肩たたきにあったこともあり、そのアパートに大家として住むことになった茜。
茜の日々を彩る、住人との関わりの日々が描かれる。 -
最近よく読んでいる作家。
温かみのある本でした。