- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122060791
感想・レビュー・書評
-
川上未映子さんの文章は浮遊感がある。本書はエッセイだけど、小説と同じように何処かに連れていかれるような不思議な読み心地だ。旦那さんは作家の阿部和重さんでなんてオシャレな…と初めて知ったとき痺れた。たまに猛烈に読みたくなる川上作品。タイトルまでもオシャレなんだからセンスの塊みたいだなと常々思っている。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
川上未映子が食べ物を作るところや食べるところを書いていても、食べ物が美味しそうと思わない、取り留めない思考の草原に引き込まれるだけなのだけど、そこも、好き。乳と卵に使わなかったシーンを読めたのも、よかった。
-
「ーー思いすぎると足が痛く、思いですぎると独りになって、薄暮はゆくーーあんな青、黄色だって青になる、何度だって笑ってしまう」
これは1冊目「発光地帯」の続編になっている。"一応"食のエッセイ。魅力的な散文詩もあれば、詩もあり言葉を紡ぐことを楽しんでいるような著者に出会える。 -
1冊目の発光地帯よりもさらに心地よく読み進めることができた。言葉の流れが美しく、本当に心地よい。エッセイ嫌いの私も川上さんの魔法にかかってしまったかのよう。この頃、川上さんのお腹に赤ちゃんがいたとのことで、そのあたりも今の私に共感を運ぶ一つの理由だろうか。
-
16/08/21
川上氏の文章がたまらなく好き。好きという言葉で表すのが野暮なくらい、実感として好き好き大好き。感傷的でひりひり。でも好き。だからこそ好き。
・自分も「そういったおたのしみに用がある人間なのだ」と思いたいし、それに、おたのしみのほうからも「こちらもおまえに用があるのだ」と思われたい(P120)
・春だ。涙もろくなる季節がやってきた。
あまりに涙もろいので、わたしが泣いているのではなくて春が泣いているのではないかと思えるほどだ。(P168) -
読んでいて気持ち良くなる。料理、思い出、感傷。本人が側にいて、とめどなく、親密に、語り続けてくれているような気分。
川上未映子のこの独特の文体にはいつも影響されてしまう。