幸せの条件 (中公文庫)

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著者 : 誉田哲也
  • 中央公論新社 (2015年8月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122061538

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幸せの条件 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

  • 著者が、リサイクルライフに興味を持ったのが、この作品を書く動機だとか。
    さらに、3.11の震災と原発事故が、著者の背中を押したそうだ。
    減反、高齢化、待ったなしの農業問題に焦点を当て、その魅力(もちろん過酷な条件は都会に比べるべくもないが)や必要性を描いた一方で、食料自給率についての政府のまやかしを、登場人物に批判させている。
    そして、福島第一原発は、東京電力の施設であり、関東の人がその恩恵を享受しているのに、被害を受け農地を奪われたのは東北の人々だと、訴える。

    「農業小説」ともいえるこの系譜には、テレビドラマにもなった『限界集落株式会社』(黒田伸一著)や、主人公の青年が、米つくりに出会い成長していく『生きるぼくら』(原田マハ著)などがある。
    題名とも関連するが、いずれも都会で自らの立場を見出せない者たちが、農村で生きる意味を見つけるサクセスストーリー。
    「あなたが会社に必要とされていないのではなく、あなたにこの会社が必要ではないのだ。あなたのいるべき場所は他にあるはずだ。」―登場人物の言葉。
    もっと、広く読まれるべき作品の一つといえよう。

  • 誉田さんの、ミステリー以外の本は
    実は初めて読みました

    最高だった!

    農家にバイオエタノールの機械売るために
    見習いに出る女子の物語

    農業やりたくなる
    っていうかこんなあったかい家族に出会いたくなる
    素敵

  • ふーむ。ホントに 誉田哲也の本だろうか
    と思いながら 読み進めていった。
    環境問題。そして、バイオエタノール。
    楡周平のゼフィラムをよんだところだったので、
    問題意識は つながった。

    オコメを バイオエタノールにする という。
    食糧を バイオエタノールにするというところに
    かなりの抵抗感がありながらも
    主人公が 徐々に成長していく姿が なんとも言えない良さがある。
    ひょっとしたら、なんにも取り柄がなく、目的もなく
    彼にも捨てられる存在だった 主人公 梢恵が 
    存在をみとめられるようになっていくことで、
    自分の居場所を探す。

    何よりも 福島と言う事件が 一回り大きくする。
    コメだけでなく、炭水化物すべてが、バイオエタノールになるのだ。
    コメを狙うのでなく 竹だったら ちょっとつまらなくなるのか。

    ふーむ。
    爽やかな中にも なぜか 気になる一抹の不安。
    物語と現実のギャップに 何かが違うんだよねと思いながら
    物語にしている 誉田哲也の鮮やかさ。

  • 白い誉田も、やっぱりイイねえ。
    農業がテーマという点からは、退屈な物語になりそうな予感があったが、全くそんなことは無かった。

    ヒロインの心の成長や「あぐもぐ」メンバーの魅力がまず、山場の少なくならざるを得ない農村の日常風景から“退屈さ”要素を取り去ってくれた。

    そして、誉田さん、かなり綿密に取材したのだろうな、、、ここで描かれる“農作業”の描写、それは、兼業農家である実家で過ごした日々の思い出と寸分違わずに目に浮かんでくる。

    「あぐもぐ」社長の理想と主張と行動力、社員たちの情熱は、、、なんともまあ、農業を格好よく描いてくれたものだと、歓心しきり。


    後継者問題や土壌改良詐欺などの社会問題にもサクッと触れつつも、作者曰くの通りの「明るい農業小説」に仕上がっているのも、好印象。

    また、、、会社形態としての農業経営、農作物や廃棄作物を用いての次世代燃料の開発など、現実にも動き出している新しい可能性の存在を知れることも、良い。

    後継者問題に悩む農業従事者やその子息、起農を目指す人はもちろん、農業には無縁な人生を歩んできた人達にも、ぜひ読んでもらいたい、大いに薦めたい一冊。


    ★4つ、9ポイント半。
    2017.07.23.新。


    ※購入時には気づかず、読み終えた後に気づいた文庫帯のコピー「誉田哲也史上最弱のヒロイン」に、ニンマリと納得(笑)。

    たしかに、溌剌として強いヒロインを数多く産み出してきた誉田さんには異色な主人公だったけれど、こういう感じも十分に「アリ」だな。

  • 仕事も恋も中途半端になんとなく日々を過ごしている東京のOL。
    突然長野へ単身赴任することになり、成り行きで農業を一から学ぶことに。
    そこでの生活は今までとは180度違っていて、彼女を大きく変えていく。


    農業にバイオエタノールに…馴染みがない上に難しく、ひとつひとつ理解もできなくて、読み進めるのにストレスを感じました。

    が、それも中盤あたりまでのこと。

    成長していく主人公の様子にとても好感が持てて、後半は一気に読めました。
    誉田さんの作品とは思えない爽やかな読後感。

  • 会社に自分の居場所を見いだせない梢恵。
    ある日、社長から期限のない出張を命じられる。
    行先は長野。
    何の知識ももたないまま、バイオエタノール用の苗の作付を了承してくれる農家と契約を結ばなければならない。
    何をやってもうまくいかない梢恵が、農業に携わることで自分の道を見つけていくのだが…

    誉田さんの本は「姫川玲子シリーズ」のような本の方が好みです。

  • 面白かった。
    とても読みやすくて一気に読み終わりましたが、なんとなく何を一番書きたかったのか?書ききれなかったのではないかと感じる作品でした。農業と従事する人々、バイオエタノール、震災、きっと描きたいことが結構ありすぎてそれぞれのイベント、伏線があっさり書かれていたような。ただ、それぞれの人物が魅了的でシリーズ化あれば次も是非読みたい作品でした。

  • グロいミステリーが多い誉田哲也だが、この本は心あたたまるストーリーになっている。血生臭い話はひとつも出てこない。
    東京の役立たずOLが長野の農家に出向。そこでの生活は辛いけど優しい人々や環境に囲まれ、自分が必要とする場所が何処なのかを知る。自分が必要とされる場所を探すのではなく、自分が必要とする場所を探す、これこそが幸せの条件なのかもしれない。

  • 誉田さんの新たなる一面が見れた小説。
    わたしはとても好きでした。必要だと思えることに出会ったらがんばれるんだよね、なんか学ぶことが多かった。

  • 都会の人が農業を体験する、という設定自体はありがちなのかなという気はしますが、そこにバイオエタノールが絡んできて、エネルギー問題にも触れているのが面白いところかなと思います。

    農業知らない人が学んでいく設定なので、農業について無知でも、楽しく読めると思います。ただ興味がないと、農業の説明部分は少し退屈になるかも(笑)

    農業とエネルギー問題だけでなく、東北の震災のことや、仕事に対する考え方や向き合い方も考えさせられる作品です。幸せの条件、というのは少し大袈裟な気がしますが。

    最後の片山さんの発言がとても素敵。
    確かに必要とされてる人なんてほとんどいなくて、自分がいなくたってどうにか回っていくもんですよね。自分がいなきゃ困るだろうなんて心配したりするけど、自意識過剰だよなと(笑)
    自分が何を必要としているか、というのはハッとさせられました。

    ミステリーの方は読んだことないですが、ミステリー書く人の作品とは思えないです。この人の描く女の子って、不器用でなんか可愛い。会話のテンポも良く、読んでいて気持ちがいいです。
    今更ですが、ミステリーも読んでみたいと思います。

  • 面白かった。
    梢恵の成長ぷり、どんどん前向きになるのが嬉しくって。
    梢恵のように自分が必要とした仕事に出会えるってすごいと思う。
    周りの人もステキで、文吉さん好きだな^ ^

  • この作者さんの話でこの本の前に読んだのが、今思い出しても辛くなるくらい、どうしようもない無力感に襲われるお話で、今はそういう内容の本は読みたくないなぁと思ったので、この本を読むのを若干躊躇していたのですが、あらすじと表紙のイラストから、多分、大丈夫と判断して読み始めました。

    結果として、この話は無力感どころか前向きな気持ちになれる話で、敬遠せずに読んでよかったです。

    主人公が謀らずも住み込みで農家の手伝いをすることになるので、農作業についていろいろ書かれていますが、ヒトの根元である「食」を支える農家さんはもっと優遇されてもいいんじゃないかなぁ、という気持ちになりました。

    私たちが生存していく上で、根底を支えてくれている農業従事者の方には改めて感謝しなくては、と思うとともに、素晴らしい技術や良い道具が増えて、少しでも農家さんの負担が減って、収入が増えるといいな、と思いました。

  • 面白かった。お米作りすごく感激。なんか農業に携わってみたくなりました。梢恵頑張ってとエールを送りたくなりました。

  • あまり期待せずに読み始めた。しかし、先が気になり次から次へ急いでページをめくることになった。
    社会人になって間もないOLの梢恵。辛うじて入れた会社で期待もされず過ごしていたが業務命令をきっかけに農業に出会う。
    ここから彼女の成長が始まる。そして農業の仕事としての魅力を彼女も読者も知っていく。
    楽しかった。自分を必要とされるよりも生きていく上で自分で自分に必要なものを見つけ出す。
    仕事、そして仲間に恵まれた幸せな彼女を見ているのがとても楽しかった。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    恋も仕事も中途半端、片山製作所勤務の「役立たずOL」梢恵に、ある日まさかの社命が下された―単身長野に赴き、新燃料・バイオエタノール用のコメを作れる農家を探してこい。行く先々で断られ、なりゆきで農業見習いを始めた24歳に勝算はあるか!?働くこと、生きることの意味を問う、『ジウ』シリーズ著者による新境地。

    震災と絡めてエネルギーの自給、食べ物の自給をテーマにした農業小説です。人生に目標が無い梢恵が、長野で農業に触れる事によって成長していく成長ものとしての展開が主ですが、結構農業について詳しく書いているので、雪かきの話しとか、田んぼ作りとか結構新鮮でした。

  • 冴えないOLの梢恵ちゃんが、農業を通して成長し、やがて長野の農家で働くことになる話。

    途中、震災も絡んでくるので、実はそういう話なのか?と一瞬身構えたが、ちゃんと「農業」のお話しだった。
    農業にいついてもだが、バイオエタノールのことも、知らなかったので、とても勉強になった。

  • 日本のエネルギー問題に絡めた良い本だった!
    梢恵の成長とともに周りの環境も変化しいく人間関係も繊細に描かれていて読んでいて、とても面白かった。

  • 誉田さんの著作を読むのは、本書で28冊目にあたるが、やっぱりヒロインものだった点はともかく、今回は「農業女子」ということで、改めて守備範囲の広さに感服しました。

    次は「理系女子」か「数学女子」で出してもらいたいなぁ。


    (2016/1/29)

  • この本を読んで農業、東日本大震災そして仕事、これからの生き方について考えさせられました。二人の社長のキャラがとても魅力的で私もこんな上司のもとで働けたらどんなにいいものかと梢恵がうらやましくなりました。片山の「大切なのに誰かに必要とされることなんかじゃないんだ。本当の意味で自分に必要なのは何か…それを自分自身で見極めることこそが本当に大事なんだ。」というセリフが心に響いた。私もこんな風に思えるものに出会いたい!

  • 冴えないOLが、農業を通じて成長していく話。
    農業の説明的描写が多かった気はするものの、こうやって農家の人たちは、お米や野菜を育て、出荷していくのかと、とても興味深くて面白かった。
    自分に出来るかと言ったら無理だと思うけど。
    今日もありがたくご飯をいただこう。

  • 誉田さんの本とは思えないくらい、他の作品とはカラーが違っててびっくりしました。
    一瞬有川浩さんと間違えたかと思いました。。笑

    登場人物に悪い人がひとりも出てこないので気持ちいい作品でした。
    でも読み物としてはもうちょっと奥が深いのを期待していたので残念。
    主人公の成長物語なんだと思うけど、いまいち成長した感が薄い。
    たまたま農業やって、それが向いていたというか本人の頑張った感よりラッキー感が強いっていうか。
    でも清々しくは読めました。

  • 中だるみなく読み終えた。けれど、何となく終わってしまった感じ。
    ストーリーはほぼ予定調和、主人公が最初は無下にされた人とあるきっかけでつながり、そのつながりもあり最後はよい方向へ行く。スナックのママ「ユミ」が君江に似ていると思った話は、結局オチがなかった。
    農業とバイオエタノールについての入門書のような位置付けと考えると、よい本か。

  • 必要とされているから、ではなくて自分が必要としているからその場所にいるんだという新たな気づきを与えてくれる本で、読んでよかったと思いました。400ページほどありますが、え?もうこんなに読んでたの!?というぐらいおもしろいです。
    主人公の梢さんは、社長から「これやって」とチャンスを与えられても「なぜですか?私にはできないです」というような感じで返してしまうような人でした。
    その梢さんが、長野県での農業体験を通じて「簡単な仕事をしてお給料もらえればいいやー」という態度から、自分の頭で考えて意見を言ったり自発的に動くようになる姿が自然に描写されていました。

  • 2015年28冊目。
    必要とされることを望んでしまうけど、本当は、自分が何を必要とするか、のほうが大事なのかな。
    私はどうしたいんだろう。
    「過疎に悩む地方を農業で活性化する」話は最近よくあるけど、これは違って、「バイオエタノールの開発」をテーマとする中で、農業や地域の人々から学び、主人公が自身の生き方や働き方について見つめ直していくというお話。
    小説中に、東日本大震災と原発事故がリアルタイムで登場する。津波に追われた人々、流されてゆく家々を、あの日職員室のテレビを見上げ、どうすることもできずにいた自分を思い出した。
    農業とエネルギー問題、結びつけて考えてみるきっかけになった。
    ちょっと展開に無理があるけど、今読めて良かった。もう少し、続きを読みたかった感じ。

  • 理大を卒業して就職したが仕事にやる気を見いだせないOLが、会社が開発したバイオエタノール精製機の原料とする米の作付を依頼するために長野の農村に長期出張するなかで、農業に触れ自分の生き方に気づくストーリー。
    農業について詳しく描かれていて興味深い内容だった。

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恋も仕事も中途半端、片山製作所勤務の「役立たずOL」梢恵に、ある日まさかの社命が下された-単身長野に赴き、新燃料・バイオエタノール用のコメを作れる農家を探してこい。行く先々で断られ、なりゆきで農業見習いを始めた24歳に勝算はあるか!?働くこと、生きることの意味を問う、『ジウ』シリーズ著者による新境地。

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