任侠書房 (中公文庫)

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著者 : 今野敏
  • 中央公論新社 (2015年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122061743

任侠書房 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 今野さんの本は『ST 警視庁科学捜査班』に次いで2冊目。
    こんな本も書かれるのですね~?!

    素人さんには一切迷惑をかけない阿岐本組が倒産寸前の出版社に手を出した~!
    ”手を出した”と言っても、"しのぎ"ではなく”経営”に。
    ヤクザが出版社を経営するなんて…

    いやぁ~、面白かった。
    「任侠シリーズ」は”学園”、”病院”と続くのですね。
    これは読まなくちゃ!

  • 『学園』を前に読んでいたが、任侠シリーズとしては、こちらが第一弾らしい。カバーがど派手になり、つい手に取ってしまった。
    この主人公たちは、暴力でことを済ませる暴力団ではなく、弱きを助け強きをくじく昔からの任侠を貫く”心優しき”やくざたち。彼らは金が万能の社会に異を唱え、面子―あるいは誇りと言い換えてもいいか―を何よりも重んじることを信条とする。現代の日本人が忘れかけているものを、持っているといえるかも。
    だから読んでいてもカタルシスを感じ、その世界に郷愁すら覚えてしまう。

  • 面白い!
    実際にこんな常識的な
    ヤクザは存在しないと分かっていても
    つい「おっしゃるとおり」と同調してしまう。

    人として当たり前の事
    人を誉める。
    人に感謝する。
    人を認める。
    人間関係なんて
    そんな簡単な事で上手く行くモンなのかも~
    と思えてしまった。

  • 夢物語です。
    でも、抜群に面白く、スカッとさせてくれる夢物語!

    まず、軸のぶれない阿岐本組長が半端なくイイ♪
    そして、苦労人の日村さんはさらにイイ!

    浅田次郎さんの「プリズンホテル」や小林信彦さんの「唐獅子株式会社」なんかを想像したのだが
    阿岐本組の仕事は、企業建て直し、世直しのようだった。

    平気な顔して正論を吐く阿岐本組長。
    それに右往左往する代貸の日村さん。
    うまく行きすぎな面もあるけど、うなずく場面も多い。

    何しろ、親分の命令には体を張ってやり遂げるという面々。
    トップの命令が正しければ、スピードも効果も抜群です。
    そこに、苦労人・日村さんの適材適所の抜擢もあり
    淀んで無気力となった会社を変身させていくところは
    心が躍ります。

    続編も楽しみに読みます。

  • 正義が勝つのはやはり読んでて気持ちいもんだ。ヤクザさんだけど。

  • 原題はとせい=世を渡る=渡世ってことか、そっちのほうが内容にはあってるけど、売れるかと言われたら違うだろうから、改題も納得。
    内容はヤクザが出版社の運営に関わるっていう無茶な話のはずが、導入がスムーズすぎて驚いた。一瞬で本題に入ってくれて読む方としてはよかった。苦労症の日村さんすごく応援したくなる。
    BOCの連載も楽しみにしてます。

  • 昔の物語に出てくるようなやくざと弱小出版社の二人三脚での再建物語。

    ドンキーコングよろしく、いつもと攻守交替で楽しみます。

    不条理に埋もれながら、辛抱強く、そして、知恵を絞る。

    幕切れも、また渡世人。

  • やくざが出版社を経営?ひょんなことから倒産した出版社の社長に就任したやくざの親分と役員である代貸。やくざ者を役員に迎えて入れた出版社はそんな役員に戸惑いつつも、変わらず目の前の締め切りに毎日追われています。
    旧態依然とした出版社の価値観を、やくざ者がもつ普遍的な考え方が出版社の活動に活かされていくのが爽快です。日陰者として裏の道を歩んできた者たちが、表の世界に認めらる、あるいはその行動が表の世界を動かして行きます。そのようなやくざものの振る舞いに現代の閉塞感をうちやぶる何かが光っているように思うのです。

  • ずっこけ六人「組」の異業種挑戦物語。

    ちょっと設定が極端かも、とは思うけれど、低空飛行に慣れきった組織に異文化人が入ってかき回すのはどんな世界にもありえることだし、素人だからこその発想とショック療法!?で、V字回復のチャンスが出来ることだってあるかもしれない。とはいえ、外の人が関わることで直ちに事態の好転が約束されるわけでもなく、ものごとの本質を見抜く力や発想力、実行力を伴うこと、そして中の人ときちんと信頼関係が築けること…アタマの中では当たり前のように理解できるけど、なかなか現実の世界ではうまくいかないもんだよなぁ…なんて思いながら、面白く読み終えました。

  • 主人公は阿岐本組の代貸を務める日村。
    タイトルに「任侠」の文字はあるけれど、けっして物語自体はヤクザ小説ではない。
    倒産の危機に面した出版社を、素人である日村たちが知恵を絞りながら立て直していく前向きなストーリーになっている。
    素人だからこそ思うグラビアへの思い入れ。
    ヤクザだからこそわかるヤクザ社会の生きた情報。
    視点を変えた女性誌へのアプローチ。
    それらを可能にするヤクザならではの人脈。

    軽快に進むストーリーと、明るく読みやすい文調。
    ヤクザにも負けない個性豊かな編集部の人たちや、ヤクザ顔負けの強欲さや理不尽さを振り撒く素人たち。
    人間、何をやろうとも誇りを失ったらダメなんだなと思えた物語だった。
    阿岐本組長の男前さには、さすがヤクザ社会でも一目置かれる人だと納得してしまう。
    好き勝手に振る舞っているようで、抑えるべきところはきちんと抑えている。
    決断力もあり、人の動かし方も上手い。
    そんな組長を支える日村の奮闘ぶりに同情しつつ、つい笑ってしまうところが何ヶ所もあった。
    ヒヤリとする場面もある。
    ヤクザらしい顔を見せる場面もある。
    それでも、やっぱりあたたかな余韻を残す終わり方にホッとした。
    ドラマや映画でも今では滅多に見られなくなった旧態然とした古いタイプの任侠道。
    最後まで楽しく読むことができた物語だった。

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任侠書房 (中公文庫)の作品紹介

日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、今時珍しく任侠道をわきまえたヤクザ。その阿岐本組長が、兄弟分の組から倒産寸前の出版社経営を引き受けることになった。舞い上がる組長に半ば呆れながら問題の梅之木書房に出向く日村。そこにはひと癖もふた癖もある編集者たちが。マル暴の刑事も絡んで、トラブルに次ぐトラブル。頭を抱える日村と梅之木書房の運命は?「任侠」シリーズ第一弾(『とせい』を改題)。

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