- Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122063853
感想・レビュー・書評
-
災難続きだと思われた家族がそれぞれのきっかけで変わっていく姿が、読んでいて清々しかったです。些細なきっかけで自分の進む道が固まってきた、海外赴任という大きなきっかけでようやく柔軟な考えができるようになった父。程度の違いはあれ、それぞれ新しい出会いや行動によって変わっていきます。最初は流されていた人間が、自分の意志で行動を選択することで、良い方向に進んでいく。「悲観は気分、楽観は意志」という言葉が刺さります。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
老後のお金が気になる世代の一般的な家庭のリアルな話でぐいぐい引き込まれたけど終盤はうまく行き過ぎ感がありリアル感が半減。お金に関することを早いうちに勉強することの大切さは共感できる。『悲観は気分、楽観は意志』フランス哲学者アラン著『幸福論』の言葉が印象的。人間は成り行きに任せると気分が滅入り悲観主義に陥ることが多い。一方楽観主義はその人の意志によって生み出されるという。
-
長男のうつ病からの退職、夫の左遷、離れて暮らす田舎の親の介護問題……不安だらけでどん底のようだった4人家族が、それぞれにもがいて生きがいを見出す。明るくてサクサク読めるストーリーだった。
-
家族の中で、父は一つの会社にずっと尽くし、母は専業主婦。
息子は大手銀行に就職したが1年でうつ病のため、退職。
娘は大学生だが、将来わ決めかねており、母の息子に対する溺愛ぶりにうんざりしている。
時代は移り変わり、それぞれの年齢での考え方は大きく違う。
それぞれに色々悩み、考えを少しずつ近付けて行く。
老後を考えて行く中で、参考になりそうな話だった。
2022.6.19 -
エッセイかと思ったら小説だった。
家族とかみあわない定年が近づく父、息子に甘い専業主婦の母、銀行を1年で退職し引きこもる息子、母みたいにはなりたくない就職活動中の娘。
それぞれが自分を見つめなおしハッピーエンド。なのだけれど、高度成長期後の典型的サラリーマン家庭として描かれる前半のやりとりが、読んでいるだけでつらい。俺が稼いで食わせてやっているんやという夫も、家計を助けるために費用対効果を考慮せず節約倹約する妻も。世が変わってきて本当によかった。
金融リテラシー大事。 -
60年代生まれでバブル社員の夫、専業主婦の妻、銀行に一年勤めて退職して家に籠る長男、そして大学3年生の娘、といった典型的な一般家庭。
老後、親の介護、就職や仕事に対する考え方の世代間ギャップ、社会や地域活動、副業、合同企業創業等々。 -
2020.12.21-355
-
金融教育の本。
小説だけど、ビジネス本って言ってもいいかな。
金融リテラシーをつける。
お金を考える。
生き方を考える。
家族を考える。
良書だと思います -
学習漫画を小説化したというか、『会計天国』のようなマネー知識を物語仕立てにした、どっちかっていうと知識寄りの本かと思って読み始めた。
ところが、意外と「小説」っぽい。
家族観、労働観、社会観が、山田一家と関わりを持つ人々を通して開陳される。
ゴチゴチに固まっていた山田家の人々の意識が変わっていくのが面白い。
そのあたりが割と自然な運びで、物語として読めるのだ。
最後の辺りで慌てて堅実な資産運用の方法とか、副業や法人設立の方法が紹介されていくのがちょっと・・・と思わなくもないけど。