世界の歴史 (22) 「近代ヨーロッパの情熱と苦悩」

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  • Amazon.co.jp ・本 (538ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784124034226

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  • 中央公論新社の新版『世界の歴史』シリーズの22巻、「近代ヨーロッパの情熱と苦悩」の回です。おもに19世紀のヨーロッパをフランス、ドイツ、イタリア、ロシア、イギリスを中心に各国別に扱いながら、フランス革命及びナポレオン戦争による混乱後の激動をわかりやすく説明しています。19世紀という時代は各国が入り乱れまた政治も複雑になり大変分かりづらいところがありますが、この本では各国の通史的な体裁をとっているため、その国の通時的な理解には大変役に立ちます。ただ、この時代に対して大変ごちゃごちゃしているというイメージをもつ原因の一つである外交関係の多様化と複雑化には各国通史の体裁を執る本誌はやや不利な記載方法ではなかろうかと思います。ただ、15,6世紀の大航海時代を経て「世界の中のヨーロッパ」「世界を席巻するヨーロッパ」「世界の中心たるヨーロッパ」となった19世紀の全体像を理解するにはそのヨーロッパ各国の国内情勢も知らないといけない、そのためには大変有意な一冊ではないかと思います。

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著者プロフィール

 印刷博物館館長。東京大学名誉教授。専門は、西洋中世史(フランス中世史)、西洋文化史。
 1941年東京都生まれ。1965年東京大学文学部卒業、1968年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。1969年京都大学人文科学研究所助手。1976年東京大学助教授、1990年東京大学教授、2001年退官。この間、文学部長(1997年4月〜1999年3月)、史学会理事長(1999年6月〜2001年5月)を歴任。2001年国立西洋美術館館長を経て、2005年10月より現職。2005年紫綬褒章受章。
 東京大学在学中は、日本における西洋史学研究について、その文明史的な存在意義を主張して西洋中世史研究の「中興の祖」とされる堀米庸三の下でフランス中世史を学ぶ。12世紀中葉からの北フランスに勃興した大聖堂などの宗教建築様式で知られる「ゴシック」を生み出した中世思想をテーマとして研究者歴を刻む。次第にその後、研究領域を西洋文化史全般へと移行させていったことから、おのずと対象とする時代も拡張されて近世・近代にもおよぶ。風土や町、身体や美術、とりわけ絵画などを題材とすることにより、斬新な視点から西洋史の読み取りに挑戦していく。こうした新しい歴史記述の試みは、その平明な記述とあいまって、研究者だけでなく多くの一般読者にも支持されている。

「2015年 『ヨーロッパ近代文明の曙 描かれたオランダ黄金世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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