熊を放つ 下(村上春樹翻訳ライブラリー i- 2)

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制作 : John Irving  村上 春樹 
  • 中央公論新社 (2008年5月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784124035100

熊を放つ 下(村上春樹翻訳ライブラリー i- 2)の感想・レビュー・書評

  • 中盤以降、主人公が逡巡的、感傷的になる部分になると、この話はより一層混迷を深める。彼はどこに行くのか?なにをするのか?構成としては動物園を実際に開放してしまうというファンタジーすれすれの物語にしたのは危うかったが、ぎりぎりでソリッドな現実とのつながりを保っていた。これはまだ若かった作者の才能の片鱗が伺える部分だ。だが最後の少し強引なポジティブさが、不自然な印象を受けた。バルカン半島の近代史が抱える悲しさを内包して昇華したかったのかもしれないが…

  • 『 髪を売るなんて一種の倒錯した売春のように思えた。』
    運命が進路を決定する!』
    並存し始めるジギーの存在感。たまらない。

    混乱した未熟さ
    幼さと、理想。計画になった時点で終わる本来の理想。そして理想の中での現実的選択は避けられない。正しい選択なんてものは存在するのか。実現の不可能性。カオス。破壊。すべては混乱した未熟さ、という言葉で表せる。しかし、そこにいけばもうポルポトと同じようなもの。
    未熟な動物性のかたまりの解放は無秩序を生み、さらなる絶望に。
    そのときを待っていたオーストリア人。戦えるときを待っていた、とすると

    新しき希望は沈黙をもたらす
    あまりにせつない。

  • 12回目の動物園偵察からはじまる。

    ドイツ人とセルビア人や赤軍とパルチザンの関係なんかがごちゃまぜになりわからなくなってしまった(~_~;)

    マダラジャコウ猫は腹をべったりと床につけてはあはあと息をし、二本のうしろ脚をまるであしかの尾ひれみたいに拡げ、うしろの閉じられた扉からいつとびこんでくるかもしれないネズミか狂人に備えながら、尾をはたはたと打ち振っていた。

    また、いつか読んでみよう。

  • 序盤ふざけた青春小説だと思った。ところが中盤から友人の日記(家族の歴史)を読み進めていく形式になって、理解に苦しむ友人ジギーの存在感がぐんぐん増していく。終盤、やっていることははちゃめちゃなんだけれど、いつのまにか共感してしまっていた。
    恐るべしアーヴィング。ひりついています。
    「ブリキの太鼓」、「悪童日記」3部作、ミランクンデラの作品、に近いものを感じます。

  • この小説は僕の最も好きな小説の一つです。世界観や読者を誘い込んで行く手法、そして強烈な流れが息もつかせないストーリーを生んでいます。

  • 瑞々しい、冒険。これこそが「物語」である

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熊を放つ 下(村上春樹翻訳ライブラリー i- 2)の作品紹介

アーヴィングはその作品を通して僕をつよく励ましてくれた-現代小説の世界を大きく膨らませる「圧倒的な物語」を持ち込み、同時代作家として訳者を夢中にさせたアメリカ文学界の暴れん坊。その出現を告げる長篇小説。ライブラリー版にはアーヴィングのエッセイを新収録。

熊を放つ 下(村上春樹翻訳ライブラリー i- 2)はこんな本です

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