バビロンに帰る: ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック2 (村上春樹翻訳ライブラリー f- 4)

  • 中央公論新社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784124035179

感想・レビュー・書評

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  • どれも後味がいいとは言い難いけど
    どれも素敵な作品。「新緑」は特に好きかも。
    フィッツジェラルドがどう生きてきたか、どのような人生を生きてきたのかが1番わかる気がする。
    最後の解説が補足になってよかった。
    時代の背景とか作者の情報とかそういうのをわかった上でもう一度読み直したい。

  • 1920年代は美人しかいないことになってるぽい

  • フィッツジェラルドの絶望と情熱

    自分を投影した登場人物たち
    だからこそ人間らしい苦しみや歪みが見える

    決して自分の絶望に屈さず
    静かなる勝利を収めたフィッツジェラルド

    私も自分の苦しみに負けずに
    糧として頑張って生きようと思う

  • ①文体★★★★☆
    ②読後余韻★★★★☆

  • 「バビロンに帰る」が特に良い。
    バビロンとは、旧約聖書に登場する都市の名で、市場経済が席巻し、またバベルの塔建設を目指し神の怒りに触れた都市の名前。まるで1920年代、経済の絶頂期にいたアメリカのような。
    アルコール依存、繁栄の後の虚無、子供、妻

  • 作品はもちろん素晴らしいのだけれど、編集がそれを更に高みへと押し上げる。特に「結婚パーティー」から「バビロンに帰る」までの流れ、そして幾分クオリティが落ちる雰囲気の「新緑」を読ませた後のアルコール依存の解説から、更に「バビロンに帰る」がいかに傑作であるかが浮かび上がってくる構造に、ひっくり返った。作品集でありながら、村上春樹の文芸評論にもなっている。そういえばこの人、文芸評論がすごいのだったということを思い出す。熱く、そして小説の力を強く信じている本。大変励まされる。

  • フィッツジラルドへの思い入れが無い自分には、それ程エキサイティングとは思えない作品。

    イスラエルの民が捕囚として連れて行かれたバビロンに、「帰る」意味が何なのかもはっきりとは分からない。

    それぞれの主人公の生き方も何となく自分勝手にしか感じられない。常に自分に何か不可抗力による被害者であるという考え方、論拠には賛同出来ない。

    米国のこの時代の特徴(いや、現在でも?)なのか、ただ単に華やかな消費社会で、文化というか、信念というか、相対的な成功を求め、絶対的価値を感じさせない雰囲気を感じてしまう。

    かと言って、途中で投げ出さず一応全部読み切れたのは、やはりフィッツジラルドの筆力なのか、それとも村上春樹というバイアスによるものなのか…

  • 2篇目以降は、文庫で読んだ。マルカム・カウリー『スコット・フィッツジェラルド作品集のための序文』が読めるのは、新装版だけ!

  • 宝石箱のような物語。

  • ただただ美しい。それに尽きる。

  • 文字だけで表現される芸術、文学に魅入られた方なら、このザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック2は必読です。

    何故ならたっぷりと魔法のかかった作品、「ジェリービーン」が入っているからです。
    この一編は、読んでいる間、美しい夢を見ているような気分になれます。
    読み終えた後は、記憶の彼方に埋もれて忘れていた何かとてつもなく美しいモノの思い出がわき起こります。
    何時か何処かで見かけたような、それでいて切ない思いのまま手の中を通り過ぎるのを見ているだけしか出来なかった何物か。
    そんな曰く言い難い思いへの郷愁がわき起こります。

    映画でもアニメでも不可能で、文学だけが人に呼び起こすことの出来る類の美しさ、ですね。
    あらゆる分野においてこれほどの高みにある作品は、そうありません。
    小説が好きだ、という方は必読です。

    あまり出来の良くない短編「新緑」も心に残ります。
    音楽にしろ、絵画にしろ、時におぼつかない出来の一品が、琴線に触れる、ということがありますが、この作品はそれです。
    描かれるのは弱さへの愛しみ。
    弱い人間が描いた弱い人の肖像画が、不思議に心に残ります。
    効率こそ善、戦略による強かさこそ善、とされる時代に、弱さとはなんと儚く、時に美しいものか、と感じさせるのは並の手腕ではない。
    こういう思いを抱いた時、人の感性の不可思議さ、幅広さに目が向くことは無駄なことではないでしょう。

    村上春樹自身が書いた「スコット・フィッツジェラルドの幻影」と題されたエッセイも素晴らしい。
    スコット・フィッツジェラルドの魅力を、非常に巧みに切り分けて掌をさらすように解説してくれています。
    これほどの文学論はあまり読んだ試しがないのだけれど、話題にならないのは何故なんでしょう?

  • いい話だ

  • 村上春樹はあまり好きではないが、これは好き。
    翻訳だからだろうけど。

  • ここに収められている短編よりもマイカム・カウリーの「スコット・フィッツジェラルド作品集のための序文」が面白く感じた。フィッツジェラルドの生涯に共感のようなものが感じられた。
    「僕は失われた。しかし君よりは上だ。」

  • [ 内容 ]
    僕らはフィッツジェラルドという不躾なくらいに気前よく才能をまき散らす作家に、脱帽しないわけにはいかない―天性の「作家の眼」と、見事なばかりの筆の切れ、失敗者に注がれる温かいまなざし。
    ビター・スイートなフェアリ・テイル五篇に、訳者のアッシュヴィル訪問記を付す。
    ライブラリー版にはマルカム・カウリーのエッセイを新収録。

    [ 目次 ]
    スコット・フィッツジェラルドの五つの短篇(ジェリービーン;カットグラスの鉢;結婚パーティー;バビロンに帰る;新緑)
    エッセイ(スコット・フィッツジェラルドの幻影―アッシュヴィル、1935)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 2009.02
    ジェリービーン
    カットグラスの鉢
    結婚パーティ
    バビロンに帰る
    新緑

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