日本の近代 5 政党から軍部へ―1924~1941

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著者 : 北岡伸一
  • 中央公論新社 (1999年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784124901054

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日本の近代 5 政党から軍部へ―1924~1941の感想・レビュー・書評

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  • 暗い昭和前半の歴史。戦争へ向かう政治情勢の下、国民生活がどうであったか、普段あまり考えたことがなかったことがよく、描かれています。(例えば自動車の普及状況、住宅、メディア、スポーツ、李香蘭の「蘇州夜曲」・・・)

  •  本書は1942年(大正13年)から1941年(昭和16年)までを扱っているが、これまでの「日本の歴史」のバックナンバーの中で、一番時代がわかるように思えた。
     本書には「天皇が統治権を総覧することになっているが、天皇が実際にすべての決定を下せるはずがない。・・・内閣や議会や軍など、それぞれの助言機関の意思を基本的に受け入れて政治を行うしかない。しかしそうした助言機関の意思が矛盾したとき、一体どうすればよいのか。それを調整、統合する役割を果たしたのが元老であった」とある。
     そして、その「元老」の力が衰えた時に、「政党」がその役割を担うべきだったのだろうが、それがうまく機能せずに、「軍部」がその役割以上に力を持ってしまったということがよくわかるように思えた。
     ようは明治憲法という政治システム自体にもともと無理があったということなのだろうか。
     本書は、大正末期から昭和の戦争直前までの「政治勢力」としての「宮中」や「元老」そして「政党政治」を詳細に追いかけている。
     その政治空間は、現在とは全く違うものであるが、もともとヨーロッパで形づくられた近代政治を日本に移植するためには、相当な工夫が必要であったのだろうと推測される。  
     その中で本書で詳細に展開される「政党政治」は、当時の国際環境とも相まって、うまく回っているとは到底思えない。
     本書で読む「昭和戦前期の日本」は、「格差の拡大」と「中国での大陸政策の行き詰まり」、「政党政治の混迷」「軍部の影響力の拡大」の世界であるとよく理解できた。
     しかし、この混迷する「日本」の姿は、現在の日本の政治風景とにているのではないか。
     「景気の低迷」「政治の混迷」「中国との摩擦」「ナショナリズムの勃興」。歴史の結論は「軍部の台頭」と「戦争による破局」につながるのだがと、ため息が出る思いがした。
     本書は、内閣の成立や退陣の事情を追いかけるだけでも相当な分量がある。登場人物も多く、本書の視点が妥当なのかどうかもよくわからない。
     しかし、その膨大な分量の内容を読者に飽きずに読ませるだけの分析を積み上げていると思えた。本書を読んで、ますますこの時代を知りたいと思えた。本書のシリーズではなく、本書を担当した著者を高く評価したい。

  • 1924~1941まで、すなわち、政党政治全盛時代から太平洋戦争までの日本史通史。
    なんというか、ふつーの本

    あ、ふつーの本とはレベルが低いとかツマラナイとかいう意味ではないです

    内容が、ふつーの通史

    やや、軍部に厳しいかなぁ、という印象ですが、作者がまさに68年に東大に在籍していたことを考えれば、かなり平等な視点で書かれているのでは

    うん

    ふつーの本

    これを暗記して、それをベースに勉強してゆこうとしてます

  • 中央公論新社が1990年代末に刊行した「日本の近代」シリーズの5冊目は、現・東京大学法学部教授(日本政治史)の北岡伸一による昭和戦前期の概説。

    【構成】
    序章 昭和の始まり
     昭和を見る眼
     大正末期の日本
     関東大震災と山本内閣
    第1章 政党政治の日本
     加藤内閣と若槻内閣
     中国問題と日本
     田中内閣
     社会主義と無産政党
     浜口内閣
     昭和初期の社会と文化
    第2章 「非常時」の日本
     昭和陸軍の起源
     満州事変
     斎藤内閣
     岡田内閣
     二・二六事件
     「非常時」の日本
    第3章 戦時の日本
     広田・宇垣・林
     近衛内閣と日中戦争
     世界大戦と日本
     戦時の日本
     日米交渉

     著者は、『日本陸軍と大陸政策 1906-1918年』で知られるように、明治・大正期の陸軍を中心とした外交政策を研究活動の出発点としていた。
     本書は、国内における政党政治の変容から中国大陸における軍事行動・外交政策、社会・文化にまで気を配って包括的な概説書として成立しており、その点で初学者が読んでも全体のイメージをつかむことには苦労はしないであろう。そういう点では、「よくできた概説書」であろう。

     その序盤において著者は以下のように述べている。

    「昭和の歴史の核心は、中国問題であった。日本が中国大陸に得ていた権益を
     めぐって、中国といかなる関係を樹立するか、また欧米列強とどのような関
     係を取り結ぶのか、これが昭和史を動かした問題であった」(P.55)

     このように明言しておきながら、タイトルが端的に示すように本書の扱う主たる問題は、日本国内の「政党から軍部へ」の政治主導権交代であり、その担い手の失策に対する厳しい批判である。
     政策を批判すること自体は何ら問題はないが、しかしその結果、戦前の政治史がごく少数の個人の思惑によって動かされたかのような錯覚を読者に与えたのであれば、それは非常に大きな問題である。マクロな国際関係とミクロな国内の政治主導争いの遠近感を捉え損ねていると言えるだろう。

     外交史研究家として名高い著者ではあるが、政治評論家や外交評論家という立場の人間ならばともかく、歴史家としての力量には疑問符をつけたくなった。

  • 読み終わったー復習だー!

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