ファロットの誘惑 (C・NovelsFantasia か 1-12 デルフィニア戦記 12)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784125004631

作品紹介・あらすじ

コーラル城の華やかな喧噪にまぎれ王妃暗殺の罠は巧妙に精緻に張りめぐらされた。無関係に見えた少女の死。王宮の内部で殺された侍女。決戦の場となった雪原で暗殺集団ファロットの青年はあでやかに微笑む。リィの本能が警鐘を鳴らす。この奇妙なイキモノは「人間」なのか。

感想・レビュー・書評

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  • リィの同種のような、レティシア登場。
    昨日の敵は今日の友のごとく、酒食を共にするリィとレティシア。一般常識からは考えられないけれど、未だレティシアはリィを暗殺する依頼を担っているというのに、だ。

    ポーラとウォルをくっつけるために、リィは暴走する。
    「俺が離婚してやれば、ポーラはウォルの奥さんになってくれるんだろ?」
    そう言って結婚誓約書を破棄しようと、大聖堂へ乗り込んだ。
    彼女にとって(ウォルにとってもそうだがこの)結婚とは、本当にみせかけだけのもの。
    夫婦というよりは同志という言葉の方がぴったりな二人の間ではなんら過不足ないものだったのだけれど、まぁ、一般常識を持っている周囲の人間には理解できないよね。
    これが(この世界での)平民と呼ばれる男女の間のことならば、まだいくらでもやりようはあったし、リィがあそこまでダダをこねる必要もなかったろう。
    ウォルが玉座に就いていること。
    それがすべてをややこしくしてるんだ。
    しかし、無事にくっついてくれてよかったなぁ。
    ウォルってばやさしいよなぁ……(べた惚れ)


    巻頭の地図に大華三国以外の国々も登場し、
    ますますの広がりを見せるデルフィニア戦記。

  • コーラル城の華やかな喧噪にまぎれ王妃暗殺の罠は巧妙に精緻に張りめぐらされた。無関係に見えた少女の死。王宮の内部で殺された侍女。決戦の場となった雪原で暗殺集団ファロットの青年はあでやかに微笑む。リィの本能が警鐘を鳴らす。この奇妙なイキモノは「人間」なのか!?
    (1997年)
    —- 目次 —-
    1〜8
    あとがき

  • 生きているとは
    どういうこと?
    人間ではない
    人間の姿をしていても
    人間ではない
    頭でわかっていることと
    身体でわかっていること
    言葉を出せば
    一番欲しい言葉が返ってくる
    鏡を合わせたように
    言葉を交わし
    飯を食う
    差し向かえだからこそわかること
    何かを話すわけではなく、
    お互いの趣味を確認し
    お互いの名前を聞いてみたいと思う
    少しずつ近づく
    命のやりとりをする
    間柄だというのにね
    こんな関係になれる

  • [江東区図書館]

    デルフィニア戦記12巻。
    読んだのは遠い昔。デルフィニアで知った作者、続けてスカーレット・ウィザードも読んだはず。図書館でふと田中芳樹(銀英伝)のシリーズが並べられているのを見たらその手のライトノベルが懐かしくなって、当時好きだった菊池秀幸と茅田砂胡を探してしまった。

    好きと言いつつ記憶力のない自分に感謝。
    大分ストーリーやラストの記憶が欠けていたスカーレットと違って、流石に何回も読み返したこちらのシリーズは割と細かいところまで覚えている、というか読んでもそうそう、と思い出せた。

    ★デルフィニア戦記(王女グリンダ)⇒スカーレット・ウィザード⇒暁の天使たち⇒クラッシュ・ブレイズ⇒天使たちの課外活動⇒トゥルークの海賊⇒海賊と女王の航宙記

    ★桐原家~、もものき~

  • デルフィニア戦記十二冊目。
    国王の愛妾問題から一気に離婚騒動に。とは言っても、リィの場合は子を産めない自分よりも愛妾を代わりに正妃にしろという無茶無謀。またもや友人総出でリィを止める羽目に。
    ようやくそれも片付いて、今度はロザモンドの親戚判定に。まさかタウの頭目ジルがロザモンドの従兄でイヴンがジルの息子で…?どんだけ世間は狭いんだと。
    デルフィニアでそんなことをのん気にやっているうちに、世界はデルフィニアを倒さんと画策中。リィにはこれでもかと仕掛けられる殺し屋からの攻撃にさすがに疲弊気味。
    三国を中心に諸国との戦いは次巻からか。

  • リィを殺害するために、町娘が殺され、ウォルの愛妾の侍女が殺され、シャーミアンがさらわれる。
    人間とは思えないほどの強さと速さを持つリィと互角に戦うファロットの刺客。

    あろうことかリィとその刺客は意気投合する。
    心を通わせともに飲み、互いに全力で殺しあうことを気持ちよく了承しあう二人。

    この辺をうまく読者に納得させなければならないので、作者は大変だ。
    最終的にはリィとウォルの絆を書いてこの巻を終えるわけで、それはつまり、リィは負けないという表明になるのだろう。(主人公は死なない法則どおりである)

    個人的には、国際政治の話を読みたいのだけれど。

  • デルフィニア戦記12。

    王妃と国王の離婚騒動。
    前代未聞の出来事に振り回される人々に、やっと訪れた平穏に忍び寄るファロットの陰謀。

    前巻が離婚宣言で終わったので、どうなることかと思いましたが、やはりリィはリィだなと。
    常識が通じないのは今に始まったことではないですし、それがリィの良さでもあるんですけど。
    わかりやすいタイトルのわりにファロットが出てこないなぁと思っていたら、後半で。
    怒りよりも言葉では言い表せない恐怖と、少しの好奇心が残りました。

  •  パラストの王がリィの暗殺をファロットに依頼してから数ヶ月。
     実際に、リィに刺客が放たれた。
     その刺客はリィと同じにおいがするもので、リィと互角の腕を擁していた。
     それに同じにおいを感じで日に日に近づいていくリィだが、シェラはそのことに危機感を覚える。
     けれどリィは思ったよりも冷静に判断していて……

     という話でした。
     リィの離婚騒ぎから始まって、暗殺者の到来……と。
     相変わらず、一冊でものすごく濃い内容で、小説って、やっぱり一冊で物語の内容量が多いよなあ……と本当に思いました。

     恋愛もかなり動き出していて、その恋愛が次世代の物語に続いていくのだ、ということがよくわかる話でした。
     是非とも、最後までついていきたくなる話なので、覚悟して読むといいと思います。

  • リィの人間を食べる発言、嫌だなあ。最初の頃はそんな設定なさそうだったのに。正直だいぶ引いてしまう。リィとㇾティがこんなに惹かれ合うなんて。最後は食べちゃうのかな。リィを遠くに感じて不安になるシェラがかわいい。

  • ここに来て,アベルドルン大陸図が登場して,一気に世界観が広がった.なんだ,デルフィニアってそんなに大きな国でもないなぁ.しかしこの巻,ひとまずウォルとポーラの件とバルロの件がうまくいって,ひとまずほっ!ただ,リィに忍び寄る暗殺の影と戦いへの不穏な動きが続く.

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著者プロフィール

茅田砂胡
5月3日生まれ。牡牛座。デルフィニア戦記シリーズで小説デビューをはたす。
著書に「デルフィニア戦記」「スカーレット・ウィザード」「桐原家の人々」「王女グリンダ」「暁の天使たち」「クラッシュ・ブレイズ」「祝もものき事務所」「天使たちの課外活動」「トゥルークの海賊」「海賊と女王の航宙記」シリーズ(以上、中央公論新社刊)、「レディ・ガンナー」シリーズ(角川文庫)がある。

「2023年 『天使たちの課外活動10』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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