魔城の乙女 - グウィノール年代記3 (C・NovelsFantasia し 3-4 グウィノール年代記 3)
- 中央公論新社 (2012年11月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784125011967
作品紹介・あらすじ
父を殺し、兄たちを幽閉し、国を簒奪した伯母オルウィナとの対決を誓い、帰国したトリナ姫と侍女メル。故国では"呪肉"狩りが激化していた。恐怖支配から民を解放するため、トリナ一行はある作戦を実行に移す。一方、妖姫ダルシベラもまた愛する夫を永らえる術を求め、隣国からブリュニエを連れて帰還していた。期せずして4人の乙女がシャナキャスケル城に集結、いよいよ決戦の刻が迫るのだった。ヒロイニック・ファンタジー完結。
感想・レビュー・書評
-
グウィノール年代記、ひとまずの完結編。絶望的な状況からよくぞここまで四方丸く収まってハッピーエンドになった。ルシアスの正体がまさかのビックリだったけど、本当に大団円で良かった良かった。まだ彼らの話が読みたいなあ。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ダルシベラ様が素敵。
表紙を見たときは「この美形剣士は誰かしら?アラストリナ様?ウソっ?かっこいい!!」と思ってたのに、そんな凛々しいトリナ様を剣術で圧倒するとは!!あの美しさは身体も鍛えてものなのですね!
正直「グウィノール戦記』自体は「それなりに面白かった」レベルなんだけど、ダルシベラ様の存在感が素晴らしい。ブリュニエも良い。っていうかシュピール様も入れたカセンドン三人組の方が、アラストリナ一行よりも魅力的。
アラストリナ一行は皆がアラストリナに協力する理由がよくわからない。書いてあったのかもしれないけど、思い出せないくらい印象が薄い。ルシアスにいたっては存在自体忘れてた。前巻から間が空いたっていうのもあるとは思うけれど。
もちろん行き掛かり上・たまたま一緒にいるだけの人が活躍するのも面白い。ガウアーはその点よくやった。でもそういうのが何人もいると白ける。
それから仲間が増えることで相対的にアラストリナの描写が減って、その魅力が伝わりにくくなる。
カセンドン三人組はとにかくダルシベラ様の魅力が凄まじい。
ブリュニエがダルシベラ様に魅かれてもいるのがよくわかる。吊り橋効果とかストックホルム症候群とか、そういう不健全なものではあるけれど、それを除いてもダルシベラ様の美しさと残酷さと無垢さには魅かれる。
ダルシベラ様の魅力とシュピール・ブリュニエ兄妹が置かれた環境が相まって、この三人が運命共同体というか一蓮托生の身になるのがとても納得できる。
個人的に、C・NOVELSファンタジアには「巻数に対して登場人物が多過ぎる」と感じるのが多い。脇役にページ数割いて肝心の主要人物が薄かったり、ポッと出のキャラなのにとてもよい働きをしたせいで「この人がどうなったのかも書いて」と思ったり。前者はもっとキャラを削って、後者はもっと話の量を増やしてほしい。
それから主に3巻完結ものに、設定はやたら壮大なのにやることや行動範囲が小さかったり単純だったりするのも多い。国や世界を救う話を3巻分でされても全く話に没入できない。ファンタジー=スケールが大きいじゃないんだからスケールより「魔法」や「架空の動物」「夢」みたいなファンタジーの要素を活かすことにこだわった作品が読みたい。
キャラを中心にして書くんじゃなくて、歴史を主役にして書くなら3巻分で壮大もいいと思うけど。 -
女の子達がみなかわいい。
メルとトリナの主従は鉄板だけど、まさかベラとブリュニエがここまでの関係を築くとは…ブリュニエが自分を卑下するしかない惨めな娘だったのに、ベラを畏れ、付き従い、寄り添い、思いやると変化する様子が、(ベラがそれを理解してないとしても)彼女の複雑な心境を描いていて切なかったです。
個人的にはガウアーとメルのラヴいところはウブすぎてどうしたら。というかトリナがかっこ良すぎてメルがこの先ガウアーに物足りなくなったらどうしよう(笑)
トリナはルシアスがお似合いなポジションに収まって満足。
民衆を啓蒙する方法もクスリと笑えて、楽しい完結でした。
しかし《呪肉》の謎が解けたわけではないので、これは次世代ネタもありだな…別の形のじゃじゃ馬姫… -
冒頭に伏線投げておいて、回収されずに終わってしまったのが残念。もう1巻くらいでまとめたほうがすっきりするんじゃないかと…
-
確かにヒロイニックファンタジーでした。