日中歴史認識: 「田中上奏文」をめぐる相剋1927-2010

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  • 東京大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130230599

作品紹介・あらすじ

日本版『我が闘争』として知られ、時代の荒波に翻弄された怪文書「田中上奏文」。いったい誰が作成したのか?なぜ世界中に伝播したのか?日・中・台・米・ソの思惑は?熾烈な情報戦の結末は?真相解明を通じて永年の論争に終止符を打ち、和解の糸口を紡ぎ出す。

感想・レビュー・書評

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  • 日中歴史認識問題の起源を所謂田中上奏文に求め、それが書かれたとされる時期から、現在まで、田中上奏文がどのように用いられたか辿る本。
    田中上奏文は世界征服をする過程で、中国を抑える必要性を説いた内容であり、田中義一が天皇に上奏するために書かれた文であるとされている。しかし、上奏文の形式が整っていないことに加え、上奏文自体に事実誤認があることから、偽書とされている。しかし、それでも田中上奏文の内容通りに日中戦争に突入したことから、当時から現在に至るまで様々な場面で引用されてきている。この点が筆者の研究の動機らしい。
    主張は、メディアや情報戦によるところで、この文章が本物だと信じられていることから、宣伝や情報戦の重要性が述べられているが、まさにその通りだと思った。

  • 2010.04.04 朝日新聞に紹介されました。

  • 20100404朝日新聞書評

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著者プロフィール

中央大学総合政策学部教授
1968年生まれ 神戸大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学 博士(政治学)
〔主要業績〕
『増補版 幣原喜重郎──外交と民主主義』(吉田書店、2017年)、『外交を記録し、公開する――なぜ公文書管理が重要なのか』(東京大学出版会、2020年)、Eisaku Sato, Japanese Prime Minister, 1964-72: Okinawa, Foreign Relations, Domestic Politics and the Nobel Prize (translated by Graham B. Leonard, London: Routledge, 2020)

「2020年 『外交回想録 竹下外交・ペルー日本大使公邸占拠事件・朝鮮半島問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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