草の根のファシズム―日本民衆の戦争体験 (新しい世界史)

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著者 : 吉見義明
  • 東京大学出版会 (1987年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130250719

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草の根のファシズム―日本民衆の戦争体験 (新しい世界史)の感想・レビュー・書評

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  • "普通の民衆”がどのように感じ、考え、戦中・戦後を生きたのか、個々の戦争体験記録から一人一人の事例がとりあげられている。

    様々なケースがあって、それぞれの状況にも感じるところは多々あるが、戦後40年時点で戦争に対しての自己検証が行われているとは言いがたいという。
    今、戦後70年で更につきつめて考えて行くべきことが示されているようにも思う。

  •  先日読み終えた、古川隆久『戦時下の日本映画』との差異が重要ではないか。古川は、軍需工場が集中した各地域の都市で映画館が大幅に増えたことに注目、日中戦争期の工場労働者の収入と社会的な地位向上について指摘している。それに比べて、吉見が農村の調査や当時の生活を誌した日記から取り出してくるのは、矛盾にさらされ、物価上昇の中でより困窮していく、「節約」しようにもできない人々の姿。ここでも「経済成長」はいびつな歪みを伴ってあらわれていて、その経験があるから、戦時末期・敗戦直後の「疎開と買い出し」をめぐって、農村住民からの〈反撃〉がなされたのだろう。

     また、本書の議論で興味深いことは、一般兵士(下士官兵)の従軍体験記の記述を、著者とその戦記執筆者との手紙のやりとりで補いながら、元兵士の加害意識・反省意識と現地住民たちとの交際のありようとの間に、相関性を見出している点である。中国、インドネシア、フィリピン、ビルマなどの各地で日本軍兵士は、土地の住民たちとかかわったが、そのかかわりかたは決して均質ではありえなかった。どんな立場で、どんな人々と、どんな局面で交際やつながりを持ったのか。そのことが、自己の戦争体験を捉える視点を形づくっていくのだ。

  • ネトウヨに読ませたい。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/413025071X
    ── 吉見 義明《草の根のファシズム ~ 日本民衆の戦争体験 (新しい世界史) 198707‥ 東京大学出版会》
    http://homepage.mac.com/hasse_54/showa/kokumin.html
     
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19680220
     俗物図鑑 ~ 朝鮮人の典型 ~
      

  • 日本の帝国主義は政治的な分野からの研究は数多くなされているように思うが、一般庶民の立場から見た戦争の研究はほとんどなされていないのではないだろうか。
    本書は評者が大学時代に歴史学のテキストブックとして指定された本である。講義内容には多くは触れられていなかったが、いま読み返してみると非常に感慨深いものがある。
    虐殺や略奪、徴発行為を何とも思わなかったり、やむをえない行為であるとしたファシズム意識が見て取れる。
    また、一般的には対中国の内容が多いが、アイヌの人はもとより当時、日本領であった南樺太の人々に対する扱いにも目をそむけたくなる内容が書かれている。

    評者は「あなたは右派か左派か?」と尋ねられると間違いなく「右派です」と答えるだろう。
    しかし、戦後、日本は確かにサンフランシスコ平和条約などを経て民主主義社会を確立していったが、戦争に対する総括はできていないのではないか。
    お金持ちになっただけで本当のアジアの一員になるべく自らの国家が行った自己検証を今こそ行うべきではなかろうか、本書はそのように問われているのではないかと思う。

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草の根のファシズム―日本民衆の戦争体験 (新しい世界史)の作品紹介

310万の日本人が死に、その何倍ものアジアの民衆に犠牲を強いた…、敗戦後42年目の夏、いま多くの日本人が、自らの体験をとおして語りかける。あの戦争は、わたしたちにとって、一体、何だったのか、と。

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