東アジアの王権と思想

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  • 東京大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130301138

作品紹介・あらすじ

「御威光」を演出する知。儒学が体制教学であった中国・朝鮮との近似と相違を探りながら、近世から近代へと転回する政治体制の思想を剔抉する。

感想・レビュー・書評

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  • 徳川政権を250年間維持させた「体制イデオロギー」とは何であったのか。
    この近世思想史にとって永遠の問いに、渡辺氏は「御威光」と応える。もともと徳川の支配とは、暴力によって創始されたものであり、将軍の権力や威信は、本来戦国闘争の覇者としてのそれである。その武装集団徳川氏の畏怖すべき実力のイメージ、それが「御威光」である。そしてそれを維持し続けたのは、身分格式を印象づける象徴的事物(席順や奉納品等)と儀礼・儀式・祭典等の象徴的行為(参勤交代、お目見え等)であった。無数の儀礼と象徴に支えられて途方もない高みに在った将軍は、支配組織全体を畏怖すべき輝きで包む「御威光」の窮極の光源であり、その支配秩序とは即ち威光の秩序だったのである。

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著者プロフィール

渡辺 浩(わたなべ・ひろし):1946年、横浜生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学法学部教授、法政大学法学部教授を歴任。現在、東京大学名誉教授、法政大学名誉教授、日本学士院会員。専門は日本政治思想史。著書『近世日本社会と宋学』(東京大学出版会、1985年、増補新装版2010年)、『東アジアの王権と思想』(東京大学出版会、1997年、増補新装版2016年)、『日本政治思想史 十七~十九世紀』(東京大学出版会、2010年)、『明治革命・性・文明――政治思想史の冒険』(東京大学出版会、2021年)など。

「2024年 『日本思想史と現在』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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