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- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784130301138
作品紹介・あらすじ
「御威光」を演出する知。儒学が体制教学であった中国・朝鮮との近似と相違を探りながら、近世から近代へと転回する政治体制の思想を剔抉する。
感想・レビュー・書評
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徳川政権を250年間維持させた「体制イデオロギー」とは何であったのか。
この近世思想史にとって永遠の問いに、渡辺氏は「御威光」と応える。もともと徳川の支配とは、暴力によって創始されたものであり、将軍の権力や威信は、本来戦国闘争の覇者としてのそれである。その武装集団徳川氏の畏怖すべき実力のイメージ、それが「御威光」である。そしてそれを維持し続けたのは、身分格式を印象づける象徴的事物(席順や奉納品等)と儀礼・儀式・祭典等の象徴的行為(参勤交代、お目見え等)であった。無数の儀礼と象徴に支えられて途方もない高みに在った将軍は、支配組織全体を畏怖すべき輝きで包む「御威光」の窮極の光源であり、その支配秩序とは即ち威光の秩序だったのである。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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