- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784130321099
作品紹介・あらすじ
この本の対象は、われわれの住む近代世界システムの全体である。全体とは、部分部分の単純なる和以上の何ものかである。この本では、そのような全体としての近代世界システムについて考察していきたい。それぞれの国家とか、各地域とかを、ただ足しあわせた以上のものとしての近代世界システムについて考察したいのである。
感想・レビュー・書評
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[評価]
★★★★★ 星5つ
[感想]
1989年に発行された本なのでソ連が現役だったりするけど、西洋史に関する書籍を読んでいるとたびたび登場する世界システム論を詳しく知れてよかった。
シリーズの目的がそれまでの研究を体系化するというだけあり、わかりやすかった。
この本だけで世界システム論の全てを理解できたとは思わないが、今までみたいに本を読んでいて、悩む必要は無くなったと思う。
世界システムが中心、準周辺、周辺の3つの要素で構成され、政治的、経済的に世界を統合する世界帝国などが理解できたと思う。
さらには力の分布を単極、双極、多極と定義し、経済や戦争、平和に関連しているというのも面白かった。発行当時は冷戦中だから双極だったんだろうけど、ソ連が崩壊し、アメリカによる単極となり、EUや中国の台頭で多極になりつつあるということかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
古典的パワーポリティクスは、形を変えて米ソ間に超大国ゲームと呼べる方で残った。ソ連は自らの勢力圏から産業資本主義のゲームを消滅させそれが外部から侵入することを防止しようとした。アメリカは超大国ゲームのプレーヤーーであるとともに、産業資本主義の世界大の管理者としての役割も果たした。