大学改革: 秩序の崩壊と再編

著者 :
  • 東京大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130530774

作品紹介・あらすじ

国立大学の法人化,法科大学院の開設,21世紀COEと矢継ぎ早の改革の渦中にあって,危機を乗り越え,新しい大学像を創造するために何が必要か.
生き残りをかけた競争や再編統合,規制緩和や市場原理,水準維持と評価など,大学改革をめぐる諸問題の布置を明らかにする.

感想・レビュー・書評

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  • 少し古いが、国立大学法人化、専門職大学院以降の問題として提起されていることの多くが現実になっている。

  • 大学改革について、「高等教育」「国立大学のゆくえ」「評価システムの導入」「専門職大学院の衝撃」「教育改革の今」などと体系的に説明している。大学改革が教育改革の視点よりも、行政改革として主に論じられていることに著者の危機感を感じます。確かに日本の今後を決める重要な改革が、いつのまにか、行政主体で進められていることは、今回いろいろな本を読んでみて初めて感じたことでした。

  • とても読みやすい。近年、大学に関する様々な改革が行われているが、それについてわかりやすく解説もされていて、それに対する予測もある。大学改革に興味があるなら一読するとイイかも。

  • 著者も最初に断っているが、講演や論文を集録したものなので、内容がかなり重なっているところがある。が、読みやすい文体で早く目を通すことができた。

    書かれた時点での問題分析と将来予測が主となるため、受ける印象として、今となっては若干古いなと思わなくもないが、今後も留意すべきことと感じたことは以下のとおり。

    ・長い間専修学校・短大・大学の間で棲み分けできていたが、短大が大学や専修学校に奪われるようになった。大学は専修学校と競争するようになる。→最近話題になっている新学校種(専門大学)も無視できなくなるだろう。
    ・教養教育に必要なスタッフはコストがかかる。小規模大が、他大学と連携して単位互換等をはじめ合同で何かをすることが強まる。例:京都のコンソーシアム
    ・知的能力が正規分布しているとすれば、18歳人口が205万人だった頃の3000人と、150万人とのきのそれでは、学力が同じではあり得ない。適応教育・補習教育・が重要。
    ・研究補助者の多い大学ほど研究成果が高いと言う調査結果もある。(具体的には調査名称は書かれていない)
    ・専門職大学院に、医療系・技術系の職業群があげられていない。
    ・大学改革のグローバリゼーションはアメリカナイゼーション、アメリカ化。中国の大学も経営体化した大学が多くなっている。

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著者プロフィール

1936年神奈川県生まれ。一橋大学経済学部・東京大学教育学部卒業。東京大学
大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。名古屋大学教育学部助教授、東京
大学教育学部教授、国立大学財務・経営センター研究部教授などを歴任。
東京大学名誉教授、教育学博士。
著 書 『試験の社会史』(東京大学出版会、1983年、サントリー学芸賞受賞;
     増補版、平凡社ライブラリー、2007年)
    『高等教育の日本的構造』(玉川大学出版部、1986年)
    『学歴の社会史』(新潮選書、1992年、平凡社ライブラリー、2005年)
    『日本の教育システム』(東京大学出版会、1996年)
    『日本の高等教育システム』(東京大学出版会、2003年)
    『教育と選抜の社会史』(ちくま学芸文庫、2006年)
    『大学の誕生』(上下、中公新書、2009年)
    『高等教育の時代』(上下、中公叢書、2013年)
    『新制大学の誕生』(上下、名古屋大学出版会、2016年)
    『帝国大学』(中公新書、2017年)他多数

「2019年 『新制大学の時代 日本的高等教育像の模索』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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