現象学入門 (NHKブックス)

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著者 : 竹田青嗣
  • NHK出版 (1989年6月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140015766

現象学入門 (NHKブックス)の感想・レビュー・書評

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  • 2017.5.6
     現象学の格好の入門書。竹田青嗣さんの現象学理解は俗説であるというような批判がある、という説明をよく聞くんだけど、一体どこでそれが言われているのか、その俗説批判の出所をみたことがない。
     意識経験という場に立ち返ることで、そこから一切の意味や価値、存在認識がいかに構成されていくかを問うのが現象学であるが、彼はそれを「確信成立の条件を問う」学問だという。これは、「意識経験という場に立ち返ることで、そこから一切の意味や価値、存在認識がいかに構成されていくかを問う」という現象学の説明そのものを、現象学的還元を通して、その意味を再構築して出てきた言葉かもしれない。そしてその説明に私は納得している。
     正直入門書と言っているのに難しいし、現象学について入門的に語っている本は他にも木田さんとか谷さんとかある。比較検討した上で、私なりの「現象学」の定義をしっかり作っておきたいと思う。

  • フッサールの現象学を独自の仕方で受け継いだ欲望論の立場を標榜する著者が、みずからのフッサール解釈に基づいてその思想をわかりやすく説明している本です。

    現象学はしばしば独我論だという批判を受けてきました。これに対して著者は、フッサールの立場は「方法的独我論」というべきものであり、批判は当たらないと主張します。フッサールは、主観が自分の外に出て客観的な現実との「一致」に到達できるという考えをしりぞけ、主観の中で「これが現実であることは疑いえない」という確信がもたらされる条件を突き止めることをめざしたのだというのが著者の解釈です。

    この課題に向けてフッサールは、「現象学的還元」という手続きを踏んで、いっさいの認識の源泉となる「知覚直観」と「本質直観」を見出ことになりました。これは、知覚や本質といった「元素」からわれわれの認識が構成されているということではありません。そうではなく、知覚や本質が、主観にとって自由にできないものとして現われ、さまざまな現実を経験するわれわれの確信の基底をかたちづくっているというのが、著者の理解する現象学の方法です。

    また、生活世界の現象学についての解説では、フッサール現象学からから著者自身のエロス論へと通じる道が説明されています。中期のフッサールは、さまざまな確信を成立させている意識の構造の解明をめざしていました。これに対して生活世界の現象学のプロジェクトでは、人間の具体的な生がさまざまな意味の統一として生きられていることの本質を取り出すことがめざされます。

    さらに著者は、われわれの実践的な関心に応じた意味や価値の秩序を形成しているという発想がハイデガーによって展開されることになったと述べるとともに、そこから著者自身の提唱する欲望論の立場へと読者を誘います。

  • 現象学なんて触れる予定も無かったのだが、導入部が面白かったので最後まで読んだ。重要であろう部分を何度も噛み砕きつつ解説されていたのでド初心者の私でも少しだけ掴めたような気になれた。レビューを見ると賛否両論分かれているみたいだ。更に興味が湧いた。興味程度の知識欲から手に取った一冊だったが、思ったより考え方に影響を受けそう。もう少し理解を深めたい。

  • 読み直したさ:★★☆
    契約解釈の間主観とかいうことをどこかで聞いた気がするが、この本を読み終わった今思うに、これは概念の誤解である。
    〈感想〉
    現象学の髄が分かった(気がする)。丁寧に書かれているので、じっくり読めば、分からないということはない。
    これからフッサールの著作を幾つか読みたい。

  • フッサール現象学の詳細とハイデガー存在論までの一連の流れの概略を、現象学批判やサルトル、ポンティの現象学に見られた違いを取り上げ反論を示しながら明解にまとめた良書。

  • 今まで余り馴染みのなかったフッサールの現象学を、この手のジャンルとして非常に分かりやすく説く。
    デカルト、カント、ヘーゲルの近代哲学の流れを追った後、それらでは解明できなかった主客一致の問題を還元という手法を元に、一貫した論理で明らかにする手法には感銘を受けた。
    通俗的批判への回答と、ハイデガーの存在論への展開も示されており納得できるものであった。
    著者の解釈が多分に入っているが、原書を読む程の余裕と知識がないものにとってはありかと。

  • 分かりやすい。といっても、努力を要する箇所は多い。読む方の姿勢に応じて理解も深まる。ただ、著者の主張が強め。

  • 私は、この本で自分の人生観が変わりました。私の場合、高校時代から悩んでいたことがこの本に出会うことによって、見事に解決したのです。私にとっては、キリスト教徒にとっての聖書、イスラム教徒にとってのコーランみたいなものです。

    したがって、私にとって、人生の最高の本は何かと問われれば、躊躇なくこの本を上げます。もう何回も読みました。

    特にこの世に正解を求めざるをえないことに苦しさを感じている人に、つまり因果律で生きる事に息苦しさを感じている人にお薦めします。

    人によっては、これに苦しんでフィクションに流れる人もいますが、私の場合は、竹田さんの思想で見事に救われました。

    竹田さんの現象学は、フッサールの現象学ではないという人も数多くいますが、私にとってはどうでもいいこと。私は、学者ではないですから。哲学するということがどういうことか?その事によって、自分の世界観がどのように変わったのか?それは革命的変わり方でした。

    ぜひお薦めします。

  • 哲学の役割が、世界に問いを投げかけてそれを定義してゆく、というものであるとすれば、現象学は一歩手前でその方法を考察した学だ。だからこれはあらゆる場面に活用できる。
    ①まず「客観的」という考えをやめてみる。②「主観」が自ずから持っている知識・経験というものを一旦追い出す。③自分も世界も常に変化し続けており、同じ一瞬というのは二度とないことを意識してみる。
    とりあえずはこれだけでいいと思う。この姿勢であらゆる事物や他者に向き合ってみよう。そして自分に問いかける。「このものたちは自分にとってなぜこのように存在しているのだろう?」
    現象学が導いてくれるのはここまでだ。答えは自分で探してゆくんだ。生涯をかけて。

  • 学部時代まったくわけがわからなかったフッサールも、今読むと少しだけわかりやすくなっている。

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現象学入門 (NHKブックス)の作品紹介

この目で見た世界と実存する世界は同じものなのか?近代哲学がついに超えられなかった難問を、"世界が造られる場"として意識を捉え直すという発想の転換でかわしたフッサールの考え方の芯を、できるだけ平明な言葉でわかりやすく紹介。

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