育児の国際比較: 子どもと社会と親たち (NHKブックス 808)

制作 : 恒吉 僚子  S.ブーコック 
  • NHK出版
3.43
  • (0)
  • (3)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 34
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140018088

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 育児の指南について、日本、アメリカ、イギリス、フランス、中国の5ヵ国に渡って育児書を検討し、各国での比較をまとめた本です。
    大まかには、欧米では『厳しい子育て』から『日本的な寛容な子育て』に変遷しているとなっています。
    しかし日本礼賛かといえばそうではなく、例えば『添い寝』については一緒に寝るのは夫婦の夜の生活等もあり否定的である。
    各国での文化や習慣に加え、社会変動や経済情勢や国際化の流れにより、『科学的に検証された』はずの育児書が、その国の置かれている状況により二転三転していていると指摘、それが良いか悪いかは別として、その差異が興味深く面白い内容でした。
    一時代前では子育ては母親がすべてその責任を追ってなされるものと思われていたが、ジェンダー問題や離婚の増加に伴うシングルペアレントの一般化が、それまでの習慣を否定していく様はなかなか時代の移り変わりを反映していて含蓄ありました。
    子育ては、各国固有のものから全般的に統一されたものになっているようです。それでも、シングルペアレント、低所得者の子育て、公的機関の援助・助成、父親の子育て指南、祖父母の教育、幼児期からの早急教育等、今までの『ひと括りした子育て方法』では限界にきている…。
    多様化しすぎている現状に、これからますます子育ての方法が左右されるだろう、と。 育児に限らず、先進諸国は未来のデザインに詰まっている感じがする。それは描き方によって明るくも暗くもできるが、曙光も暗雲もありすぎて描き手の筆が止まっている…。
    いったい日本は、もとい世界はどこに向かってるんでしょうね(笑)

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×