- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140018668
作品紹介・あらすじ
エマニュエル・レヴィナス-アウシュヴィッツという「異常な状況」を経験した現代人の運命と向き合い、他者や責任についての独自の思考を紡ぎ出した、フランス現代思想の巨匠。「世紀の証人」とも称される彼の思想の中枢を入門的に紹介しながら、フッサール、ハイデガー、サルトルら他の思想家との比較を通して、レヴィナスについての種々の通説を大胆に覆すとともに、慢性的な疲労やストレスに覆われた、私たちの「異常な日常」の諸相のなかに、レヴィナスの言葉を捲き込みつつ、この時代を、この日々を生きるための新たな倫理を探っていく画期的試み。
感想・レビュー・書評
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読み終わった、としていいのか迷うところだが、一通り最後までページをめくったということで、記録する。
レヴィナスについて知りたくて、一番最初に手にした本だ。
それにしても、レヴィナスが難しいのか、この本が難しいのか…今の段階では何とも判断がつかない。
レヴィナスの生涯をたどりながら、主著とその中での主要概念を解説してある。
そこは専門家なので、先行する思想家や後続の思想家からの影響関係についても目配りされている。
レヴィナスといえば他者論。
第三章がそれを扱う部分かと思ったが、まだすっきりわかったとは思えないのが残念。
レヴィナスの他者論のキーワードとしてある「顔」。
これがラカンの胸像段階と関連が深いものであることがわかっただけでも、ちょっとすっきりした。
第四章「家政術と商人術」は、他者論を経て、所有、贈与、正義という社会的な広がりを持つ部分が紹介される。
倫理と言語には不可分のつながりがあると考えていたそうだ。
ウィトゲンシュタインをどの程度読んでいたかわからないが、言語ゲーム論(『言語哲学論考』)も意識していた可能性があると筆者は示唆している。
この辺りをもう少し自分でも調べながら読んでいくことにしたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
レヴィナスの思想について、多様な文献に触れながら論じた書。
レヴィナスを具体的にどのようなコンテクストの中でとらえればよいのかについての示唆に富んでおり、とてもおもしろく読める。
また、レヴィナスの翻訳に多く携わっている著者の作品なので、邦訳とつき合わせて読む楽しみも味わえる。 -
¥105
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むつかしい。
わかるわからないは別として、レヴィナスはもっとお手軽に読めるものなはずなのに。「入門」書と銘打ってないからいいか。