- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140018934
作品紹介・あらすじ
「ムカツク、キレる」が横行する現代日本。生きる構えを見失った日本人の姿から、日本の20世紀を、身体をなおざりにした100年と総括する。身体文化の中心軸としての腰・ハラ文化に着目し、行動プログラムとしての「型」と身体の精妙な動作規範としての「技」の再生を提唱する。失われつつある身体感覚をいかに取り戻し、21世紀の身体はどうあるべきかを論じる。教育学の俊英による注目の書。
感想・レビュー・書評
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餅つきのときに「腰が入っていない」と言われたけれど、実際の感覚知としてわかってないんだな~とこの本を読んで思いました。特に、「腰」はまだしも「ハラ」を使った表現についてはそれがどういうことを意味するのかわからないから言葉としても使えてない。かつて普通に誰もが持っていた感覚を、自分は持てていないんだなと。そして印象的だったのは、相手が警戒していてもかかってしまうほどに磨かれているレベルが得意技、という部分でした。そこに至るまでの努力もそうだし、何かひとつそういうものを持てていると、やっぱり自分の自信になるしまずはそこ目指してもいいかなと思った一冊でした。
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齋藤孝の説明能力の高さ、確固たるロジックと引用文献のセンスのよさが際立っていて、「ははァーッ」と頭を下げたくなったほど。しかも学者の余技かと思いきや、大学時代から息(呼吸)をテーマに研究を積み重ねてきたとのこと。つまり、「身体性のプロ」なのだ。私が20代であったら迷うことなく書き写していたことだろう。それほどの傑作である。
https://sessendo.hatenablog.jp/entry/2024/04/08/171549 -
江戸時代の人たちが、腰・ハラ文化にあることが本著の写真をもって説得してくれる。
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松本典子先生 おすすめ
12【専門】361.5-S
★ブックリストのコメント
体の中心となる腰、ハラに視点を置いて身体感覚に気づかせ、行動のしかたを考えさせてくれます。教育や保育にもつながっていくものです。 -
身体感覚=姿勢=日本人の能力
野口体操の起源 -
日本の伝統のなかに受け継がれてきた身体の作法が、現代において忘却されつつあることに目を向け、とくに「腰肚文化」と「息の文化」の復権をとなえるとともに、著者自身がおこなっている実践的な試みについても触れられている本です。
身体論という分野においては、古くは市川浩や中村雄二郎、近年では鷲田清一や内田樹といった哲学者、思想家たちが考察を展開していますが、著者の身体論は竹内敏晴や野口晴哉らの実践的な試みを継承するような視角から展開されており、実感に裏打ちされた説得力が感じられます。本書でも、著者自身の体験のほか、さまざまなスポーツ選手のエピソードを引きながら、身体感覚の重要性をていねいに考察していて、おもしろく読むことができました。 -
身体感覚を取り戻す 腰・ハラ文化の再生 (NHKブックス)
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日本人が元来持っていた腰・肚文化。
姿勢が人間の精神をも形作る。
歩きながら考えることと座って考えることは違う。赤ん坊は何もかも面倒を見てやるのではなく、困ったことがあったときおんぶしてやれば自分から降りてまた外の世界へ立ち向かっていく。 -
身体の不調が続いていたので、再び齋藤孝さんの本を手に取った。日本人の身体の使い方や表現方法など目から鱗な事実ばかり。この本をキーブックに読書を続けていくことを肚に決めた。
【いちぶん】
「腰が据わっている」や「肚ができている」や「地に足がついている」といった感覚を自分の身において実感できている者はどれだけいるだろうか。 -
腰・肚を据える、反復練習といった言葉が出るとすぐにブラック〇〇を想起してしまう世の中は底が浅いのかも。
人の熟成期間なんて、ムダにしか思われていないフシがあるような。