論理学入門 推論のセンスとテクニックのために (NHKブックス)

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著者 : 三浦俊彦
  • NHK出版 (2000年9月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140018958

論理学入門 推論のセンスとテクニックのために (NHKブックス)の感想・レビュー・書評

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  • 論理学初心者にとっては、入門書と思って読むと、時に難解さに打ちのめされる。後半展開される「人間原理」の概念には、驚嘆の一言。呼んでよかった、と思わせる久々の書である。

  •  本書は、第?章で記号論理学の基礎を学び、その応用として第?章で、現代科学の基礎的な方法論である『人間原理』を論理学的観点から解説・検討するという構成になっている。<br>
    <br>
     「論理学入門」という書名とは裏腹に、本書の重点は第?章の『人間原理』の論理学的な解説にこそある。第?章もそのために必要な事柄を中心に構成されているので、一般的な論理学の入門書とは切り口の異なる部分が多々ある。特に、『人間原理』の依拠しているいわゆる語用論的背理法の詳細な解説は、類書にない特色として本書の価値を高めている。 <br>
     しかし、斬新な切り口や類書にない事項の詳細な解説は、入門書が対象とする読者層であるはずの「論理学に触れたことのない人」にとって、必ずしも有益ではないかもしれない。全体の分量に対して詰め込まれた情報が多すぎ、初学者はそれらをうまく処理できずに挫折しかねないのだ。<br>
     本書はむしろ、論理学の基礎を学んだ者が、知識を新たな観点から整理したり、実際の問題に応用するための入門書として位置づける方が適切だと思われる。著者が前書きで述べるように、「応用論理学入門」という書名の方が実態に即しているのではないだろうか。
    <br><br>
     第?章の応用部分である第?章では、現代科学の基礎的な方法論である『人間原理』についてたいへん興味深い議論がなされている。本来の『人間原理』は、人間中心主義――観察者としての人間がいる か ら こ そ 宇宙がある――という含みを持った通俗的な理解とは異なり、「人間を他の物理現象と同列に扱う徹底的にコペルニクス的な宇宙原理の一例」だというのである。実際に提唱者の論証過程が紹介され、『人間原理』の論理構造が語用論的背理法であることが示される一方で、通俗的な理解が単純な論理的誤謬に基づいていることを指摘されれば、筆者の主張の正当性を認めないわけにはいかない。通俗的な理解が破壊される過程は、知的興奮に満ちている。 <br><br>

     筆者は『人間原理』の他、「なぜ人を殺してはいけないのか」「人類文明の寿命はどのくらいか」「いわゆる『意識の超難問』」といった問題に論理学的観点から答えようと試みている。230頁程度の分量に詰め込むには多すぎる情報量だが、きちんと消化できれば1000円支払う価値は十分にある。一通り論理学を学んだ人や、上記の諸問題に興味がある人にはオススメ。

  • 何度読み返しても興奮する。

    第Ⅱ章のロジックはなかなか目にすることはない。
    人間原理「ここは人間がいることを許す世界である」
    と平凡の原理「私は平凡である」を足すと
    一般人間原理「ここは人間がいることを許す世界のなかで平凡である」になる。

    ここから、地球外に知的生命体はいそうにないとか、宇宙植民による人類の繁栄はなさそうだとか、
    多宇宙仮説の確からしさを宇宙の秩序から推定するとかスケールの大きい話が導かれる。
    論理と確率論すごい。

    自意識過剰な人は平凡の原理を学ぶべし。

  • 言語の理論的な問題だったので、前半はまったく興味が湧かず。

    後半の、クイズ的な問題1問だけが、おもしろかった。
    「記憶もなくし、自分の外見もわからず、ただ、各国の人口や風土などの知識はあります。あなたが密室に閉じ込められ、テロリストに、「どこの国のものか言わなければ殺す」と言われた場合、何と答えたらいいでしょう?」

    答え:中国人
    または、インド人あたりでも。人口構成比の問題で、一番、確率が高いから。

  • [ 内容 ]
    「なぜ、人を殺してはいけないの?」「地球外知的生命は実在するだろうか?」―論理的に考えると、どのような回答がもたらされるか。
    演繹、帰納、背理法など、推論のテクニックを豊富な例題とともに紹介しながら、現代論理学の基礎をわかりやすく解説。
    明晰な思考のためのトレーニングであるのみならず、宇宙物理学などの科学と論理学の接点をも探る、知的興奮に誘う一冊。

    [ 目次 ]
    1 記号論理学の基礎―ゲームの規則(論理学的思考へ―意味論と語用論;真と偽―命題の特性を探る;トートロジー―偽となりえない命題;「ならば」の論理―条件文の構造 ほか)
    2 人間原理の論理学―論理における「私」の位置(「10の40乗」というミステリー―巨大数仮説と観測選択効果;反コペルニクス主義?―人間原理と宇宙原理;宇宙は人間を必要としていたか?―目的因という錯覚;因果と認識―「証拠」は「原因」ではない ほか)

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    [ おすすめ度 ]

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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 「二値論理でやりゃ推論はカンタンに答えが出るじゃん」というのが書名に対する一応の解答でしょうか――まあ確かに。入門書だから、それでもいいんですかね。
    第2部・人間原理批判の部は「論理学をつかった読み物」として楽しんでこそ、よい読者。読み物なので第2部のほうが感想は言いやすいです。
    第1部はコンパクトにまとまっていて、一般論理学へのいざないとしてご利用いただくのに適量かと思います。

  • 面白い!でも難しい…特に後半。永井均の反論としてこれは有意義なのかなぁ…?検討が必要かと。
    『可能世界の哲学』でもそうだったけれど、ブックガイドが地味に優れていると思う。

  • 独我論への批判を形式的におこなったことで有名な一冊。「なぜ人を殺してはいけないのか」という問いに論理学から答える挑戦的なトピックまで!

  • 一言で言えば、難しいです。<BR>
    ただし、読むだけの価値はあります。人間の頭は凄いです。論理記号でどんな事も考えられるのです。自然科学から枝分かれした西洋学問。読んでいると、「やっぱり昔はみんな一つの学問だった」と思えてきます。論理って本当に凄い創造物です。なんか数学が楽しくなってきた!!!<BR>
    これは本当に凄い本だぉ☆ただし難しい。俺がすべてを理解できたら★★★★★にする。

  • 後半が読ませる。

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論理学入門 推論のセンスとテクニックのために (NHKブックス)の作品紹介

「なぜ、人を殺してはいけないの?」「地球外知的生命は実在するだろうか?」-論理的に考えると、どのような回答がもたらされるか。演繹、帰納、背理法など、推論のテクニックを豊富な例題とともに紹介しながら、現代論理学の基礎をわかりやすく解説。明晰な思考のためのトレーニングであるのみならず、宇宙物理学などの科学と論理学の接点をも探る、知的興奮に誘う一冊。

論理学入門 推論のセンスとテクニックのために (NHKブックス)はこんな本です

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