愛撫・人の心に触れる力 (NHKブックス 959)

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140019597

作品紹介・あらすじ

愛撫は、人と人の絆を深める。では、母親は子どもにどのように触れたらよいのか?恋人や友人に、タッチによって自らの思いを伝えるにはどうしたらよいのか?肌と肌が触れあうことによる驚くべき効果を初めて系統的に明らかにするほか、手かざしによる患部治療法など広義のスキンシップによる癒しの効果も探る。身体行動の影響を研究する「身体心理学」の視点から多様な人間関係における愛撫の意味あいを考えるユニークな試み。

感想・レビュー・書評

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  • 乳児に対する愛撫が生み出す効果にかんする心理学的な研究の成果を紹介し、広く人間関係のなかでおこなわれる愛撫のもつ意味について論じている本です。

    実証的な心理学の研究にもとづいている部分と、臨床の立場から愛撫の具体的な方法について述べている部分が混在しており、後者についてはやや裏付けが乏しいのではないかと疑問をいだいてしまいました。とりわけ、人間関係における愛撫の社会的・文化的な側面については、もうすこし慎重に議論するべきではないかと感じます。

  • 進化を考えれば感情より先に行動があること、手に触れることによって感情の変化が起こることについて(ジェームズ・ランゲ説)のくだりになるほどーと。
    触れるということが賦活するものの多さについてを全体から感じとれる本。

  • 2003年刊行。著者は聖徳大学人文学部講師。

     愛撫や皮膚接触。典型が親子(特に母親と乳児)関係で見られるこの愛撫は、成長や発達のみならず、人間関係を構築する上で、あるいは痛みの軽減などの癒しに繋がるものとしての価値が見出されるようになっている。
     本書は、その愛撫の持つ積極的な意味を解説していく。


     男性から女性へのタッチングは、その人への好悪の情に左右されることや、触り方でも快不快の感情が変わること、愛撫は痛み軽減の効果を持つといった既知事項から、発達段階の愛撫は苛立ちや衝動性の軽減効果がある等、広範囲な事項を検討する。

  • 認知症高齢者にアロママッサージをほどこしたところ、
    症状が軽減して認知機能にも改善がみられたという報告の孫引きがあったけど
    もっと詳しく知りたいです。

  • 「愛撫」を詳しく解説されていて興味深く読みました
    気持ちを伝えるコミュニケーションの手段というより本能に素直に
    触れる触れられるを大切にできたらと思う
    幸せになるために

  • 赤ちゃんに触れることは、人間としての信頼関係をその子に感じてもらうことなのかなー。原始的だけど、深い意味を持つコミュニケーションのカタチ。

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著者プロフィール

山口 創(やまぐち・はじめ)
1967年、静岡県生まれ。早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了。専攻は健康心理学・身体心理学。桜美林大学教授。臨床発達心理士。タッチングの効果やオキシトシンについて研究している。著書に『手の治癒力』『皮膚はいつもあなたを守ってる』(以上、草思社)、『皮膚感覚の不思議』(講談社ブルーバックス)、『子供の「脳」は肌にある』(光文社新書)、『最良の身体を取り戻す』(さくら舎)など多数。

「2022年 『文庫 人は皮膚から癒される』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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