- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140019856
作品紹介・あらすじ
ナポレオンとフランス軍が起した混乱を収拾するために、「会議は踊る」とも称されたウィーン会議で、欧州は新たな秩序を形成したとされる。しかし、新体制は安定せず、欧州はその後相次いで世界大戦を引き起こし、栄華を誇ったハプスブルク帝国は、やがて時代の波の間に消滅していく。この一大帝国の光と翳にワルツは寄り添って奏でられた。もとはヨーロッパの地方の舞踏曲にすぎなかったワルツが、その音楽世界を広げていった過程には、ワルツの天才たちの生きた時代と帝都ウィーンの時代精神が映し出されている。
感想・レビュー・書評
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2016.12.10市立図書館
文化放送ハピリーの「ハピリーくらしっく」で飛馬仁亭彬良(ヒューマニ亭アキラ)によるアキらくご『ワルツ王ヨハンシュトラウスの物語』を聞いた。そのネタ元というか参考書がこの本。もとは一地方のダンス音楽でしかなかったワルツが、ハプスブルクの帝都ウィーンでどのようにして舞踏会から演奏会用楽曲(シンフォニックワルツ)へ、そして劇場音楽(オペレッタ)へと発展したのか。19世紀初頭のウィーンではバイオリン奏者、作曲家かつ指揮者の非凡な才能という三拍子が揃ったうえで内外を演奏旅行して回るタフさが音楽家としての成功に必須、というのは当時はピアノがある場所はごく限られていたからだろうな、などと今の常識とはちがう当時について発見も多い。知ってみると、ワルツ&ポルカづくしでおなじみのウィーンニューイヤーコンサートをきくときの気分もバレエ音楽などでワルツを聞くときの気分も変わりそう。
主にシュトラウス一家の盛衰を読み後半は流し読みしかできなかったけれど、オッフェンバック、スッペ、レハールと続くオペレッタの発展史はあらためて読み直したいところ。今年(2017)のラ・フォル・ジュルネのテーマがダンスだそうなのでその前にでも…