オレンジガール

  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140054390

感想・レビュー・書評

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  •  この作品で魅力的なのはなんといっても「パパ」の世界観だ。かなりの空想癖持ちで架空の物語を作る名人、根っからのロマンチストで夢想家。そんな彼が恋したお相手が「オレンジガール」。彼が「オレンジガール」について様々に考察という名の妄想を膨らませるシーンでは思わずくすりと笑ってしまった。
     世界の輝きをだれよりも愛していた「パパ」にとって、死ぬことは何よりも悲しいことだった。死とはこの素晴らしい世界を、大切な人々を残して永遠に去ることだから。

     11年前に死んでしまった「パパ」からの手紙。「生きるって素晴らしい」そんなメッセージとともに「生きるってどういうこと?」という問いかけをも含んだ物語。

  • 前半は、話の方向性が掴めなかったけど;
    後半の話のために前半の話があるという感じ。
    じれったくもあったけど
    心動かされて、終わり方も前向きで、、
    最後まで読んで良かったと思った。

    印象に残った言葉
    『人が別れを告げるのは
     この世界であり、人生であり、物語なのだ。』

  • この秋、何十年振りかで同期会を行った。
    その時、ORANGEGIRLという謎かけに嵌ってしまった。

    調べてみると、カンボジアでオレンジを売る女性の事を言うらしい。

    他にコミックもあるみたい。

    正確には、ノルウェー語なのでオレンジガールではないが、ソフィーの作家が邦訳でオレンジガールと言う本を書いていることを知った。

    何か
    ライ麦畑でつかまえて
    と言う小説を読んだ頃のノリで読み始めた。

    半分程読んだところで中だるみだ。

    この父親って誇大妄想?夢想家?
    亡くなったのは病気?メンタルな病気で自殺?

    何て事を考えて、少々時間を置きたくなった。

    つまりオレンジガールは君の母さんだよ。

    ってオチなら許せるけど。

    年内は積んどくかな。

    新年の行事を滞り無く終えて、再開した。

    108ページの記載で

    六十八キロメートルを三十分かけて走った。
    平均時速はおよそ時速二十八キロメートルと 
    いうことになる。

    と書いてある。
    ハッブル宇宙望遠鏡は時速二万八千キロメートルで千倍早いとある。

    記述の通りなら蒸気機関車の時速は136キロメートルになる。

    ベルゲン鉄道に乗ったことがあるが、そんなスピードは出してなかった。
    68キロメートルは、単位の記載ミスか?

    ここで、多分原本ではなく、訳者が間違ったのか?!
    と思ってしまう。
    興醒めで〜す。

    で、また少し興味が失せた。
    鏡開きも済みまた読み始めた。

    ヴェロニカ !

    ここら辺りからまた読むスピードが速くなってきた。

    ママの名前はなんだったっけ?

    ネタバレは非常識なのでやめておいて、
    読後感は爽やかで良かった。

    ORANGEGIRLの何故賭けをした人は、
    多分自分を本書のORANGEGIRLになぞらえたのだ!
    と勝手に解釈して、
    謎解きも無事に終わったのだった。

    めでたしめでたし。

  • 宇宙の歴史から行くと人間の歴史、人間ひとりの一生はあってないようなものなのかもしれない。
    生まれながらに当たりの宝くじを引いてここに存在しているからこそ、もし仮に意味がないと言われたとしても、この世界のゲームへの参加券を与えられたからこそ、おもいっきり人生を楽しみたい、楽しまねば!と改めて思った。宇宙の何億年の歴史の中で、何かひとつ、ほんの少し違っていたら今ここに私は存在していなかっただろうし、他の誰かが存在していたはずの未来も無数にあったはずなのだから。

  • 他のゴルデルの作品と違う訳者で、読みやすく分かりやすかった。これは良かった。また読みたい。

  • 11年前に死んだ父親が遺した手紙。その中にはオレンジガールとのふしぎな出逢い、そして息子へのある問い掛けが書かれていた。
    父親の手紙にそれを読む息子の想いを交えて展開されます。4才の時に死に別れ、記憶も曖昧になる父親のことが自らの記述で書かれているものを、15才となった今読む。それだけでも大きな衝撃でしょう。しかもそこにはオレンジを山のように抱えていた謎の少女との出逢い、正に恋は盲目と言うしかないような心の動きが妄想たくましく書かれていたのですから。
    しかしそんな父親の姿を通して、自分があることを感じ、父の自分への愛を感じる。そして問われる最後の命題。幼い息子と愛する妻を残して死にいく自分の運命を鑑みて抱く気持ち。そこから導き出される答。それは個人的でありながら普遍的なものとして読み手に訴えかけるでしょう。

  • ラブストーリーの中に
    哲学が散りばめられていて、
    10代向けのヤングアダルト小説ながら、
    大人になってもまた読みたくなる、
    そんな本。

    命の重さ、そして運命の残酷さを
    「生」への希望を託した形で語られる。
    子供が出来た時に、読み聞かせてあげたい。

  • 途中少し
    睡魔に襲われて
    なかなか先に進まない時もありました。
    でも
    ラスト久しぶりに本で涙がでました。
    ママが手紙を読んだ瞬間に・・・

    私は今、とりあえず一読してあらすじを理解しただけの段階のような気がする。

    また、ゆくっりゆっくり手紙の意味を主観的に受け止めながら
    感じたいと思ったのでした。

  • このご本を読んでからより哲学のことを意識するようになった。もう一度自己発受けたくなった。ひととひとの縁について終わらない疑問を突き付けられたような気持になった。似ているようで春樹のスプートニクとはまた違うみたい。このお話好きだなぁ。

  • 夏休みの本屋さんで発見。小学校か中学校の推薦図書だとかで、読んでみた。

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