- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140055809
感想・レビュー・書評
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何事にもまっすぐ向かい合う姿が心に残る。そして素直な姿勢にも。
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幕末から明治に生きた山岡鉄舟。上巻では大政奉還の少し手前くらいまで。
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江戸無血開城の真の立役者である山岡鉄太郎 の生き様を見事に描いた歴史小説。
タイトルの「命もいらず名もいらず」というのは、幕末に西郷隆盛と江戸総攻撃を中止するよう談判した際に、西郷が鉄舟の人物を評して「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困りもす。そういう始末に困る人物でなければ、艱難を共にして、国家の大業は為せぬということでございます」と語った言葉から来ている。 -
幕末三舟のひとり、山岡鉄舟。
この人の評伝には疑義もあるようです。
が、山本兼一版鉄舟が魅力的であることには変わりはありません。 -
幕末の三舟の一人、鉄舟の話。
……ところで、泥舟って鉄舟の義兄だったんだ…… -
山岡鉄舟の生涯を描いた物語、上巻の舞台は幕末。
幼き頃より人並外れた頑固さと男気の良さを持ち、それでいて優しく素直な鉄舟…冒頭から既に惹かれてしまいました。
彼がこれからどういう風に生きていくのか、何を起こしていくのか、知れば知るほど惹かれます。
新しい時代になろうとしつつある幕末で、名誉ばかりを求める者達が溢れる中、鉄舟の真っ直ぐな生き方に胸を打たれました。
そんな鉄舟の妻もまた、強かで凛とした素晴らしい女性。
浅利又七郎義明に弟子についたところで、下巻の明治編へ続きます。 -
幕末~明治にかけて活躍した山岡鉄舟の半生。
幕臣でありながら尊王急進派である清河との交流も深いなど、自分の在る場所を模索している姿が滲みる。
本当に政治に関わっているのか?と思う程にまっすぐな人間性が今後どう生きていくのか。
後半の活躍に期待です。 -
山岡鉄舟?
名前は聞いたことあったけど、どんな歴史上の人物なのか知らなかった。
旗本息子→無役旗本兄の居食い弟(北辰一刀流入門)→御家人入婿(槍道場主)→講武所剣術世話心得→尊皇攘夷党→浪士取締役(慶喜護衛)→慶喜側近→静岡藩役人→明治天皇侍従。
とことん信じる道を行く、けれど己の間違いには謙虚に反省する、こんなシンプルなことができない自分には、スゴい人だなぁ、と尊敬する。
聡明過ぎると嫌味が滲む、自分は聡明でなくて良かった、というフレーズも沁みる。
なかなかこうは思えないもん。
それにしても、奥様や家族は大変だっただろうなぁ。
量も内容もズッシリ、読みごたえあり。 -
<上下あわせた感想>
山岡鉄舟の生涯を描く。
上巻は薩長同盟前後まで
下巻は明治維新〜鉄舟最後の時まで
何事にも「常に全力を尽くす」姿勢を崩さず、剣、書、禅の道を極め、同時に徳川側としての幕末の始末、新しい明治では天皇の側近として、この難しい時代に采配を振るう。この山岡鉄舟の人のために尽くす真摯な姿勢が最大限の魅力であろう。こんな人が本当に居たのであろうかという程、真面目で情熱的で恐ろしい程の職務をこなしている。ちょっとデキスギ感漂うが...。
山本兼一の作品は4冊目だが、どれも己の道を究めようと邁進する男の一徹な心を描いている。欲を言えばこの作者は、まじめ一筋の主人公でなく、昔の人は今の日本人よりよっぽどユーモアセンス溢れる愉快な面があったであろう、そういうその時代を生きた生々しい魅力を加えると、もっと深みが増すように思う。 -
幕末という激動の時代にどこまでも自分に正直に生きた男。山岡鉄舟を描いた物語。
「自分の為にはなる事をしろ。それが天下の役に立つ。」と言う父の遺言を胸に自分がなすべき事をひたすら真っ直ぐにやり遂げる。故に時代が山岡鉄舟を表舞台へと求める。
この小説を読んでまず感じたのは山岡鉄舟はスゴイ男だと言う事です。今の時代にここまで真っ直ぐ歩く事が出来るの人が何人いるだろうか。。
徳川幕府末期であるこの時代は武士が武士らしさを失くしてしまった時代であり、今まで虐げられた人々が立ち上がりつつある時代であった。どこまでも武士として男として自分が決めた事は最後までやり遂げる意思の強さは感服しました。
物語の中で清河八郎が登場するが、清河八郎との出会いも偶然ではなく必然だったのだろう。
清河八郎が望むのは倒幕。そしてその魁となる事で名を残すことだった。
古来から武士の本懐は命を賭して功名を得る事であるはずだが、命も惜しまず名も惜しまずとはどうゆう意味なのか。。
下巻からはいよいよ倒幕。そして明治維新へと時代は進む。その時に山岡鉄舟は何をなしたのか。先が楽しみです。