スピノザ―「無神論者」は宗教を肯定できるか (シリーズ・哲学のエッセンス)

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著者 : 上野修
  • 日本放送出版協会 (2006年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (107ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140093337

スピノザ―「無神論者」は宗教を肯定できるか (シリーズ・哲学のエッセンス)の感想・レビュー・書評

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  • 著者の「スピノザの世界」が分かりやすかったので、勢いで、こちらのほうも読んでみた。「スピノザの世界」が「エチカ」を中心としているのに対し、本書はスピノザの生前にでた主著(?)「神学・政治論」を中心とした宗教・モラル・政治論。

    「スピノザの世界」が、「エチカ」を時代や社会環境を超えて、そのテクスト自体から読み解いていく試みであったのに対して、本書は、当時の社会情勢や思想的なコンテクストを踏まえながら、「神学・政治論」を読み解いていく。といっても、著者の読みは、やはりスピノザのテクストの論理に忠実で、隠された意図、例えば、「本当はスピノザが主張したいのは無神論だが、それを直接的に言えないので、こういう主張の形をとったのだ」という読みを排除する。つまり、表題のとおり「無神論者がなぜ宗教を肯定できるのか」というパラドックスに正面から答えようとしているのだ。

    著者によると、スピノザの聖書の読みは、いわばテクストとしての読みであり、また、聖書のロジックはそれ自体正しく、そしてそれは政治的な権力ともつながる、とのこと。これは、きわめて、フランス現代思想っぽい世界で、なかなかスリリングだ。

    スピノザは、その倫理のみならず、権力論においても、ニーチェみたいなんだな、と思った。

    面白い本だと思うが、100ページの本が、1000円もするというのは、少し高いのではないだろうか。なので、満足度は4点としておく。

  • 信仰と理性をめぐる関係において、ここまで切実に、また、真正面から考え、論じた哲学者がいたのか。スピノザ。ここから、私の新たな探求が始まりそうだ。時代制約があったればこそ、ここまで深まったのだろう。

    短いながらも濃密な思考の軌跡だった。

    ・自由が牧歌的だったことはない。p19
    ・哲学の目的はもっぱら真理のみであり、これに反して信仰の目的は、服従と敬虔以外の何ものでもない。p57
    ・ほかのどんな政体もフィクションである。政治はメンバーの誰でもない服従と不可視の第三者を呼び出しその声を法として取り次ぐ。p69

  • 卒論で少し齧ったのですが、そのまま放置されていたスピノザについて興味が再燃したため。わかりやすい。

  • 前著よりわかりやすい。神学と哲学の分離、宗教に対し理性は不敬虔なのか?、思想・言論の自由の許容範囲の探究、神への服従の論理的条件、等々を鮮やかに証明していくんだが、結局「神学・政治論」は無神論として批難される。真理に対する宗教と哲学の立場の違いがよくわかる。宗教によって思想・言論の自由を奪われるというのはなんとも皮肉な話である。

  • 自然法則の課する正しい規範が偶然にもあらわれ「神の統治」「神の法」ができた。みんながそろって賢者でなくても全うに存続する社会ができた。
    聖書は、そんな素敵な社会が出現する過程をややオーバーにつづった有難い記録である。
    現代は偶然に頼らず「人民の統治」「国家の法」が出来てる。
    ここがすでに神の国☆
    しかし「神の統治」「神の法」=「人民の統治」「国家の法」の失敗によって迷信がはびこる~。
    ってゆうのがスピノザの考えらしい。(私の勝手な解釈では…)


    オーバーで分かり難い聖書からではなく、政治の仕組みやら憲法でも読んでみようかwww



    スゴク良かった。
    借りたけど、購入したいくらいだ~   五ッ星♪

  • 重くない哲学書。
    さくさく読めました。

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