哲学のモノサシ

著者 :
  • NHK出版
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本棚登録 : 202
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140802601

作品紹介・あらすじ

哲学者とアーティストのコラボレーション(共同創造)。絵と文章で哲学する本。

感想・レビュー・書評

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  • 『知的複眼思考法』で紹介されていて拝読。
    著者自身の哲学との出会いや、哲学の変遷を噛み砕いて解説している哲学への入門書、もっと言うとガイドブックというところ。
    仕事に活かすべく、哲学者の思考プロセスを知りたかったので少し期待とは違った。生き方指南の印象。いや、そこまで自分が抽象化して解釈できていないのかも。しかし、優しい書き口で分かりやすい。
    あと余談で、挿し絵はポップで読みやすさを助けていると思うが、よく見ると若干怖い。。笑

  • (主に西洋の)哲学の潮流の解説とそもそも哲学とは何なのかという事を、哲学者が素人や子供にもわかるように平易に説明した本。

  • ふむ

  • 文 西研 イラスト 川村易
    哲学のモノサシ
    哲学絵本

    生きる意味、生きている実感の意味 を哲学から考えた本。イラストが前後の言葉をイメージしているらしい(イラストの意味はわからなかった)

    物理学的世界への批判〜人間の生きる意味は取り出せない、人間には自由意志がない〜からスタートし、デカルト物心二元論、フッサール「物理学的世界は二次的なもの。生きていること、経験していることが先である」へ展開した流れは面白かった


    哲学とは「自分の感受性の肯定からスタートして、自分を観察し理解して、さらに 他者の理解を試ることで 人間そのものの理解につなげること」と捉えた


    哲学の特性は大胆に問い、理屈で勝負する
    *大胆に問う=○○とは何か、その根拠は何か
    *常識や権威ある人の意見をそのまま信じない。あくまでも理に適っているかどうかで判断する

    著者にとってのニーチェ のメッセージ〜生きる意味と義務についめ
    *正しい生き方などない。人生にここまでいかなければならない義務はない
    *神や義務は存在しない。神や義務を求める自分が存在するだけ
    *どう生きることが自分の正を肯定することになるのかだけが問題

    現実を生きている感じ
    *体験を現実と認めるには、首尾一貫性と他人の同意が必要
    *価値あること(ワクワク、美しい、善い)がはっきりしていて、自分がそこめがけて生きていると感じることが、生きている実感となる

    ヘーゲル 人間の精神の特性
    *人間は経験を通して、それまでの価値観や世界観をあらためていく〜これらの判断基準(ルール)は感受性のかたちになっている
    *人間は 「自分=プライド」を持っていて、それを価値あるものとして、自分にも他人にも認めさせようとする

  • 平素な文字でわかりやすく書いてあるんだけど、説明が長すぎる感じがある。大まかな哲学史も網羅してるからだろうか。西さん前から承知してる方で、NHKの100分で名著、ニーチェに出演してた。

  • 学校現場では「ぼくの世界、きみの世界」で有名な西研さんの著書。

    哲学の歴史などについて丁寧に解説されています。ただ、僕にはちと難しかったです。

  • 面白かった。
    「哲学の練習問題」より絵が大きくてコラボらしい。

  • 凡作

  • いい本です。
    以下、要約してみた。

     『あなたのモノサシは、じぶんと他人を愛するために、役立つモノサシになっているだろうか』… 『わたしたちはしばしば混乱したり不安になったりするから、じぶんを導いてくれる「正解」が欲しくなる』。しかし、『科学はあくまで、世界を「人間」が説明しようとする仕方のひとつにすぎない!』。だから『じぶんをていねいに見つめる』しかないのだ。
     『現代は、(中略)価値ある生き方のモデルが広く共有された明確なストーリーとしては与えられなくなってしまった』。『わたしたちは、じぶんなりに価値ある生き方を見つけ・かたちづくっていかなければ』ならない。
     『「価値あること」がとてもハッキリしていて、じぶんはそこをめがけて生きていると感じられるとき、人間はリアルに「生きている」という実感をもつことができる』。『(これからどうやって生きていくのか)がよくわからなくなってきたり、生活は安定していても充実する何かがなくなってくると、だんだん現実はうすぼんやりとしてくる』。また、『世界がぼやけてきたり苦しくなったりしたときに、人はなかなか、じぶんのなかからルールをつくりなおすことができない』。さらに『〈世界はそのままのじぶんを受けいれてくれない〉と無意識に感じているときには、じぶんでじぶんの感受性をなかなか肯定できない』。『感受性の肯定ができてはじめて、その人はじぶんの感受性を検証しながら自覚的にじぶんのモノサシを育てていくことができる』のだ。
     『人間は(中略)じぶんの可能性を気づかうことによって、現実の秩序(現実という名のストーリー)をたえずつくりあげ・つくりかえている』のだ。
     『〈ほんとうはどうなんだろう〉こそ、《哲学》のはじまり』だ。『普遍的に問うことは、わたし個人を置き去りにして高みをめざして昇ろうとする』ようなものだ。『「あっそうだ、じぶんがひっかかっていたのは、こういうことだったのだ!」というとき、ほんとうにうれしい』し、哲学者ヘーゲルは、『人間の世界認識がある程度のレベルに達すると、さまざまな現象をひとつの原理でもって説明するようになる』といったそうだ。
     『まずじぶんの感受性を肯定していいのだ、そこからはじめていいのだよ』。『じぶんのなかのゴニャゴニャとしたものに、適切な・ふさわしい問いのかたちを与えること。これは、考える楽しみを何倍にも高めてくれる』のだ。ただし、『負い目の感覚には要注意!負い目はじぶんを恥じ入らせて自己認識を妨げるから 』。それと、『常識や権威ある人の意見をそのまま信じこまない。あくまでも〈筋道がとおっているからこそ納得できる考え方〉をもとめていく』ことが大切だ。
     その上で、『わたしはどういうじぶんを欲しているのか。その欲望はわたしの生を豊かにするものといえるのか』など、『じぶんをいったんまるごと受けいれ、そこからじぶんをほどいてつくりなおす』のだ。無理はしなくていい。『心がひとつの感情に固着してしまって静かにじぶんを見つめることができないときには、考えるのをやめる』ことも必要だ。
     『じぶんを理解しようとすることからはじまり、じぶん以外の他者を理解しようとし、そしてそれらを「人間存在そのものの理解」へとつなげていく ー個別性から普遍性へ、逆に普遍性から個別性へ、たえず行ったり来たりするプロセス。《哲学ゲーム》は、こういうプロセスなのである』。

  • わかりやすい言葉で哲学を語ることで知られる西研と、イラストレーターの川村易による、哲学絵本です。

    日常のちょっとした疑問から哲学的な問いをつかみ出してくる著者らしい本ですが、あつかわれているテーマが散漫な印象もあります。

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著者プロフィール

哲学者。京都精華大学社会メディア学科助教授。哲学者らしからぬ軽い風貌と語り口で若いファンを多くもつ。「普通の人々の心に届く新しい哲学を構築するのは彼しかいない」といわれる期待の学者。著書は、『哲学的思考』(筑摩書房)、『実存からの冒険』(ちくま学芸文庫)、『ヘーゲル・大人のなりかた』『哲学のモノサシ』(NHK出版)、『哲学は何の役に立つのか』(洋泉社新書y、佐藤幹夫との共著)など多数。現在、『哲学のモノサシ』シリーズを執筆中。

・もう一つのプロフィール……
だれに聞いても「怒った顔をみたことがない」という温厚な哲学者。学生からの人気はピカイチ。天才的頭脳の持ち主にしては「ちょっと軟弱」「貫禄がない」との評もあるが本人は全然気にしていないようだ。

「2004年 『不美人論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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