福耳落語

著者 :
  • NHK出版
2.80
  • (0)
  • (2)
  • (0)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 12
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140811245

作品紹介・あらすじ

初心者はワクワク、落語通はびっくりの前代未聞の聴能力!Scenelessの著者が魅了された落語の世界。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「sceneless」(←全盲者の意味をもつ著者の造語)の著者。落語が好きで、落語のテープは聞きすぎてのびるほど。
    小学生のころから聴きはじめ、気づいたら落語通になっていたのだとか。
    そんな彼女が描く落語の噺。落語の所作を習いに行ったり、お囃子をならってみたり。まさに落語研究本。
    初心者にもわかりやすく、落語の裏がかかれている。
    それにしても彼女はパワフル。物怖じしない性格に取材される落語家や周りの人が圧倒されている感じ。
    その分、取材を受けるほうも真剣で、丁寧である。だからこそわかりやすい。特に面白かったのが落語の所作について。物を食べる、手紙を書く、タバコをすう…扇子や手ぬぐいが落語家の手にかかると、実物に見えてくるから不思議だ。

  • 「鳥が教えてくれた空」の著者による作品。彼女の滑らかな口調はやはり落語から来ていたのですね。

    それにしても、蝶と蛾の音を聴き分けるなんて!

    物理的な眼では見えていないのに、それを読者には全く感じさせない、それどころか、物理的な眼で見ている者よりも本質を掴んで、それを表現出来る描写力に再度に驚かされる。

    ちょうど自分も落語に興味を持ち始めた時なのでタイミングピッタリの作品。取り敢えず取り上げられている噺を一つづつ聞いてゆこうと思う。

    今はアップルミュージックでも落語が聴けてほんと便利。コロナが鎮静化したら是非とも寄席にも行ってみたい。



  • 普段見えているからこそ、何気なく見過ごしてしまう落語の所作など、改めて再確認できた。
    「Sceneless」をものともしない行動力と探究心は素晴らしい。
    面白いことが好きなのはわかるが、文中にたびたび登場するオヤジギャグは寒すぎ。講演ではいいだろうが、文字になると寒さが際立ってしまう。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

エッセイスト。東京都生まれ。
高校時代、米ベンロマンド・ハイスクールに留学。上智大学文学部フランス文学科卒業。同大学院博士前期課程修了、修士号取得。現在は外資系通信社で報道翻訳に従事。
デビュー作『鳥が教えてくれた空』(NHK出版/集英社文庫)で第2回NHK学園「自分史文学賞」大賞を、『そっと耳を澄ませば』(NHK出版/集英社文庫)で第49回日本エッセイストクラブ賞を受賞。そのほか、第2回サフラン賞、第11回音の匠賞、第46回点字毎日文化賞などを受賞。
主な著書に『ルポエッセイ 感じて歩く』(岩波書店)、『ロング・ドリーム──願いは叶う』『世界でただ一つの読書』『四季を詠む──365日の体感』(以上、集英社文庫)、『おいしい おと』『でんしゃはうたう』『かぜフーホッホ』『センス・オブ・何だあ?』(以上、福音館書店)などがある。
失明直後からピアノ、リトミック、ソルフェージュなどのレッスンを開始。複数の専門教師のレッスンを継続し、現在はパリ国立高等音楽院教授の上田晴子氏に師事。大学・大学院時代は学内の古楽器アンサンブルでリコーダーとチェンバロを担当。新井満氏との合作で『この町で』を作曲したほか、講演やトークコンサートなど幅広く活動を続けている。
趣味はバードリスニング。

「2022年 『フランツ・リスト 深音の伝道師』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三宮麻由子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×