- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140811245
作品紹介・あらすじ
初心者はワクワク、落語通はびっくりの前代未聞の聴能力!Scenelessの著者が魅了された落語の世界。
感想・レビュー・書評
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「sceneless」(←全盲者の意味をもつ著者の造語)の著者。落語が好きで、落語のテープは聞きすぎてのびるほど。
小学生のころから聴きはじめ、気づいたら落語通になっていたのだとか。
そんな彼女が描く落語の噺。落語の所作を習いに行ったり、お囃子をならってみたり。まさに落語研究本。
初心者にもわかりやすく、落語の裏がかかれている。
それにしても彼女はパワフル。物怖じしない性格に取材される落語家や周りの人が圧倒されている感じ。
その分、取材を受けるほうも真剣で、丁寧である。だからこそわかりやすい。特に面白かったのが落語の所作について。物を食べる、手紙を書く、タバコをすう…扇子や手ぬぐいが落語家の手にかかると、実物に見えてくるから不思議だ。
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「鳥が教えてくれた空」の著者による作品。彼女の滑らかな口調はやはり落語から来ていたのですね。
それにしても、蝶と蛾の音を聴き分けるなんて!
物理的な眼では見えていないのに、それを読者には全く感じさせない、それどころか、物理的な眼で見ている者よりも本質を掴んで、それを表現出来る描写力に再度に驚かされる。
ちょうど自分も落語に興味を持ち始めた時なのでタイミングピッタリの作品。取り敢えず取り上げられている噺を一つづつ聞いてゆこうと思う。
今はアップルミュージックでも落語が聴けてほんと便利。コロナが鎮静化したら是非とも寄席にも行ってみたい。
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普段見えているからこそ、何気なく見過ごしてしまう落語の所作など、改めて再確認できた。
「Sceneless」をものともしない行動力と探究心は素晴らしい。
面白いことが好きなのはわかるが、文中にたびたび登場するオヤジギャグは寒すぎ。講演ではいいだろうが、文字になると寒さが際立ってしまう。