白夜の大岩壁に挑む: クライマー山野井夫妻

著者 :
  • NHK出版
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本棚登録 : 53
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140812716

作品紹介・あらすじ

2002年、ヒマラヤ・難峰ギャチュンカンからの奇跡の生還より5年…凍傷で手足の指を失ってもなお、泰史と妙子は「垂直の世界」に還ってきた。北極圏グリーンランド、標高差1300mの未踏の大岩壁に挑む二人の姿を頂上まで追ったNHK取材班による迫真のドキュメント!NHKハイビジョン特集「白夜の大岩壁に挑む〜クライマー山野井夫妻」及びNHKスペシャル。「夫婦で挑んだ白夜の大岩壁」の番組取材記。

感想・レビュー・書評

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  • 音声配信してアプリで沢木耕太郎の「凍」を聞いてから山野井夫婦のことを知った

    凍傷で指をなくしているにもかかわらず2人は岩壁に立ち向かう

    会話の中で乳酸が腕に溜まってきたね〜ハハハ と笑い合い楽しむあたりは本当に登ることが好きなんだとわかる

  • 世界的なクライマーである山野井夫婦。雪崩に巻き込まれ手足の指の多くを失ったって二人がグリーンランドの前人未踏の1300m級の壁、オルカに挑む姿をNHKが追ったドキュメントの書籍版。フリークライミングに関する知識はほぼ無かったのでその登攀の評価はわからないがとにかく人間離れしているという表現は言い過ぎではないだろう。本書はそれにもまして二人の淡々とした、しかし通じ合っている夫婦仲が魅力的な印象を残している。NHKスペシャルのアーカイブから探して見てみようと思う。

  • ギャチュン・カンから生還したものの、凍傷によって、
    手足の指を失った山野井夫妻。

    山野井泰史は手の指を5本。足の指を5本。
    山野井妙子は手の指を全て失った。

    一度は登山をやめようとした山野井泰史。

    しかし、やはり山を捨てることは出来なかった。

    山野井は若い頃あこがれていたグリーンランドに
    ビックウォールを求めて旅立った。

    NHKが放送した番組の内容を本に纏めたドキュメンタリーです。

    指が無く、どうやって岩山をよじ登るのか・・・。
    山に魅せられた人達は凄いとしか言いようが無いくらい、
    懸命に山を求めて行きます。

    山野井泰史は指が減った事で、出来なくなった技術はあっても
    更に技術が向上していっていると言います。

    どんな世界でも極めた人というのはいるものですが、
    この山野井さんは、極めた人かもしれませんが、
    極め切れてない人もしくは、極めると言う事を諦めない
    人なのかもしれません。

    逆に極めた人というのは自分で決めた極点で諦めた人なのでは?
    とすら思ってしまいます。

    このドキュメンタリーを読んでいると、ちょっとした事で
    諦めてしまう自分が恥ずかしくなり、頑張ってみよう
    と言う気にさせてくれる1冊です。

  • 垂直の記憶で最後に大きな凍傷を負った山野井夫妻のアイスランド大岩壁ビックオルカ登頂の記録。NHK取材班が会話まで無線マイクで記録していたそうで、臨場感が抜群。 同TV番組のDVDを見たが、用具や山の様子等が見えるものの、迫力も緊張感も本の方が数段上。

  • あまりにも凄まじいクライマー夫妻のグリーンランド・ビッグウォールチャレンジ譚です。とにもかくにも「凄まじい」の一言で、山を愛する人にはオススメの一冊です。こういう夫婦のあり方は、ある意味奇跡と呼んでいいのかもしれません。末永くクライミングし続けていただきたいです。

  • 山野井が2人でのぞんだ北のビッグウォール。NHKの特集でも放送されました。けっこう、山野井の山にたいする言葉がでてきて、共感できました。でも、書いたのはNHKのディレクターだけどね・・・。

  • あまりにも有名なクライマー、山野井泰史・妙子ご夫妻のグリーンランドでのクライミングを取材したNHK番組のクルーによる取材記です。

    山野井ご夫妻のクライミングについては泰史さんご自身の著書や沢木耕太郎さんの「凍」でご存じの向きも多いと覆いますが、この取材記はアフター・ギャチュンカン登頂とでもいうべきものです。もう以前のようなクライミングはできないと考えていたお二人が、リハビリ(→訓練)を積むうちに、意外とできるかもしれない、できるとしたら、誰も登っていないところを…ということでグリーンランド東部へ。クライマーの血、健在です。

    クライミングの立案については泰史さんが前に出ているように感じるのですが、それは妙子さんの実力に裏付けられた落ち着きがあるからだと感じます(すぐにタクティクスを練ろうとする泰史さんに「まあ、お茶を飲んでから考えようよ」という台詞はラブリーです)。下見の際、隠れたクレバスに落ちた泰史さんに「途中で力尽きても大丈夫なように、ロープを張っておいて」と言われて確保できるなんて!奥さんがダンナの死体を引き揚げることになるかもしれないという、フツーの人には考えられない世界ですが、これには出会ってからすぐに「姉弟のよう」と評されたという、相性のよさ+夫婦+同志の凄みを感じます。お二人の出会いからパートナーとなって以降のことについては他の本などでも描かれていますが、この本が一番そこを丁寧に描いている印象を受けました。極地のクライミング取材記なのに、そこかよ、と(笑)。それはさておき、お二人のものすごくいい関係にじたばたしてしまいます(笑)。

    語り口も平易で読みやすく、最後には登山用具の写真解説もついているので、登山に詳しくないかたでも楽に読めるように思います。クライミングそのものよりは、山野井ご夫妻のつながりに重きを置いた文面のように感じられますので、先に挙げた作品とはまた違った向きで楽しめます。よくまとめられた取材記なのですが、「凍」よりもインパクト面ではソフトなので☆ひとつ引きます。ごめんなさい。

    [2008.3.18にAmazon.co.jpにアップしたレビューをこちらにもアップし、一部書きなおしました]

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