- Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140813690
作品紹介・あらすじ
未曾有の金融危機に直撃される世界と日本。迷走する世界はどこへ向かうのか。日本に生き残る道はあるのか。7人の論客が「変貌する世界の姿」を読み解く。
感想・レビュー・書評
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政府の市場介入に対しては世界的経済のモラルハザードをもたらすという意見も多い。市場救済のために政府が介入するとモラルハザードがおきる。
グローバル資本主義ということは危機が容易にグローバルになるということだ、特に世界最大の消費地であるアメリカの変調は世界に響く。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
リーマンショックから半年ほど経った2009年4月の本。2009年元日に放映されたNHKの「地球特派員スペシャル」がベースとなっている。伊藤洋一氏、岡本行夫氏、大田弘子氏等のジャーナリスト・学者が、アメリカ、ヨーロッパ、ロシア、中国、日本等の各章を分担して執筆している。
執筆陣は誰も、サブタイトルにある「危機の連鎖を断ち切れるか」という命題に対して、当時明確な答えを出せていないところに、問題の深刻さと複雑さを感じる。
出版当時に読んでおくべきだった本。 -
グローバルの波以降日々変化し続ける世界情勢。
その道のスペシャリストたちが自分の得意な分野(地域)の経済情勢と今後をレポート方式でまとめたもの。
そういった本ではなかなか読むことの出来ないウクライナ情勢が興味深かった。 -
著者は多数いるが、それぞれ専門性の高い人達が執筆をしているため、なかなかの
信頼が置けると思う。NHKって最近おもしろい番組を作るし、個人的には
評価が昔に比べると高くなってきている。
本書の内容、というか目的は「リーマンショックの波及がどこまで広がっているのか」
つまり「世界の現状を正しく認識すること」である。まぁ、大変な事は色々な書物で
述べられているし、原因も言われている。しかし、正しく何がどうなっているかは
掴みきれていない。ってのが、著者達の主張である。
まぁ、その現状を捉えるために、アメリカ、EU,ロシアなどなど、色々なエリアを
詳細に調べ、克明に記載している。現地のインタビューも含まれ、なかなか
面白い内容になっていると思う。
そのような現状に鑑み、日本の対策をいかようにすればいいのか。それは、
1.経済システムを開く
2.農業、サービス系の生産性を高める
3.人材育成を進める
以上の3つだ。これは、著者達の主張であると同時に、国も考えていて、
では、著者達のさらにオリジナルな主張はというと、
1’.消費構造の変化に着目した新規ビジネス(シニア系)
2’.増加傾向にあるアジア中間所得層に向けたビジネス
3’.存在間が高まるアジアとの連携
って感じ。
まぁ、目新しいモノはない(笑)
日本は、土地は限られ、人口は減るばかり、高齢者が増え、恐らく生産性も落ちる。
高付加価値なサービス・商品を提供しなければ行き残れないが、研究・学問も停滞又は低下。
この現状の打破は長期的には可能だが、短期的に解決しようと考えると、欧米、アイスランド
のように金融で走る事となるだろう。しかし、それだけは避けて欲しいと思う。
以上 -
「グローバル資本主義とは結局アメリカに左右される資本主義の形だったではないか」と著者は言う。まさにアメリカの過剰消費によるアメリカへのお金の集中→崩壊という流れの中で、今各国は保護主義的になっている。特にヨーロッパはEUとしてまとまっているが、各国が保護主義に走り始めその結束は崩れてきている。資本主義の次のステージを模索する中、日本はアジア、特に巨大な市場となるであろう中国を中心にしたアジアの中での存在を確かなものにする必要がある事を強く感じた。