トイレの話をしよう 〜世界65億人が抱える大問題

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制作 : 大沢 章子 
  • NHK出版 (2009年9月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140813942

トイレの話をしよう 〜世界65億人が抱える大問題の感想・レビュー・書評

  • 周囲の好奇、あるいは冷たい視線を受けながら、女性ジャーナリストがトイレについて徹底調査。地球上の大多数の人々が抱える衛生問題であり、身分や貧富による差についてもつづられる。ぎょっとしてしまうタイトルだが、「臭いものにフタ」などとは言っていられない、重要な話題がつまった一冊。

  • 日本を含め世界のトイレ事情(トイレがそもそもない場合もあるので、正確には排泄事情)についての、ジャーナリストである筆者が実際に取材したものをまとめた本である。
    本書は、世界の様々な様式のトイレを紹介しているという単なるカタログ的な内容の本ではない。
    世界の多くの人々が、トイレがないことにより非常に劣悪な衛生環境で生活をしていることやそれにより健康を害している事、改善の為にどのような取組みが行われどのような失敗や成功がされているのかというようなことまで、実に様々な問題を提起し考えさせられる内容となっている。
    テレビではここまで詳細な報道はできないであろうから、トイレ事情を知る為のもの、そして地球規模の健康問題を知る為のものとして、この本の存在価値は大きい。
    取材エピソードによって語られる文章は、どんどん内容に引き込まれていく。トイレを設置しても使われない状況など、自分の感覚や価値観、想像力がいかにちっぽけで井の中の蛙であったのかを痛感させられた。

  • 昔、「トイレット博士」というマンガがありました。当時はありえない下品なマンガだと思っていたのですが・・・。今考えると、あそこまで糞便に向き合えるって凄いことだし、貴重なことですね。

    さて、本書の著者は英国の女性ジャーナリストです。表紙折り返しの著者近影で見る限り、結構チャーミングな女性です。この人がこの内容を・・・。ジャーナリストってアドベンチャーですね。

    ボクは小さい頃から祖母に大阪弁?で「かんしょやみ(癇性病み)」と言われていました。標準語では潔癖症と言えばいいのでしょうか。

    今も治らず(というか、本人はそれが普通だと思っている)電車のつり革を持たない派です。

    そんな自分ですが、最も忌むべき場所であるトイレ・便所から目を背けたくないという二律背反(どちらにも価値がある)した価値観を持っています。


    まず最初の章に出てくるのが我が国日本のウォシュレット(TOTO)・ハイテクトイレ。この章を読んで、あれ、この本は日本向けなのかな、と思ってしまいました。

    しかし、これは後の章に出てくる便所後進国?と対比させるためのトイレの技術としてのレポートです。

    良くネット等では訪日外国人の感想として、日本ハイテクトイレが取り上げられますし、近年の中国人爆買いの目玉商品としてハイテク便座があります。
    一方、ハイテクトイレがアメリカに受け入れられていないのは、アメリカ人がそれを必要を感じていないという、非常にシンプルな答えが書かれています。

    しかし、どちらにしてもそれは下水処理の入り口でしかありません。その先に高度な下水処理の仕組みがあるのです。
    その点まで思い至らない自分を発見しています。
    それが第二章です。

    筆者自ら英国の下水道に降りていきます。映画「第三の男」を始めとし、良く見かけるシーンです。タートルズも下水道に住んでたんだっけ。

    良く、台風や大雨で冠水するとマンホールから水が吹き出たりして、下水が溢れます。昔は汲み取り式の便所が大半でもあり、それって汚いよなあと、漠然と思っていました。
    しかし、この本によると、通常下水に含まれる屎尿の割合は全体の2%程度なのだそうです。つまり、大量の雨水が流れ込んでくると、その割合はさらに低くなります。
    でないと、映画のワンシーンで下水の中をバシャバシャ走るなんて嫌ですよね。

    それ以降の章ではトイレ未開発の地域に多く紙数を割いています。

    インド・中国・アフリカ諸国

    映画「スラムドッグ・ミリオネア」の冒頭のシーンで、スラムの少年が公衆便所に閉じ込められ、肥桶の中に飛び込んで便所から脱出するという見たくないシーンがありました。

    しかし、現実にはトイレが「有る」という状態すら少ないのだそうです。

    インドを始めアフリカ諸国には下水どころか(上水道もないんだから当然ですよね)トイレそのものがない。存在しない。つまり全員野糞。

    これが感染症の温床となり、慢性的に病気を引き起こし、経済活動に大打撃を与えていると報告します。
    人類の絶対数ががもっともっと少なかった時代にはこれでもよかったのです(多分)。お天道さんが乾かしてくれました。

    これは日本でも同じです。汲み取り式にしろ、水洗式にしろ、古来よりなんらかの設備があったから生活が送れていたのです。
    トイレは本当に不可欠なものであるということが再認識されます。

    これは経済発展を遂げている中国にも未だにあることで、経済特区以外の内陸部などでは改善すべき場所が多々あるようです。

    スカートを履いた女性の身でありながら、描写したくない状態で取材を続けている筆者を尊敬します。

    伊達や酔狂でできることではありません。これは目を背けず、世界的問題として、もっとクロ... 続きを読む

  • 公衆衛生の遅れた国では、人々は毎日10gずつ、知らないうちに糞便を食べていることになるそうな。そして15秒に一人が下痢で死んでゆく。「安全な飲み水がありません」とは、実は水が糞尿に汚染されているという話だったのだ。

  • 下痢で死ぬ子供の数に衝撃。

  • トイレ本マニアとしては是非読む本である。
    世界中で26億人がトイレのない生活をしているなんて、普段考えたこともないが、その暮らしがどんなものか、そしてそのために死んでいく子どもの数がなんと多いことか。
    日本に住んでいて良かったと、しみじみ思ってしまう。

  • [ 内容 ]
    日本ではハイテク化が進み、アメリカや中国ではバイオ肥料など、排泄物の有効利用が脚光を浴びている。
    一方、トイレがない、あるいは、あっても汚すぎて道端でしたほうがましという人も、世界には26億人いる。
    「なぜ、トイレ?」という周囲の冷たい視線をよそに、突撃型の女性ジャーナリストは、トイレを追いかけて西へ東へ大奔走!
    英『エコノミスト』誌の2008年ベストブックス選定図書。

    [ 目次 ]
    はじめに 口に出して言えないものを調査する
    第1章 「おしりだって洗ってほしい」―ロボトイレット革命
    第2章 この香り、水路の5番だぜ―下水道ツアー
    第3章 トイレを見れば、あなたがどんな人間かわかります―26億人と“トイレ大臣”
    第4章 さあ笑顔を見せて、トイレに着きましたよ―カースト制と闘う人々
    第5章 寝室には豚を―中国のバイオガスブーム
    第6章 個室にプライバシーはある?―世界の公衆トイレ
    第7章 ミルクセーキからケーキへ―下水から生まれた肥料
    第8章 求む、夫。ただしトイレをもっていること―野外排泄ゼロをめざすインド
    第9章 貧しい人は、下痢をする余裕もない―スラムの片隅で
    第10章 そろそろ糞尿について話し合うときがきた―宇宙、経済、リサイクル

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 『世界の子どもたちに教育を』『貧しい人々に食料を』というと深刻な問題と感じますが、『すべての人々にトイレを』というとコミカルな響きがあります。
    しかし、本書によると、世界の人口の半数近くが公衆衛生の整わない環境(森や茂みのなか!)で排泄せざるをえないそうです。そして、糞便が食事や飲料水に混入し、コレラや下痢を蔓延させ、多くの人々が命を落としている…。となると、トイレ問題は決して冗談ではない、世界が抱える深刻な問題の一つに違いありません。

    ふだん、あまりに日常的になりすぎて意識にすらのぼらないトイレをテーマにしたルポルタージュ。

    本書では、日本のウォシュレットにはじまり、カーストゆえに糞便処理を生業とするインドの不可触民、中国の排泄物のリサイクル(バイオガス)など、世界各国のトイレ事情が紹介されています。
    ウォシュレットに神道の禊ぎが影響しているかはともかく(笑)、トイレを切り口に文化を考察するのは新しくて刺激的。中国には扉がついてない公衆トイレがあり、排泄しながらおしゃべりしているそう。西洋においてもトイレでのプライバシーは意外なほど新しいようです。

    本書を読み終わって気になるのはやはり日本のトイレ事情。下水処理で働いている人も当然いるわけで、あらためて感謝の念を新たにしました。あまり話を聞かないのは、やはり"臭いものには蓋"でしょうか?
    著者にならって、日本も排泄をタブー視するのはやめてもいい頃合いだと思います。

  • 世界の半分くらいの人間に、トイレがない。
    その不衛生から恒常的に健康を害し、下痢で死に至る子供たちのどんなに多いことか。
    ウォシュレットから、堆肥?肥料、トレの普及などに至る、とっても真面目な話。
    普段気にしたこともないだけに、とても面白かった。

  • 一言でいえば衝撃的な話ばかり。
    確かにテレビなどでもたまに中国では紙を流さない・ドアがないといった話をしていましたが、それだけでも十分記憶に残る衝撃でした。

    この本はそれすらも取るに足らないレベルだと教えてくれます。
    たとえ自分にできる事は本当に少なくてもトイレに対する見方は大きく変わるといえます。

  • 世界のトイレ事情を徹底的に調査し紹介したルポルタージュ。

    以前中国のトイレに入った時、便座は汚れ、地面にトイレットペーパーが散乱し、扉と地面の隙間は妙に広くリラックス出来ず、なるべく息を止めて入ったなぁ…なんて懐かしみながら本書を手に取った。ところが内容は想像以上に本格的。
    世界でも群を抜いてトイレ技術に力を注ぐ日本で生活をしていると、さもこれが当然と思うが世界ではそうはいかない。世界各国のトイレ整備、非衛生なトイレ、それに関連する病原菌・寄生虫など…ショッキングな実情を目の当たりにできる。生きることは排泄すること。当たり前のことを当たり前と思わず、トイレ・排泄について知り、驚き、考えてみるのも良いかもしれない。

  • 2008年英『エコノミスト』ベストブックス選定図書。

    日本ではハイテク化が進み、アメリカや中国ではバイオ肥料など、排泄物の有効利用が脚光を浴びている。一方、トイレがない、あるいは、あっても汚すぎて道端でしたほうがまし、という人も、世界には26億人いる。(カバー袖紹介文より)

    今まで読んだ海外発のノンフィクションもので一番読みやすかった。
    訳者がいいのか、原作者がいいのか、テーマがわかりやすいからか、全部なのかはわからないけれど。
    そこここにはっとする言葉がいっぱいだった。
    この本が出てから5年たったが、現状は果たして変わっただろうか?気になる。
    発行年は最新刊とはいえないけれど、まだまだ読まれてしかるべき本だと思う。

    装幀 / 福田 和雄(FUKUDA DESIGN)
    装画 / 竹井 千佳
    原題 / "The Big Necessity:The Unmentionable World of Human Waste and Why It Matters"(2008)

  • トイレを切り口にした、何らかの啓発本かと思いきや、
    本当にトイレの諸事情などの話だった。

    途中で読むのをやめた。
    ただ、日本は世界一といっても過言ではない設備と衛生面が保たれていると言えるだろう。

  • 面白かった。
    トイレは毎日使うものだからね。
    東京でTOTOのウォシュレットというのはトイレの革命。
    インドではトイレ掃除をするカーストがいて、いまでも問題になっている。

  • 本としてのまとまりってのには欠けるのだが、それぞれの章、エピソードが強烈であり、目を通しておくべき本であったなと。

  • 世界のトイレ事情はなかなか厳しい

  • はい、トイレの話、します!

    と題名を見たときから読まねばと思っていて、ようやく手にとることができた。
    海外に行くと、目新しい発見をして驚いたり、文化の違いに触れて感心するのと同じくらい、自分が日本人だと意識することがある。
    日本食や日本語が恋しくなったとき、店員のサービス精神のなさにうんざりしたとき、しつこい物売りにNOと強く言うのに少し罪悪感を感じるとき。
    そして、日本のトイレの安心感を無意識に求め、『普通のきれいなトイレ』を探してしまうとき。
    入ったトイレが温水洗浄便座でなくても、TOTOのトイレだと座り心地もよく使い勝手もよいし安心できる自分がいる。
    海外にいくと私はなんちゃってトイレ評論家と化し、連れには今のトイレがどうだったかを語ってしまう(はた迷惑な奴)。

    私が子供のころは、小学校のトイレも当然和式で汚くて、世間の公衆トイレも似たようなもんだったように思う。ちょっと田舎の方に行けば汲み取り式だったし。
    それが、日本のトイレはどんどんきれいになっていき、最近では、ホテルやデパートのしばらくゆっくりしていこうかという安らぎ空間と化したトイレだけでなく、駅のトイレもずいぶんきれいに。
    そんな日本の進化し続けるトイレ事情のようにはうまくいかない、世界のトイレ事情。
    26億人が、未だトイレを持たない生活をしていること。トイレがないことで、病原菌、寄生虫に飲み水が汚染され、今も多くの子どもが下痢で亡くなっていくこと。
    アメリカ、中国、インド、それぞれの国のトイレ観。
    先進国でのトイレ設置、下水整備の歴史、発展途上国で今まさに推進されている、「嫌悪感」に働きかけてのトイレ普及運動。
    汚物のリサイクル、宇宙でのトイレ、未来の循環型のエネルギー利用などなど…

    非常にまじめに、「トイレ」と衛生の問題について語った一冊。
    ただ、トピックの性格上、ごはんを食べながら読むことはお勧めしません(笑)

  • 面白雑学と思って軽い気持ちで読んで、考えさせられました。
    ヒトが人として生きて行く上で避けて通れない話です。
    地球上のどこでも。

  • 世界各地のトイレ(排泄)の方法が書いてある本だと思って
    興味本位というか、軽い気持ちで手にしてみた。

    読み終えて愕然とした。

    公衆衛生(排泄処理)の不備で多くの人が
    コレラや赤痢で亡くなっている事や
    トイレがあっても排泄物の回収車が来ない地域があるとか
    ビニール袋に排泄してそれを屋根に投げる地域があるとか
    そういった事に対してではない。

    インドではカーストの下に
    更にアウトカーストという身分があって
    その中でもスカベンジャーという人たちは
    素手で排泄物を拾う仕事をさせられているという事だ。
    仕事は低賃金な上、
    触れてはいけない者として差別もされている。

    人間が生きている以上、排泄行為を避ける事はできない。
    誰かが排泄物の処理をしなければならない。
    だから、アメリカのように下水処理場の職員の給料を
    高く設定したりして優遇するべきなのではないかと思う。

  • もっと軽いノリだと思った。

  • 世界中のトイレに詳しくなれる一冊。真剣な本。

  • 最初のところは日本のハイテクトイレに関してでその後はかなり厳しい世界の公衆衛生事情とか。
    トイレの無い生活をしている人が26億人もいて、まともなトイレがないせいで死んでいる子供達の数もかなりいて結構切実なのにそれをどうするかを考える人の数はあまりにも少ないっていうのがメインの話。
    あとはちょっと珍しいトイレの経験談とかエコロジカルというか無いなら無いなりにどうしているかということに関して書かれている。
    作者さんの行動力は尊敬する。

  • トイレ大国といわれている日本。海外セレブにも大人気ウォシュレット。表紙のキャッチコピーもおもしろく、内容もクスクス笑いながら楽しく読めます。気になった方はぜひ、読んでみてください。

  • トイレと排泄の話.

    まずトイレという存在をどう言葉にするかについて、この考え方がすごく面白くて引き込まれました.
    あまり話題に上らないトイレの向上を世界中でどのようなアプローチがされているのか、筆者が臭いトコロに出向いていってまとめた各国のストーリーは興味深く説得力がある。ジャーナリストってすごい.
    紹介されてる、トイレの問題に取り組む人たちもすごい.

    世界で最も、トイレに近づき、排泄物と距離を置くことに成功した日本人だからこそ、読みだしたら一気に引き込まれると思います.

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